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銭湯・奥の細道 (東北と全国の銭湯巡り)

東北を中心に、全国の銭湯・スーパー銭湯・日帰り温泉・サウナ・共同浴場を紹介します!

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『銭湯大学』 ~銭湯、公衆浴場、お風呂に関する参考文献、論文一覧~

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※※銭湯で卒論書こうとしてる学生の為に、入門となる知識や参考文献の紹介記事を新たに書きました。
こちらの記事も、銭湯や公衆浴場を研究する上での参考になると思います。
→ 【銭湯大学】 銭湯・公衆浴場研究入門/参考文献紹介




 銭湯サイトを運営しながら、「銭湯大学」という銭湯をテーマに論文を書いている学生をサポートをする活動をしています。 

その中で、来るメールで多いのが、銭湯をこういうテーマで論文書きたいのですが、文献・資料はありますか?というものです。(次いで多いのが、調査研究に協力してくれる銭湯を紹介してほしい)
 ですが、銭湯(公衆浴場)は実はあまり研究が進んでいない学問の分野で、専門の研究者も非常に少ないのが現状です。研究史(どのような先行研究があり、それがどう分析評価がされてきたか)もわずかしかありません。
一般に手に入る銭湯に関する書籍は、趣味的な側面が強いものが多く。当たり前ですが、自分も銭湯について一般の人よりは詳しいですが、全て知っている訳ではありません。
 だから、学生から上記のような質問が来ると結構回答に困るあるので、研究史とまでは行かなくても、いつか銭湯(公衆浴場)に関する参考文献の一覧を作りたいと思っていました。

 そこに偶然、東京都浴場組合様(東京の銭湯の団体)の過去にまとめていたデータを見つけ、ご連絡したところ、学生の為の活動という主旨に賛同いただき、銭湯の関連書籍のデータを使って良いとの快諾を頂きました。ありがとうございました!
そのデータを元に分野ごとに分類し、また2000年以降に出版された書籍を加え、大幅に加筆編集したのが今回の参考文献一覧です。戦前から最新まで銭湯・公衆浴場に関する500冊以上の書籍や文献が紹介しています。

この1年コロナ禍で、大学生もリモート授業等で大変苦労していると聞きます。
この参考文献一覧が、その学生の研究や論文作成やの一助になることを、
また銭湯に興味があったり好きで調べている方達の役に立つことを、願っています。

2021年4月

※まだ未完成の部分もあるので、今後追記編集しいていきます。

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目次

『書籍・文献名』  著者名  出版社  出版年(年/月/日)
内容

※文献名やその内容について、一部に差別的表現を含むものもありますが、研究的な価値を重んじそのまま載せてあります。その差別的表現に賛同している訳ではありません。ご理解ください。
書籍・文献は原則、分野ごとに分け、その中で出版(発表)年が古いもの→最新の順に並べてあります。
もう既に絶版になっていたり、入手が難しいものも含んでいます。図書館等も活用しましょう。

<銭湯・お風呂の歴史>
 -歴史(全般・概説) ・9冊
 -歴史(古代~中世) 
・10冊
 -歴史(江戸時代) 
・54冊
 -歴史(明治・大正) 
・31冊
 -歴史(昭和・平成) 
・15冊

<銭湯の建築、建物>
 -建築・建物 ・41冊
 -写真集 ・7冊
 -銭湯ペンキ絵 ・9冊
 -お風呂(浴室・設備)について ・13冊

<銭湯の紹介、資料>
 -銭湯紹介、紀行文 ・41冊
 -銭湯のマップ ・10冊

<銭湯経営、銭湯で働く人、公衆浴場組合>
 -銭湯経営、銭湯で働く人、公衆浴場組合 ・19冊

<銭湯の社会学、民俗学、経済、関連法>
 -社会学、経済、民俗学 ・10冊
 -関連法、行政データ ・7

<銭湯の公衆衛生>
 -公衆衛生、健康、福祉 ・18冊
 -災害・防災 ・11冊

<銭湯/地域>
 -北海道・東北 ・12冊
 -東京 ・25冊
 -関東甲信越 ・20冊
 -東海・中部 ・11冊
 -関西 ・14冊
 -中国・四国 ・5冊
 -九州・沖縄 ・11冊
 -世界(アジア・中東・アフリカ) ・39冊
 -世界(ヨーロッパ、アメリカ) ・58冊

銭湯に関する
 -小説、落語、エッセイ、随筆、雑学 ・47冊
 -絵本、児童文学 ・27冊
 -漫画 作成中

<参考資料>







◎銭湯・お風呂の歴史(全般・概説)

『銭湯の歴史』  中野栄三・著   雄山閣  1970
「入浴史」「浴場史」「銭湯史」「入浴雑考」の各章。「入浴雑考」の中には、湯具の種々相、湯屋組合と定め、洗場手引章、湯語教、湯屋万歳暦などの各項。銭湯暦年表付き。
現在は『入浴と銭湯』 (雄山閣アーカイブス)  2016/9/20 として入手可

『公衆浴場史略年表稿本』   公衆浴場史編纂委員会編   全国公衆浴場業環境衛生同業組合連合会  1969
「明治以前」「自明治元年 至昭和四十三年」の2冊があり。
全国の浴場組合よりの提供史料、東京の本部所蔵のものを「史料カード」を数千枚を採集、整理してまとめたもの

『公衆浴場史』   公衆浴場史編纂委員会編    全国公衆浴場業環境衛生同業組合連合会  1972/5/20
沐浴の起源から現代の公衆浴場がかかえる問題まで。付録として図書目緑と672年以来の公衆浴場史略年表。

