東京銭湯TOKYO SENTO の『大阪銭湯支援・クラウドファンディング』について
-はじめに-
1月末から『大阪銭湯支援』と題して
東京銭湯TOKYO SENTO と大阪公衆浴場組合が、クラウドファンディングやステッカー販売による
支援金活動を行なっています。
銭湯・奥の細道として、このプロジェクトに一切協力しないし
個人的な意見としても上記の活動については『反対』の立場です。
「即刻中止にして、クラウドファンディングで集まったお金はすぐ返金すべき」
というのが自分の意見です。その事は関係者にも伝えています。
なぜか?
このプロジェクトで具体的な支援作業が始まっていない3月上旬の現段階でもあまりにも多く問題が噴出し、
これ以上長引かせても良い結果が生まれる可能性は低いからです。
1日も早く中止にする事が、結果として大阪の銭湯や関係している銭湯・人への「ダメージ」が少なくて済むと僕は考えます。
今回の「大阪銭湯支援」の件
森川理事を含め複数の大阪の銭湯経営者、東京銭湯TOKYO SENTO側の方
ステッカー協力銭湯、東京都公衆浴場組合の理事の方、他県の銭湯経営者等々
関係者にそれぞれかなり長時間お話を聞いてます。
もちろん全てを知っている訳ではありませんが、たぶん外部の人間では一番調べてると思います。
※ちなみに「東京銭湯-TOKYO SENTO-」は、東京の550軒の銭湯が加盟している団体・組合ではなく、東京の銭湯とはほぼ関係ない民間の会社です。東京のほぼ全て銭湯が加盟して団体は「東京都公衆浴場組合」という全く別の組織です。その紛らわしい名称もあり、この構図が事態をさらに分かりづらくややこしくしています。
-「大阪銭湯支援」の本質的な問題点-
複数の関係者から話を聞いた結果、この「大阪銭湯支援」のプロジェクト、
外部の方が思っている以上に
関わってる人それぞれの思いはバラバラ、
プロジェクトの内容自体もガタガタで問題だらけです。
計画を進めればさらに問題は大きく、複雑化・表面化してくると思います。
なぜこういう事になったか
一番大きいのは
東京銭湯TOKYO SENTO の力不足、準備不足、調査不足、関係者への調整不足、
銭湯業界や公衆浴場組合の組織、大阪の銭湯への理解不足、
さらに「被災した大阪の銭湯への思い」が圧倒的に不足してるからだと思います。
クラウドファンディング目的も最初のプレゼンの時と趣旨がかなり変わっていたと
聞いています。
こんな状態でプロジェクトをスタートさせたら
問題や大阪の銭湯を含め異論や反対意見が出るのは当然です。
それに、支援金の分配の問題や可能性にかけたいという思いは理解しますが
この計画を安易に受けてしまった大阪府公衆浴場組合側にも責任の一端はあると思います。
諸問題の数々を列挙はしませんが
大きい部分として、
今回のプロジェクトの支援を受ける側の「被災した大阪の銭湯」の問題があります。
去年の台風で被害を受けたとされる数百軒の大阪の銭湯の中でも
被害状況・被害額は様々、現在の営業状況、意見も様々です。
今回のプロジェクトに対しても支援先である大阪の銭湯の中にも
けっこうな数の反対意見があると聞いています。
今回の「大阪銭湯支援」プロジェクト、
当事者の大阪の大半の銭湯が内容もよく知らず承認もしてない中で
動き出してしまったのも事態をややこしくした大きい要因だと思います。
-「大阪銭湯支援」に関する色々と東京銭湯TOKYO SENTOについて-
支援ステッカー販売に協力してる全国の銭湯は
ほとんど上記のような現状や問題点を知らされないまま
大阪の銭湯を応援したいという思いで、ステッカー販売やポスター掲示に協力していました。
※これについては、2月中旬に僕の方から東京銭湯TOKYO SENTO側に意見伝えたら
直後に協力銭湯に東京銭湯TOKYO SENTOから一応ある程度の説明はあったそうですが。
あと、支援スッテカー500円の内訳についてもやはり問題と感じている人はいます。
今回の大阪銭湯支援活動について
銭湯経営者や銭湯ライターの方が書いた記事についても
本当に知らないのか意図的に見ないようにしているのか不明ですが
このプロジェクトが抱えてる本質的な問題点等にほぼ触れず
とても公平な立場で書かれているとは言い難いものでした。
今回の件で
「動き出した以上は最後までやりきるんだ!」
「問題や批判はあるかもしれないが、思いを伝える!実際に行動する事が大事!」
という意見を見ました。気持ちは分かります。
…ですが
支援する側の思いだけ先行して問題だらけのプロジェクト押し進める事が
大阪の銭湯にとってプラスになるのでしょうか?
