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銭湯・奥の細道 (東北と全国の銭湯巡り)

東北を中心に、全国の銭湯・スーパー銭湯・日帰り温泉・サウナ・共同浴場を紹介します!

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銭湯のミライとは? ~10年後あなたの街に銭湯は残ってますか?~

先日とある銭湯好きの方と飲み屋でさしで話していて、
ふと
「あれ?もしかして地方の銭湯って数十年後本当に全滅してるんじゃ」という不安に急に駆られました。
いてもたってもいられず、自分で計算してみました!

データは、総務省統計局が毎年出している「衛生行政報告例」の公衆浴場数を元にしています。
政府が毎年出している資料なのでかなり信頼度は高いです。
「(普通)公衆浴場」とは、いわゆる「銭湯」「まちのお風呂屋さん」の事で
県によっては、安い温泉施設も含まれている事もあります。(青森・大分・鹿児島の軒数が非常に多いのはその為です。)


ここ近年の銭湯の減少率については、以前書いた こちらの記事 を参照ください。
今回は各都道府県の近年10年間(2005年→2015年)の銭湯減少率を元に計算しました。
このままのペースで廃業が続くと、数十年後は銭湯はどれくらいの数になるかというざっくりとしたシミュレーションです。
小数点以下は四捨五入。予想値が1軒以下になった場合(実質0軒)は、にしました。


銭湯・未来予想図♨
      平成26年度
(2015年3月)
2020年予想
(5年後)
2025年予想
(10年後)
2045年予想
(30年後)
2065年予想
(50年後)
近年10年間の
銭湯の減少率

全国4,293軒
(うち公営354)
3,439軒 2,576軒927軒334軒-39.8%
北海道327 (48)2601946824-40.8%
青森321 (67)302283219170-11.9%
岩手27 (1)1912-56.5%
宮城9-59.1%
秋田12 (1)-45.5%
山形1
-87.5%
福島12-60.0%
茨城5-58.4%
栃木11-38.9%
群馬272318-32.5%
埼玉614428-54.2%
千葉624732-48.4%
東京659 (1)53140515257-38.7%
神奈川1841491134316-38.5%
新潟262115-42.3%
富山110 (1)91723114-34.2%
石川86 (5)685118-40.7%
福井241910-58.7%
山梨19 (4)1714-24.0%
長野372819-50.0%
岐阜29 (1)2114-53.3%
静岡11-50.0%
愛知117865612-52.3%
三重47 (2)3421-55.7%

平成26年度
【2014年3月】

2020年予想
(5年後)

2025年予想
(10年後)

2045年予想
(30年後)

2065年予想
(50年後)
近年10年間の
銭湯減少率
滋賀23軒 (うち公設2)18軒12軒4軒-46.6%
京都190 (6)1571145228-35.2%
大阪701 (47)55841414551-40.1%
兵庫195 (1)1601174215-35.5%
奈良55 (18)433110-43.9%
和歌山37 (8)2722-53.8%
鳥取31 (8)29271915-13.9%
島根1-88.9%
岡山262115-42.7%
広島594532-46.4%
山口30 (3)2418-38.8%
徳島23 (5)1814-41.1%
香川23 (1)1813-45.3%
愛媛44 (2)3321-51.7%
高知9-75.7%
福岡453219-56.8%
佐賀1-75.0%
長崎19 (3)1410-48.7%
熊本59 (9)504018-32.2%
大分165 (65)144993613-25.7%
宮崎20181712-16.7%
鹿児島311 (44)300288249214- 7.2%
沖縄2 (1)-88.3%


で計算してみると、こんな感じになっていました。
あなたの都道府県は、数十年後銭湯何軒残っていましたか?

銭湯の減り方には、明らかに地域差があり、
鹿児島に代表されるように温泉が多い南九州は減少が全国平均に比べると減少率が緩やかです。
温泉地でいうと温泉銭湯が多い、青森、鳥取、山梨等もあまり減っていません。

同じ大都市圏でも
東京大阪京都あたりは全国平均くらいの減少率なのに対して
愛知・福岡あたりは30・50年後には銭湯消滅している可能性がある危機的数字です。
(ある程度の所で下げ止まる可能性が高いので、実際こうはならないと信じたいのですが…)
隣接する県でも減少率にかなり差がある所も多いです。

現在、各都道府県には銭湯・お風呂屋さんがありますが (※島根は町の銭湯は0軒
5年後の2020年には3県、10年後の2025年は4県、30年後の2045年は8県、50年後は19県というように
銭湯なし県」が増えていく可能性が高いです!