『浮世風呂 江戸の銭湯』   神保五弥 著   毎日新聞社  1977/12
浴場の発達-銭湯の始まり。浮世風呂。銭湯の構造と経営‐光明皇后の故事。陽気な浴客民の社交場。銭湯歳時記-銭湯の一日。銭湯の四季など。

『30年のあゆみ』  東京都公衆浴場商業協同組合 編   東京都公衆浴場商業協同組合  1980/10/02
江戸時代から昭和までの協温組合前史。東浴30年。公衆浴場の歴史。

『50年のあゆみ』  東京都公衆浴場業生活衛生同業組合  2008/2
昭和55年~平成19年までの年表。各支部の紹介、軒数の変化

『全浴連三十年史』  全国公衆浴場業環境衛生同業組合 著   全国公衆浴場業環境衛生同業組合連合会  1990/03/31
大別して「全浴連のあゆみ」「各都道府県の浴場組合のあゆみ」に区分され、30年間の記録にとどまらず、歴史的背景をも加味した編纂となっている。公衆浴場の歴史を江戸時代から昭和63年まで年表でたどる。東大寺の大湯屋の写真。浮世絵に描かれた銭湯。現在の公衆浴場の写真。

『銭湯検定公式テキスト』  社団法人 日本銭湯文化協会・編集   草隆社  2009/7/11
仏教伝来に伴う共同入浴の起源に始まり、庶民の銭湯文化が花開いた江戸時代から現代に至るまで、日本人の銭湯・入浴事情を幅広く解説。図版や写真も豊富で、世代を問わず楽しみながら学ぶことができます。日本ならではの入浴文化とその発展を支えてきた銭湯について詳しく学べる1冊です。
2020年に改訂版出てます(1と2)

『銭湯と横浜』  横浜開港資料館・横浜歴史博物館   横浜市ふるさと歴史財団  2018/1/24
2018年に横浜で行われた「銭湯と横浜」展に合わせて作られた書籍。横浜を中心に銭湯について多方面からの研究がされている写真資料も多く見やすく資料としての価値も高い。巻末で浴場史研究もされていて重要。

『全国浴場新聞』 全国公衆浴場業生活衛生同業組合連合会 1969~2021現在
銭湯の業界紙。毎月発行し全国の銭湯に配布されている。浴場組合の会議の内容や人事や入浴料金、コラム、歴史、広告など銭湯関連の記事が多数掲載されている。『全国浴場新聞縮小版』も発行されています。
現在、『全国浴場新聞 電子版』がネットで公開されていて、創刊1969年から2019年までの全ての新聞、記事が誰でも読めて、なおかつ記事の内容の単語検索機能もついているので、超便利です。必見!





◎銭湯・お風呂の歴史(古代~中世)

『日本風俗史 上編』  藤岡作太郎 著/平山鏗二郎 著   東陽堂  1895/02/15
太古から源平時代までの風俗史。例えば「第5期平安時代」は概観、社会の情態、宗教、道徳、交通、衣食住(第一主家具調度)、冠婚葬祭、年中行事、歌舞遊戯からなる。

『日本風俗史 下編』  藤岡作太郎 著/平山鏗二郎 著   東陽堂  1895/02/15
鎌倉時代から織田豊臣時代まで。「第8期室町時代」では、衣食住(第一節住居)に、京都貴族の第宅、武人の第宅、将軍の第邸などの記述があり、足利尊氏邸別の平面図もある。

『日本工業前史』   田村栄太郎 著   東洋堂  1943
風呂は、風口ある爐口即ち風爐。浴槽を風爐といったのは遅くても鎌倉時代のはじめ。一般に風爐に入る習慣は室町時代から。他に塩風呂の起源や、江戸期の銭湯の燃料の話など。

『日本の美術 桃山の風俗画』  山根有三 著  平凡社 1967
湯女の絵(17世紀前期)の他、風呂屋の絵など。

『公衆浴場史略年表稿本』(明治以前)     全国公衆浴場業環境衛生同業組合連合会  1970

壬甲年間以来の古文書等を解説。例えば、新年初湯「此日、年首、始有湯殿事」(『猪隈関白書』1201年)については、新年の初場の日は一定せず、宮中では、二日、八日が多いと注釈。

『京都庶民生活史』   CDI 編   京都信用金庫 [東京] 鹿島研究所出版会(製作)   1973
鎌倉末期から室町期にかけての京の町の浴場は、蒸し風呂形式の風呂と現在の風呂に近い湯屋が混在していた。止場や合沐という団体貸し切り制度もあり、一部の公家などが利用した。

『古寺巡礼』  和辻哲郎 著    岩波書店  1979/03
法華寺の境内に光明皇后施浴の伝説を負うた浴室がある。これはいわゆるカラ風呂と呼ばれ、入れこにした箱のように浴室の中に浴室があるものである。他に蒸風呂の伝統の話。

『わたしの線刻画 随筆集 松村英一追慕と新武園夜話』  土屋正夫 著   表現社  1986/01
風呂好きの日本人にもれず、毎日入浴しないと気のすまない著者が、風呂の歴史や風俗について解説。光明皇后の施浴や、式亭三馬と井原西鶴の文学に描かれる江戸の湯屋などについて。

『風呂のはなし』  大場修 著   鹿島出版会  1986/03
「入浴のはじめと浴室の歴史」「江戸時代の入浴事情」「近代の入浴改革」の各章。重源上人の入浴キャンペーンや明智風呂のメカニズムなどの話も。写真豊富。

『風呂の歴史 古代と現在と未来』  斉藤秀男 著   さいとう   1993/01/02
「風呂桶は何故早く腐るのか。」という疑問から調べはじめた風呂の歴史。浴槽の変遷、銭湯の歴史、燃料の変遷などを、年表や写真をまじえ紹介。水道の歴史、流し台の起源についても。