過去の様々な銭湯復活プロジェクトで同様の意見が見られましたが、
こういう意見が出始めた時点でほとんどが失敗しています。
一度立ち止まり、冷静に事態を見て、引き返す選択をするのも
責任ある決断だと思います。
東京銭湯TOKYO SENTOについては
今回の件に限らず、様々な銭湯や案件でトラブルや問題を起こしてると見聞きします。
「大阪銭湯支援」でも、結果として関係ない人や団体まで巻き込んで
なんで事態をさらにややこしくするんだと怒りを覚えます。
ある東京都の銭湯経営者の方が言っていました
「以前から色々アドバイスしてきたが全く改善されず、問題ばかり起こす。
あそこ(東京銭湯TOKYO SENTO)とは二度と関わりたくない」と。
東京銭湯TOKYO SENTO内部には真剣に取り組んでる人やいい活動もあるかもしれませんが、
やはりこの団体には現時点で問題があり過ぎます。
また、今回のような銭湯の経営を左右するような責任ある計画を動かすにはあまりにも力不足です。
今回の件でそれがはっきりしました。
-最後に-
先に書いた通り、この「大阪銭湯支援」プロジェクト
計画を進めればさらに問題は大きく、表面化・複雑化してくると思います。
いまの段階で「大阪銭湯支援」に関わった人達の大半がこのせいで疲弊してます。
現時点でこれだけ問題が噴出する中で、今後起こるであろう諸問題に
東京銭湯TOKYO SENTOが対応解決できるのか?
これから、さらに難しい支援銭湯の選定、支援金の分配等々が控えています。
クラウドファンディングがあまり伸びてない中で、どうあの金額を分けるのでしょう?
支援受けたいと手を挙げた銭湯は必ずもらえるのでしょうか?
間違いなく、非常に難しい判断調整が必要になります。
支援を受けた銭湯や大阪側の関係者が批判される可能性も否定できません。
それに具体的な支援先が決まってお金渡して今回の件は終わりなのでしょうか?
その支援した銭湯にはきっと長期的なサポートが必要になります。
3年5年10年その先…
東京銭湯TOKYO SENTO側にその支援やサポートを続ける「覚悟」はあるのでしょうか?
売名や目先の実績作りの為に、このプロジェクトを提案したんではない事を願っています。
それから今回のプロジェクトで、
大阪の銭湯や大阪府公衆浴場組合とその理事の森川さんの状況立場が悪くなるような事は避けたいです。
せっかく、大阪は「FOR−U」等のいい活動も出てきた所なのに、
その可能性が今回の件で潰されるような事があってはならないと思います。
今回のクラウドファンディングや東京銭湯TOKYO SENTOには、今後も一切協力するつもりはありませんが、
大阪の銭湯のサポートは、今後も続けていくつもりです。
長々と書きましたが
東京銭湯TOKYO SENTO の「大阪銭湯支援」、協力するもしないも個人の自由です。
被災地では必ずお金の問題で揉めます。被災者同士、銭湯同士が揉めるのも実際見て来ました。
正直、もうそんな争いは見たくありません。
「大阪銭湯支援」に参加しなかった大阪住吉の朝日温泉さんが書いていましたが、
『被災地に対して、お金じゃない応援をしていきたい』
銭湯・奥の細道としても同様です。
2011年9月に、初めて東北・岩手の釜石行った時からずっと
被災地やそこの銭湯に対して、どういう形で応援支援ができるのか模索してきました。
上手くいったものもあれば、結果としてうまくいかなかったものも当然あります。
決して、クラウドファンディングやステッカーでお金を送るだけが
被災地の銭湯への唯一の支援策ではないはずです。
その可能性をそれぞれ考えるきっかけにするのが
今回の「大阪銭湯支援」の今後への生かし方だと僕は思います。
銭湯・奥の細道 原沢聡志
1月末から『大阪銭湯支援』と題して
東京銭湯TOKYO SENTO と大阪公衆浴場組合が、クラウドファンディングやステッカー販売による
支援金活動を行なっています。
銭湯・奥の細道として、このプロジェクトに一切協力しないし
個人的な意見としても上記の活動については『反対』の立場です。
「即刻中止にして、クラウドファンディングで集まったお金はすぐ返金すべき」
というのが自分の意見です。その事は関係者にも伝えています。
なぜか?