すでに軒数の少ない県は、具体的な銭湯の名が浮かぶので非常に心苦しいですが、これが現実です。

近年の銭湯の現状を考えると
上の予想より早いスピードで廃業が進む可能性もありますし、逆にある程度の所で下げ止まる可能性もあります。
(30年後・50年後は、「銭湯」「公衆浴場」って業種自体なくなっている可能性も...)

でも、一つはっきりしているのは
この「銭湯の減少」の大きな流れは今後変わることはないです。
それは、銭湯の主な廃業理由である「設備の老朽化・経営者の高齢化・燃料の高騰・利用者の減少」等々の
諸問題が解決の糸口がないからです。

今後、銭湯業界も揺るがすような大変革が起こらない限り確実に減り続けます。



さあ、どうしたものか???
ここから下は僕個人の考えになります。


IMG_4610.jpg


それでは少し長くなりますが、もう少しお付き合いください。


「銭湯の未来的な話」「銭湯はどうしたら残るか?」という話題になると
いかに廃業を食い止めるか、廃業銭湯をどうするか的な話になる事が多い気がします。
ですが、本当の答えは、僕はそこにはない気がします。
いくら廃業銭湯を救ってもこの大きな流れの中では
結局は焼け石に水だと思います。


ここで発想の転換をしませんか?


「銭湯の廃業」に注視したり取り組むのではなく
現在、客も来ていてやる気のある銭湯をいかに続けもらうか、
言い換えるならば、『続けたい銭湯が続けられる状況を作り出す』方法を考えた方が
数十年後の未来を見た場合、残る銭湯の数は増えると思います!



ところで、ここ数年起きている 斉藤湯、御谷湯、久松湯等々の
都内の銭湯の新築や大規模改修の動き(今年も数軒続く予定です!)が
全く他県に広がっていかないのは何故なんでしょう?
それは「補助金」の違いです。
東京都の場合、銭湯を建替えや改築に対して出る都や区からの補助金が
他県と比べて非常に多いのです。
(区によってその額はだいぶ違うし、様々な補助金支給の条件があり)

聞けば、名古屋ではここ十数年新築された銭湯がないそうです。(他県もほぼ同様です)
施設が古くなって建替えや大規模改修したくても、予算やその先の採算性で考えると
実現不可能になってしまう。
建物には寿命があり、常に湿気と熱にさらされている銭湯はなおさらです。
このまま建て替えや大規模改修ができない状況が続けば
建物の老朽化で寿命がきた銭湯はどんどん廃業していく事は避けられません。


そこでどうするか?

考えました。
考えた上での一つの答えがこれです↓








「政治」です。「銭湯と政治」です。

こんな事を書くと笑う人もいるかもしれませんが
こんな銭湯衰退の時代だからこそ、「政治と銭湯」の関係性を見直す必要があります。

ここ最近の軽率減税の問題で
銭湯の入浴料は完全にスルーされた事でも分かるように
銭湯業界の政治的影響力は明らかに低下しています。
まあ、銭湯の数が減る = 関係者も減る、票田としての価値が無くなるのだから当然と言えば当然ですが。

その昔、浴場組合のトップの人達が
お役所に乗りこんで補助金や自分たちに有利な条件を引き出してきました。
現在の全浴や各県浴場組合の理事の方達は
国や県や市町村との交渉の窓口となって
「お客も来ていて続ける気持ちがある銭湯の経営者が今後数十年続けられる」
行政上の仕組みを作っていただきたい!!!

それこそが本来の「浴場組合」の役目ですよね?



銭湯の減少が、もう個々の力で食い止められるレベルではないのは
上の表からも見ても明らかです。
だからこそ、「政治と銭湯」なんです。
銭湯の啓蒙活動も大事です。
でも、銭湯を続けられる世の中の仕組みが出来ていなければ意味がありません。


うちの母親も自分の実体験から言っておりました。
「世の中を本当に変えたいのなら、議員動かせ」と。


東京都くらいの補助金が出るのであれば
建替えや大規模改修をして、今後数十年続けたいという銭湯は必ず全国で出てくるはずです。
業界全体は明らかに縮小傾向ですが
ここ数年、確実に銭湯がメディアに出る機会は増え、人々の関心は高まっているのも好機です。


そう! いま銭湯界救うのは
銭湯マニアでも銭湯大好きアイドルでも銭湯大好き芸人でもなく
「銭湯♨大好き議員」なのかもしれません。



とりあえず「公衆浴場 議員 (地名)」 でググってみて!
意外と面白い情報出てきたりしますよ♨
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