『京の歴史と文化4戦国・安土桃山時代  絢 天下人の登場』 村井康彦編   講談社  1994/6/29
『「町堂」と「銭湯」と人々』高橋康夫・著 を収録。





◎銭湯・お風呂の歴史(江戸時代)

『温故知新江戸乃花』  尚古堂主人 著 野口竹次郎 編   博文館  1890/04/24
戯作本的タッチで江戸の制度、風俗、商売などを紹介。江戸の浴場風景を描いた湯屋の項あり。

『江戸時代之武士』  爪生喬 著  宝永館書店  1900/11/20
「湯女」の頃に湯女風呂と称し「浴客に媚を呈し、淫を売る一種の遊女ありき…。」とある。明治時代の書。

『骨董集・燕石雑志・用捨箱』  山東京伝 [ほか]著   有朋堂書店  1915/08/28
それぞれ江戸時代の作品で、山東京伝・曲亭馬琴・柳亭種彦の著。『骨董集』には銭湯のはじめ、行水船居風呂船、ざくろ風呂、板風呂について。『用捨箱』には荷い風呂について記述がある。

『娯楽の江戸』  三田村鳶魚 著   恵風館  1925/07/20
延享3年の吉原細見夕紅葉の序文に記述がある程、当時吉原郭内では、混浴が名物。禁令前で市中でも混浴だったが、普通、婦女は男の入浴者を避け、夜遅くに行った。

『浮世風呂・浮世床』  式亭三馬 著   有朋堂書店  1927/11/12

式亭三馬の『浮世風呂』『浮世床』の現代語訳。

『江戸猥談』  坂田俊夫 著   成光館出版部  1928/04/05
江戸銭湯雑考として『そぞろ物語』や『歴世装考』から『骨董集』『甲陽軍艦』など、各種文献をとりあげ説明。他に風呂敷についての記述も。

『浮世風呂解注 稿本』  出口米吉 編 式亭三馬 著   玄鹿洞書院  1934/12/23
注釈付き『浮世風呂』。

『番傘・風呂敷・書物』  幸田成友 著   書物展望社  1939
日本人は清潔好きで、産湯から湯潅まで水は生活に欠かせない。みそぎの思想や寺院の湯屋はそのあらわれである。日本と西洋の浴場の発達について述べ、特に江戸時代の銭湯について詳しい。

『日本人の生活史』  増沢淑 著   日本書房  1942
「身体の清潔」の項に、石風呂、風呂、湯屋、江戸時代の浴場、据風呂などについて説明。他に井戸や上水道の起源についても。

『吉原に就ての話』  三田村鳶魚 著   青蛙房  1956
効果のあがらぬ風呂屋女の取り締りや、丹前風呂の位置など江戸の湯屋のもようの話題豊富。

『日本古典文学大系 浮世風呂』  式亭三馬 著 中村通夫 校注   岩波書店  1957
式亭三馬の代表作のひとつ。前編・男湯の巻、二編・女中湯の巻、三編・女中湯之遺漏の巻、四編・男湯再編から成る。原著は、文化5年(1808)から文化10年にわたり刊行。

『千代田区の物語』  小丸俊雄 著   千代田週報社  1958
戸小川町の堀丹後守の屋敷前に「清水風呂」などの数軒の風呂屋があり、丹前風呂といった。また江戸の風呂の入口「ざくろ口」の語源や、湯屋と風呂屋の違いについて。

『浮世くずかご』   奥野信太郎 著   講談社  1960
戦後間もなくの銭湯の様子。燃料不足・時間制・混雑という銭湯で、一般の入浴客に先立って入った闇風呂の思い出。

『江戸風俗 社会と世相』     雄山閣出版  1961/08/25
「湯女」-湯女風呂、銭湯のはじめ、風呂屋女、丹前風呂など江戸期の銭湯をめぐる風俗の変遷や、幕府側の対応について。

『日本古典文学大系 江戸笑話集』  小高敏郎 校注  岩波書店  1966
古典文学に現れる湯屋の様子。『きのふはけふの物語』『鹿の巻筆』『軽口霧がはなし』『鯛の味噌津』などを収緑。

『江戸小ばなし考 落語のふるさとをたずねて』  加太こうじ 著   佑啓社  1968
勘当になった道楽息子が、桜風呂という名の銭湯へ奉公に上り番台にすわるという落語『桜風呂』の他、小ばなしを紹介しながら江戸の銭湯の風俗や人情を描く。

『江戸と北京 英国園芸学者の極東紀行』  ロバート・フォーチュン 著 三宅馨 訳   広川書店  1969
1860年の英人園芸学者の紀行文。日本の混浴に対する感想。

『江戸城大奥の生活』  高柳金芳 著  雄山閣出版  1969
大奥女中限(身分)を反映した給与の一つに湯之木(風呂の燃料)の束数があった。また風呂場は将軍や大名のお手付の場となる例が多く「御場殿の子」という名称さえ生じた。

『お江戸あちこち』  保科恒二 著   芸文社  1969
江戸朝風呂。当時の湯屋の看板には、矢の形のものを木で作って立てておいたという。その心は「弓射る(湯入る)」。

『慶長見聞集』  三浦浄心 著 中丸和伯 校注   新人物往来社  1969
草創期の江戸、湯屋のおこりから繁昌していく様子。天正19年夏、伊勢輿市という人が、銭瓶橋の辺りに、せんとう風呂をたて、永楽一銭の入浴料をとったのが湯屋のはじまり。

『江戸の湯う屋』  花咲一男 編   近世風俗研究会  1970
銭湯のはじめと湯銭の変遷。また、湯屋を題材にして詠まれた雑俳、川柳を解説。挿絵も豊富。

『江戸の遊女 江戸時代漫筆』  石井良助 著   自治日報社出版局  1971
「湯屋のこと」の項に、湯屋の変遷や、湯屋の営業権「湯株」の話。また江戸の早い時代には、湯屋の看板は、矢をつがえた弓を欅にぶらさげたものであったことなどにもふれる。