このプロジェクトで具体的な支援作業が始まっていない3月上旬の現段階でもあまりにも多く問題が噴出し、
これ以上長引かせても良い結果が生まれる可能性は低いからです。
1日も早く中止にする事が、結果として大阪の銭湯や関係している銭湯・人への「ダメージ」が少なくて済むと僕は考えます。
今回の「大阪銭湯支援」の件
森川理事を含め複数の大阪の銭湯経営者、東京銭湯TOKYO SENTO側の方
ステッカー協力銭湯、東京都公衆浴場組合の理事の方、他県の銭湯経営者等々
関係者にそれぞれかなり長時間お話を聞いてます。
もちろん全てを知っている訳ではありませんが、たぶん外部の人間では一番調べてると思います。
※ちなみに「東京銭湯-TOKYO SENTO-」は、東京の550軒の銭湯が加盟している団体・組合ではなく、東京の銭湯とはほぼ関係ない民間の会社です。東京のほぼ全て銭湯が加盟して団体は「東京都公衆浴場組合」という全く別の組織です。その紛らわしい名称もあり、この構図が事態をさらに分かりづらくややこしくしています。
-「大阪銭湯支援」の本質的な問題点-
複数の関係者から話を聞いた結果、この「大阪銭湯支援」のプロジェクト、
外部の方が思っている以上に
関わってる人それぞれの思いはバラバラ、
プロジェクトの内容自体もガタガタで問題だらけです。
計画を進めればさらに問題は大きく、複雑化・表面化してくると思います。
なぜこういう事になったか
一番大きいのは
東京銭湯TOKYO SENTO の力不足、準備不足、調査不足、関係者への調整不足、
銭湯業界や公衆浴場組合の組織、大阪の銭湯への理解不足、
さらに「被災した大阪の銭湯への思い」が圧倒的に不足してるからだと思います。
クラウドファンディング目的も最初のプレゼンの時と趣旨がかなり変わっていたと
聞いています。
こんな状態でプロジェクトをスタートさせたら
問題や大阪の銭湯を含め異論や反対意見が出るのは当然です。
それに、支援金の分配の問題や可能性にかけたいという思いは理解しますが
この計画を安易に受けてしまった大阪府公衆浴場組合側にも責任の一端はあると思います。
諸問題の数々を列挙はしませんが
大きい部分として、
今回のプロジェクトの支援を受ける側の「被災した大阪の銭湯」の問題があります。
去年の台風で被害を受けたとされる数百軒の大阪の銭湯の中でも
被害状況・被害額は様々、現在の営業状況、意見も様々です。
今回のプロジェクトに対しても支援先である大阪の銭湯の中にも
けっこうな数の反対意見があると聞いています。
今回の「大阪銭湯支援」プロジェクト、
当事者の大阪の大半の銭湯が内容もよく知らず承認もしてない中で
動き出してしまったのも事態をややこしくした大きい要因だと思います。
-「大阪銭湯支援」に関する色々と東京銭湯TOKYO SENTOについて-
支援ステッカー販売に協力してる全国の銭湯は
ほとんど上記のような現状や問題点を知らされないまま
大阪の銭湯を応援したいという思いで、ステッカー販売やポスター掲示に協力していました。
※これについては、2月中旬に僕の方から東京銭湯TOKYO SENTO側に意見伝えたら
直後に協力銭湯に東京銭湯TOKYO SENTOから一応ある程度の説明はあったそうですが。
あと、支援スッテカー500円の内訳についてもやはり問題と感じている人はいます。
今回の大阪銭湯支援活動について
銭湯経営者や銭湯ライターの方が書いた記事についても
本当に知らないのか意図的に見ないようにしているのか不明ですが
このプロジェクトが抱えてる本質的な問題点等にほぼ触れず
とても公平な立場で書かれているとは言い難いものでした。
今回の件で
「動き出した以上は最後までやりきるんだ!」
「問題や批判はあるかもしれないが、思いを伝える!実際に行動する事が大事!」
という意見を見ました。気持ちは分かります。
…ですが
支援する側の思いだけ先行して問題だらけのプロジェクト押し進める事が
大阪の銭湯にとってプラスになるのでしょうか?
過去の様々な銭湯復活プロジェクトで同様の意見が見られましたが、
こういう意見が出始めた時点でほとんどが失敗しています。
一度立ち止まり、冷静に事態を見て、引き返す選択をするのも
責任ある決断だと思います。
東京銭湯TOKYO SENTOについては
今回の件に限らず、様々な銭湯や案件でトラブルや問題を起こしてると見聞きします。
「大阪銭湯支援」でも、結果として関係ない人や団体まで巻き込んで
なんで事態をさらにややこしくするんだと怒りを覚えます。
ある東京都の銭湯経営者の方が言っていました
「以前から色々アドバイスしてきたが全く改善されず、問題ばかり起こす。
あそこ(東京銭湯TOKYO SENTO)とは二度と関わりたくない」と。
東京銭湯TOKYO SENTO内部には真剣に取り組んでる人やいい活動もあるかもしれませんが、
やはりこの団体には現時点で問題があり過ぎます。
また、今回のような銭湯の経営を左右するような責任ある計画を動かすにはあまりにも力不足です。
今回の件でそれがはっきりしました。
-最後に-
先に書いた通り、この「大阪銭湯支援」プロジェクト
計画を進めればさらに問題は大きく、表面化・複雑化してくると思います。
いまの段階で「大阪銭湯支援」に関わった人達の大半がこのせいで疲弊してます。
現時点でこれだけ問題が噴出する中で、今後起こるであろう諸問題に
東京銭湯TOKYO SENTOが対応解決できるのか?
これから、さらに難しい支援銭湯の選定、支援金の分配等々が控えています。
クラウドファンディングがあまり伸びてない中で、どうあの金額を分けるのでしょう?
支援受けたいと手を挙げた銭湯は必ずもらえるのでしょうか?
間違いなく、非常に難しい判断調整が必要になります。
支援を受けた銭湯や大阪側の関係者が批判される可能性も否定できません。
それに具体的な支援先が決まってお金渡して今回の件は終わりなのでしょうか?
その支援した銭湯にはきっと長期的なサポートが必要になります。
3年5年10年その先…
東京銭湯TOKYO SENTO側にその支援やサポートを続ける「覚悟」はあるのでしょうか?
売名や目先の実績作りの為に、このプロジェクトを提案したんではない事を願っています。
それから今回のプロジェクトで、
大阪の銭湯や大阪府公衆浴場組合とその理事の森川さんの状況立場が悪くなるような事は避けたいです。
せっかく、大阪は「FOR−U」等のいい活動も出てきた所なのに、
その可能性が今回の件で潰されるような事があってはならないと思います。
今回のクラウドファンディングや東京銭湯TOKYO SENTOには、今後も一切協力するつもりはありませんが、
大阪の銭湯のサポートは、今後も続けていくつもりです。
長々と書きましたが
東京銭湯TOKYO SENTO の「大阪銭湯支援」、協力するもしないも個人の自由です。
被災地では必ずお金の問題で揉めます。被災者同士、銭湯同士が揉めるのも実際見て来ました。
正直、もうそんな争いは見たくありません。
「大阪銭湯支援」に参加しなかった大阪住吉の朝日温泉さんが書いていましたが、
『被災地に対して、お金じゃない応援をしていきたい』
銭湯・奥の細道としても同様です。
2011年9月に、初めて東北・岩手の釜石行った時からずっと
被災地やそこの銭湯に対して、どういう形で応援支援ができるのか模索してきました。
上手くいったものもあれば、結果としてうまくいかなかったものも当然あります。
決して、クラウドファンディングやステッカーでお金を送るだけが
被災地の銭湯への唯一の支援策ではないはずです。
その可能性をそれぞれ考えるきっかけにするのが
今回の「大阪銭湯支援」の今後への生かし方だと僕は思います。
銭湯・奥の細道 原沢聡志
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