『江戸繁昌記』  寺門静軒 著 佐藤進一 訳   三崎書房  1972
著者は天保年間の人。「湯堂(湯屋)」の項に、未明の湯、大家の意見、諸種の浴客などの順に当時の入浴情景を描写。現代語訳。

『図解で見る江戸民俗史』  市川正徳 編   集団形星  1972
仏教が普及させた入浴の習慣。高貴な家のとり湯(釜と湯舟は別)。江戸の湯屋と大阪の風呂場。また、入浴時の姿の変遷などをイラストで。

『京阪と江戸』  宮本又次 著   青蛙房  1974
遊里から見た上方と江戸-風呂屋と湯女。習俗から見た上方と江戸-湯屋と風呂屋。江戸期における上方と江戸の風呂と入浴文化の比較。

『てぬぐい風俗絵巻』  川上桂司 著   雄山閣出版  1975
てぬぐいを切り口に、江戸の初期・中期・後期それぞれの湯屋の情景。当時の文献の紹介など。挿絵、写真豊富。

『日本おんな噺 女がつくった江戸三〇〇年』  樋口清之 著   文化放送開発センター出版部  1976
寺門静軒の『混堂(湯屋)』のいきいきとした浴場風景をわかりやすく紹介。

『遊女風俗姿細見』  足立直郎 著   展望社  1976
江戸の湯女に関する当時の各書を紹介。『煙華漫筆』によれば江戸はもちろん、大阪においても湯女は一種の娼婦であったと考えられる。

『江戸吉原図聚』  三谷一馬 著   立風書房  1977/02
「登楼」の章に便所。「廓内」の章に銭湯「妓楼」の章に便所・風呂場。「遊女の生活」の章に行水の各項。そりぞれに挿絵をつけて設明。

『時代風俗考証事典』  林美一 著   河出書房新社  1977/10
風呂と銭湯。風呂の始まりは蒸風呂。ざくろ口と湯女。風呂褌と湯文字。江戸の銭湯と据風呂など時代考証の立場から。挿絵も豊富に引用。

『銭の歴史』  八剣浩太郎 著   大陸書房 1978/03/07
三浦浄心『慶情見聞集』にみえる江戸の銭湯の歴史。男女混浴、ざくろ口、内部は暗く風呂の中で人が殺されていてもわからないほどだったという。江戸時代初期から昭和20年までの湯銭の変遷も。

『川柳・雑俳からみた江戸庶民風俗』  鈴木勝忠 著   雄山閣出版  1978/08
銭湯や行水を詠んだ川柳と雑俳。その他、井戸についての句も。

『新編江戸時代漫筆 上』  石井良助 著   朝日新聞社  1979/02/20
江戸時代の法制をわかりやすく解説。湯屋のこと。

『新編江戸時代漫筆 下』  石井良助 著   朝日新聞社  1979/03/20
江戸時代の法制をわかりやすく解説

『江戸物価事典』  小野武雄 編著   展望社  1979/05
「風呂屋・浴戸・湯銭」「大阪浴戸株と入浴料」「天保の湯銭」「文久前後の湯銭」の各項。他に、飲料水の値段から湯女と遊女の揚代についてまで。

『江戸庶民の風俗と人情』  興津要 著   桜楓社  1979/10
式亭三馬の『浮世風呂』の紹介。舞台となった江戸の銭湯について。その数、ざくろ口の由来、しきたり、入浴料など。

『江戸のくらし』  芳賀登 編   柏書房  1981/04
文政年間の銭湯について。

『遊女と廓の図誌』  小野武雄 編著   展望社  1983/08
江戸時代、市中の風呂屋におかけた私娼としての湯女について。

『江戸娯楽誌』   興津要 著   作品社  1983/12/25
江戸の銭湯を舞台にした風俗・人情などを、川柳の解釈をまじえながら生き生きと描写。

『江戸東京歴史読本』  小森隆吉 著   弘文堂  1984/09
「生業と水」の章に1.物売りと水-水売り、水屋、白玉在り地。2.水茶屋-笠森お仙、評判の茶汲女他、湯屋、湯女。3.娯楽と水-水からくりと水芸、水と納涼など。

『元禄御畳奉行の日記 尾張藩士の見た浮世』  神坂次郎 著   中央公論社  1984/09
実在の主人公が、上方に遊び、美人湯女がひしめく湯女風呂へ行く。

『江戸商売図絵 定本』  三谷一馬 著   立風書房  1986/05/15
江戸の商売各種を図絵にそって紹介。石榴口、石榴口内部や水売りの図がある。

『図説大江戸の賑わい』  高橋雅夫 編   河出書房新社  1987/11
江戸時代の銭湯について。銭湯は裸のつき合いの場であり、その二階は朝後の憩いの場であった。初めは刀を預かる名目だったが、明治になって風紀を乱したため明治18年(1885)禁止された。

『おもしろ江戸の雑学 いきといなせとお武家と商人』  北村鮭彦 著   永岡書店  1988/10
風呂屋というのは田舎者。混浴も平気な江戸の娘。古川柳など湯屋風景を面白く紹介。他に飲み水の話など。

『江戸の二十四時間』  林美一 著   河出書房新社  1989/01
長屋の住民、将軍、岡っ引き、旗本、同心など、各層の生活を24時間のドキュメント風に紹介。八丁堀の七不思議の一つ「女湯の刀掛け」の話など。

『江戸の風呂』  今野信雄 著   新潮社  1989/02
江戸の湯屋。湯屋風景。湯道具さまざま。湯屋の仕事。経営し入浴の教訓書。風呂の種類。信仰と伝説。湯温繁盛。近世の風呂。浴場異聞。

『江戸アルキ帖』  杉浦日向子 著   新潮社  1989/04
江戸の町散歩。綾瀬川の湯船(水上銭湯)、湯銭は普通の湯屋の半分だった。神田や日本橋の湯屋の様子。行水の風景。

『町屋と町人』     学習研究社 1989/06
江戸の銭湯の歴史と、入浴の習慣。銭湯の営業時間や入浴料、看板などについて紹介。当時の銭湯の様子が一見できる見取図によって解説。

『残されたる江戸』  柴田流星 著   中央公論社 1990/06 初版は明治44年に発行。
当時の生活の中に残された江戸趣味について。菖蒲湯は、湯上がりの菖蒲の葉の香りが心地良い。また、朝湯の風情。

『江戸入浴百姿』  花咲一男 著   三樹書房  1992/03
江戸銭湯の始め。風呂のいろいろ。くすり湯。江戸の湯屋。銭湯の客。湯屋で働く人々。風呂吹き大根の話や、光明皇后の施行風呂についても。

『江戸名所図屏風の世界』  小木新造 竹内誠 編   岩波書店  1992/12
「江戸各所図屏風」(出光美術館所蔵)により、江戸初期の町の様子と人びとの暮らしぶりを紹介。湯屋と湯女。カラー図版93枚。

『「入浴」はだかの風俗史 浮世絵で見るお風呂の歴史と文化』 花咲一男 文 町田忍 写真   講談社  1993/02
入浴にまつわる情景を浮世絵で見る、江戸時代以降のお風呂の風俗史。現代の銭湯も。

『浮世風呂 女湯之巻』  式亭三馬 著   江戸書林  -
「文化六年巳の重陽前後五日の急案」との式亭三馬自序つき。

『近世風俗志(守貞謾稿)〈4〉』 喜田川守貞 著 宇佐見英機 校訂   岩波文庫  2001/10/16
江戸時代後期の三都(江戸・京都・大阪)の風俗、事物を説明した一種の類書(百科事典)である。「京坂にて風呂屋と云ひ,江戸にて銭湯あるひは湯屋と云ふ」と説きおこされ,薬湯・塩風呂・丹前風呂にも及ぶ沐浴の項をはじめ,正月行事を中心に花見・雛遊び・端午の節句・七夕などを語る年中行事,遊戯(竹馬・独楽・カルタ等),髪結床,笠,歌舞伎について述べた巻24から巻29までを収録.図版多数.(全5冊)

「近世の湯屋・風呂屋」  山本光正  2007
『歴博』142号





◎銭湯・お風呂の歴史(明治・大正)

『夏之家庭』      民友社   1894/07/09
明治期の家庭生活。夏は、清潔を保つために、少なくとも隔日に入浴し、一日一回は行水をする。髪も、一週間に一~二回は、石鹸かアンモニア水で洗うのが良い。

『日本風俗史』  藤岡作太郎 著 平山鏗二郎 著   東陽堂   1895/02/15
「第10期江戸時代」の衣食住(第一節住居)に、井戸、浴室、風呂屋の記述。浴室は湯殿又は風呂場と称し、地獄風呂、鉄砲風呂、戸柳風呂、柘榴風呂、へそ風呂などがあった。

『五十三次草鞋日記』  伊藤銀月 著   金尾文淵堂   1907/05/25
明治後期の東海道旅行記。旅先での便所・風呂の心得など。

『眼前小景』  笹川潔 著   敬文館書房   1912/01/22
三助について。女湯三助という異性が立ち交っていることは、女性の人格を認めない悪い習慣だと著者はいう。文明国の体面としても、この風習はなくすベきである。明治45年の文章。

『日本風俗史講座 明治時代の風俗・現代風俗』   藤沢衛彦 著 今和次郎 著   雄山閣   1929
柘榴口付の旧式を廃し、屋上に湯気ぬきをつけた明治の改良風呂は、明治10年、神田連雀町に鶴沢絞左衛門という人が始めた、など江戸から明治の塩湯など江戸の銭湯の変遷を記述。

『明治風俗史』   藤沢衛彦 著   春陽堂   1929
江戸の名残りをとどめる明治から大正にかけての湯屋の様子。その構造、風俗、衛生、湯銭などについて詳述。また、明治期の流行衣裳の中には、浴衣がある。

『昔の金沢』  氏家栄太郎 著   金沢文化協会   1932/05/05
明治初期に、男女混浴を禁止される前までの湯屋の様子。各所にあったが、本通りにはなかった。暖簾をかけた入口から脱衣場に接した流し板間、浴槽に入るには、引戸を潜って仕切りをまたぐ。

『絵筆の従軍』   武藤夜舟 著   南越社   1934/01/10
満州事変の勃発以来、著者は戦場スケッチの目的で従軍した。当時の中国の銭湯について。「日本軍歓迎」のビラが出ている。場船は混雑しており、洗濯屋が出張して来てシャツなどを洗っている。

『大阪物語』  鷲谷樗風 著   教材社   1940/08/05
明治初年の大阪の銭湯の人間もよう。まだ湯女の気分が残っていた。

『明治風俗史』  藤沢衛彦 著   三笠書房   1941/12/15
江戸の名残りをとどめる明治初年から大正11年までの湯屋の変遷。湯屋の構造・風俗・衛生・湯銭などを、豊富な文献と挿絵を使い詳述。

『明治風俗史』  藤沢衛彦 著   三笠書房   1942/09/20
明治期における流行衣裳の中に、浴衣についての記述がある。

『外人の観た明治の日本』  田村栄太郎 著   興亜書房   1943/10/30
西洋人の目に映った日本の姿を、様々な文献から紹介。日本人の異常なまでの風呂好きについてなど。

『新聞風俗帖 筆からエンピツへ』  渡辺一雄 著   富士書苑   1954
明治初期の銭湯にまつわるエピソード。温度と入浴回数を間違えた客、客寄せのための景品サービスなど当時の新聞から紹介。

『近世近代150年性風俗図史 上巻』  高橋鉄 著   久保書店   1968
明治初期の混浴の様子。図版多数。

『近世近代150年性風俗図史 下巻』  高橋鉄 著   久保書店   1969
図版多数。

『明治百年を語る古老のつどい』  東京都千代田区 編   東京都千代田区   1969
明治の末から大正期の湯屋について。三助の生活、燃料の入手法、湯銭、カランの歴史と大阪・京都との違い、番台から見た世相など。

『宮さん宮さん 明治回顧』  武田勝蔵 著   武田勝蔵   1969
国史学・古文書学者の明治期についてのエッセイ集。「明治の銭湯風景」-混浴の禁と柘榴口の廃止、改良風呂と散髪、流しの拍子と三助の由来、女湯のぞきの功罪など。

『公衆浴場史略年表稿本』(自明治元年至昭和43年)      全国公衆浴場業環境衛生同業組合連合会  1969
明治以降の公衆浴場をめぐる動きについて詳述。欲場の数、入浴料の動き等々。例えば昭和19年2月には「萩窪曙管内、浴場の燃料不足のためカラン数の減少甲請を許可」とある。

『百年前の東京風俗探訪』  遠藤鎮雄 編   学芸書林   1976/10
明治7~9年発行の服部誠一による『東京新繁昌記』を書き下し文にし、注釈を加えたもの。新温泉場の項がある。

『ペリー提督 日本遠征とその生涯』  宮永孝 著   有隣堂   1981/06
「下田の25日」の項に、下田の混浴の公衆浴場をのぞいた水兵の話がある。

『明治語録』  植原路郎 著   明治書院   1978/10
言葉でたどる明治時代の世相。入込湯(男女混浴)、岡湯(銭湯)、ざくろ口、塩湯などについて解説。

『値段の明治・大正・昭和風俗史』  週刊朝日 編   朝日新聞社   1981/01
三朝亭金馬師匠の銭湯にまつわる思い出と幕末から昭和54年までの入浴料の推移。

『古老が語るふるさとの歴史 中央編』  横須賀市市長室広報課 編   横須賀市   1981/03/31
明治・大正の話。風呂屋の流し(背中を流す仕事をする人)のこと。関東大震災で繁盛した銭湯。若い頃に銭湯で働いていた女性の思い出。長屋の行水。

『物語・女市場』  高橋桂二 著   展望社   1982/01/20
江戸の名残りをとどめた湯女は、明治14~15年まで、濃艶な姿を見せていたが16年になって取締りによりあとを絶った。

『明治風俗故事物語』   紀田順一郎 著   河出書房新社   1985/07
明治開化期の銭湯にまつわるエピソード。湯温は華氏90℃が適当との東京府庁のお達しを勘違いして90回入浴した男の話など。

『大正も遠く』   大島政男 著   日本社   1983/04
著者の記憶に残る大正時代の湯屋風景。三助の活躍。当時東京では風呂に行くと言わず、湯に行くと言った。

『風俗明治東京物語』  岡本綺堂 著 河出書房新社 1987/05/06
明治34年、東京の銭湯やそこでの風俗も、江戸期に比べて変化しつつある。湯屋の種類と造り、湯銭と朝湯、菖蒲湯や柚湯、湯屋の二階、留桶と三助、湯屋の盗難などについて。

『大正時代の思い出』  伊藤多津子 著   伊藤音楽研究所   1987/07
幼い頃、父に連れられて行った銭湯の思い出。タイルが無かったので浴槽も洗い場も木で出来ていた。壁には富土山や紅葉など、季節によって風景も変わったようだった。まるで温泉の気分だった。

『古老が語る江東区のよもやま話』  東京都江東区 編   東京都江東区総務部広報課   1987/12
明治・大正の話。風呂屋の流し(背中を流す仕事をする人)のこと。関東大震災で繁盛した銭湯。若い頃に銭湯で働いていた女性の思い出。長屋の行水。

『葛飾に生まれて 随筆 回想の記』   岩附良雄 著   岩附良雄   -
大正年間の東京都葛飾区の生活。端午の節句の菖蒲湯の思い出。当時、風呂桶への水入れは、井戸からつるベで汲み上げ、手桶などで運んだ。他に、川の水を汲み入れた露店風呂のこと。

『明治商売往来 続  ちくま学芸文庫』 仲田定之助 著   筑摩書房  2004/1/7
明治中期に東京下町に生まれ育った著者が、かつて身近に親しんださまざまな庶民の生業の姿と町の風物を愛情込めて描いた名随筆『明治商売往来』。続集では、はかなく消え去った職・商いを詳細に記述再現する一方で、時代の荒波を乗り越えいまに続く店・企業の昔を振りかえる。変転極まりない東京にあって、克明に記憶をたどり、調べ、精緻鮮明につづった、明治の職業風俗クロニクル。図版多数。





◎銭湯・お風呂の歴史(昭和・平成)

『浴場評論』第1号   浴場評論社  1935

『武蔵野に炊ぐ』  斉藤清衛 著   黄河書院  1937/10/29
昭和初期の東京。銭湯は、お金を払えば誰もが平等に気ままに振舞い、他人同志が裸で相対する。田舎で育った人は銭湯が苦手だというのがわかる。

『甕風呂 陣中漫画・スケッチ』  三上卯之介 作   三友社  1939/08/01
昭和12~13年頃の中国戦線での生活。兵隊が入浴したい一念から甕風呂を作った。風呂を沸かすために作った甕ではないので、湯は別の所で沸かす。また、飲み水や野戦便所などについても。

『町の随筆』  秋山安三郎 著   六興出版部  1948/02/18
終戦直後の湯屋の様子。混雑ぶり。汚ない湯、足りない小桶。

『みつまめ随筆』  秋山安三郎 著   朝日新聞社  1955
明治から大正時代、東京では銭湯のことを「お湯屋」といった。また、終戦直後の銭湯の風俗-板の間稼ぎ、出歯亀(女湯のぞき)。

『千夜一夜』  須田栄 著   青蛙房  1960
昭和20年から30年にかけての風俗。銭湯の脱衣場で横行した板の間稼ぎ。昭和22年頃の銭湯は、設備は改善されたが、値だけ上がり、脱衣場は埃で、帰宅してから再び入浴する場合もあったという。

『風は過ぎ行く 私の戦中ノート』  森輝 著   隣人社  1967
戦時下の銭湯の燃料難・混雑ぶり。その反面、情実入浴が行われ、板ま間かせぎ(湯具の盗難)も横行した。他にも当時の帝都糞尿譚。

『川崎空襲・戦災の記録』  川崎市 編   川崎市  1975
昭和20年の空襲の体験談。銭湯が焼け跡から風呂釜と薪を集めて野天風呂をたて、あちらから人が集まった。

『卓上四季 昭和17年11月~26年12月』  北海道新聞社 編   北海道新聞社  1985/07
昭和17年から26年までの朝刊連載のコラム。江戸時代からの朝湯の歴史と、その復活を喜ぶ筆者。その他、雁風呂について。

『入浴の解体新書』  松平誠 著   小学館  1997/5/10
連綿とつづいてきた日本人と風呂の関係をとらえ直し、入浴による極楽気分を解き明かしながら日本人の風呂好きな習俗を考える。銭湯の生き残り作戦、入浴作法のあれこれ、温泉天国の現在、入浴の東西比較など、興味深い内容構成。

『銭湯浪漫 湯気の中に人情が!』   中尾保 著   文芸社  2000/01/05
時代ともに様変わりしつつある、消え行く銭湯文化の記録。

『昭和のくらし博物館』 小泉和子 文   河出書房新社  2000/11/20
「銭湯通い」の項あり

『生活文化としての共同風呂の実態と地域(生活空間)における意義 (科研費補助金(基盤研究(C)(2)研究成果報告書)』 白石太良 研究代表 2003/3

『共同風呂 近代村落社会の入浴事情 (御影史学研究会 民俗学叢書18)』  白石太良 著   岩田書院  2008/12
本書は、あまり記録されることなく消えていった「共同風呂」の実態を発掘し、併せて、公衆浴場の事例や、韓国・中国の浴場に関する報告も含めて、入浴文化を考察する。

『第38回企画展 温泉と文芸と鉄道』 宇野真紀/馬場菜生 編   東日本鉄道文化財団  2015

『銭湯 「浮世の垢」も落とす庶民の社交場』  町田忍 著   ミネルヴァ書房  2016/6/20
全盛期には全国に18000軒あった銭湯。その数はどんどん減り、現在では4000軒を切ってしまっている。しかし、いつの時代も銭湯は、庶民の暮らしに寄り添って変化してきた。最近では、イベントを行うなど、趣向を凝らした新しいタイプの銭湯も生まれている。三十数年間で全国の銭湯を3500軒以上訪ねた著者が、豊富な経験をもとに、銭湯を歴史や庶民文化の側面から綴る。





◎銭湯の建築、建物

『建築工芸叢誌 湯屋(BATH)建築(1) 』  溝口直介 著   建築工芸協会  1912/05/15
まず日本の湯屋建築史。660AD~明治時代まで。

『建築工芸叢誌 湯屋(BATH)建築(2)』   溝口直介 著   建築工芸協会  1912/06/15
西洋の浴場史。エジプト、アテネ、ローマ、イギリス、ドイツ、ロシア、アメリカなど。

『建築工芸叢誌 湯屋(BATH)建築(3)』   溝口直介 著   建築工芸協会  1912/07/15
湯屋設計建築法。浴場部、洗濯部、機関並びに給水部の順に。次に、一人用浴槽部について。

『建築工芸叢誌 湯屋(BATH)建築(4)』  溝口直介 著   建築工芸協会  1912/08/15
遊泳浴場部について。

『建築工芸叢誌 湯屋(BATH)建築(5)』   溝口直介 著   建築工芸協会  1912/09/15
蒸風呂部について。次に、浴場経営者の住宅をどこにとるか。遊泳浴場部を冬季も使用する方法。公衆浴場内入浴部の設備。

『建築工芸叢誌 湯屋(BATH)建築(6)』   溝口直介 著   建築工芸協会  1912/10/15
公衆浴場内洗濯部について。欧州では大抵は風呂屋の副業となっており、市中の小さな洗濯屋がここで洗濯するところと、湯屋自家用でタオル等洗うところがある。

『建築工芸叢誌 湯屋(BATH)建築(7)』   溝口直介 著   建築工芸協会  1912/11/15
公衆浴場の機関給水部について。

『建築工芸叢誌 湯屋(BATH)建築(8)』   溝口直介 著   建築工芸協会  1912/12/15
土耳古風呂(TURKISHBATH)について。

『建築工芸叢誌 湯屋(BATH)建築(9)』  溝口直介 著    建築工芸協会  1913/01/15
世界における「浴」と名づく性質のものについて、その種々の構造や設備の話。川・海水浴。

『建築工芸叢誌 湯屋(BATH)建築(10)』   溝口直介 著   建築工芸協会  1913/02/15
川・海水浴のつづき。別荘・倶楽部・旅館等のプールについて。

『建築工芸叢誌 湯屋(BATH)建築(11)』   溝口直介 著   建築工芸協会  1913/03/15
空気浴と太陽浴。

『建築工芸叢誌 湯屋(BATH)建築(12) 』  溝口直介 著   建築工芸協会  1913/04/15
空気浴・太陽浴つづき。

『建築工芸叢誌 湯屋(BATH)建築(13)』   溝口直介 著   建築工芸協会  1913/05/15
空気浴・太陽浴の仕方とその効能。

『建築工芸叢誌 湯屋(BATH)建築(14)』   溝口直介 著   建築工芸協会 1913/06/15
空気浴・光線浴つづき。

『建築工芸叢誌 湯屋(BATH)建築(15)』   溝口直介 著   建築工芸協会 1913/07/15
医療浴・電気光線浴とこれに付随した種々の浴法並びに設備について。

『建築工芸叢誌 湯屋(BATH)建築(16) 』  溝口直介 著   建築工芸協会  1913/08/15
医療浴つづき。

『建築工芸叢誌 湯屋(BATH)建築(17)』   溝口直介 著   建築工芸協会  1913/09/15
粘土浴(FANGOMUDBA-TH)。

『建築工芸叢誌 湯屋(BATH)建築(18) 』  溝口直介 著   建築工芸協会  1913/10/15
電気光線浴。

『建築工芸叢誌 湯屋(BATH)建築(19)』   溝口直介 著   建築工芸協会  1913/11/15
家畜の浴法、浴場について。

『建築工芸叢誌 湯屋(BATH)建築(20)』   溝口直介 著   建築工芸協会  1913/12/15
犬の浴法について。

『建築』   板垣鷹穂 著   育生社弘道閣  1942/10/20
居住生活にぜいたくを求める場合、著者は浴室と書斎に力を入れるという。浴室に関する著者の考えが、明快に表現されている。

『博物館明治村』  明治村 編   名古屋鉄道  1980/07/01
明治村に保存展示されている明治建築の図録から、半田東湯。銭湯は、床屋と共に明治の庶民生活に不可欠だった。間口三間の建物、表構えや番台などに明治の古風な銭湯の面影をとどめている。

『旧聞日本橋』   長谷川時雨 作   岩波書店  1983/08
湯屋の様子。その構造が図示されている。

『とうきょう下町昔のお店あれこれ』  小嶋敏子 著    小嶋敏子  1984/03
昭和初期の東京下町のさまざまな店をミニチュアで再現。洗い場にカランはなく、上がり湯は男女湯の境の大きな水槽から汲し出した。番台ではぬか袋や鴬のふんを売り、三助の流しの音が聞えた。

『建築と社会 第68集第1号(通巻778号) : 1987.1 入浴物語』  日本建築協会 編   日本建築協会  1987/01/25
風呂と入浴物語。各界の人々によるエッセイ集。外人留学生による入浴談議。事例・今おもしろい温泉みてあるき。資料篇・KURHAUSなどの各章。他に座談会の記録も。

『小さな建築 模型のトポロジー』  INAXギャラリー企画委員会 企画   INAX東京ショールーム  1987/06
立板子、組上図といった起こし絵図。江戸後期の「湯屋新店の図」は、ひるがえる暖簾や格子窓ごしに内部がのぞける。江戸時代の庶民風俗がうかがえる。

『東京路上博物誌』  藤森照信 荒俣宏 著 春井裕 構成   鹿島出版会  1987/07
「銭湯美術館」-減少する都内の銭湯の考証。外観、内部、壁画を調べる。

『いま、むかし・銭湯』   INAXギャラリー企画委員会 企画   INAX東京ショールーム  1988/05
銭湯の建築史・風俗史。現代の都内の銭湯まで。写真豊富。

『下町残照 TOKYO DOWNTOWN BLUES』   村岡秀男 著   朝日新聞社  1988
都内足立区の大黒場の写真。外観は宮造り、折上格天井の花鳥の絵、浴室のタイル絵など。経営者の談話も。他に屋内に井戸のある家の写真も。

『建築探偵東奔西走』  藤森照信 文 増田彰久 写真   朝日新聞社  1988/05
東京型の銭湯の傑作は下町に多い。足立区大黒場は、入口の上の所に立派な唐破ががついている。また子宝湯は、唐破風の軒下に見事な七福神の彫刻がある。他に、台東区の廿世紀浴場。

『東京建築懐古録』  読売新聞社 編    読売新聞社  1991/12
足立区の銭湯・大黒湯を紹介。昭和初期に建てられた豪壮な宮造りで、入口の柱には大黒様が彫られている。数少なくなる東京の銭湯だが、大黒湯にひかれて引越して来たり、遠方からの客も多い。

「公衆浴場の利用意識と施設設備の方向 公衆浴場の利用動向と施設整備に関する研究 その1その2」   西村佳典・田中直人・荒木兵一郎  1993
『日本建築学会近畿支部研究報告集』33

『建築探偵日記 東京物語』  藤森照信 著   王国社  1993/07
東京クラシック銭湯の中に入る千住の子宝湯を紹介。昭和4年創業の子宝湯は、千住の遊廓の隣に建てられ、千鳥破風の大屋根と、入口の上の唐破風を持つ。唐破風の下にある七福神の彫刻が見事である。

『江戸東京たてもの園物語 (』 江戸東京たてもの園/スタジオジブリ 編   江戸東京博物館   1995/5/31
子宝湯の番台に座った日々」/平岡千代

第6回江戸東京たてもの園セミナー『職人技の東京』-路上の名建築-報告書   東京都江戸東京博物館分館江戸東京たてもの園  1999/3
講演3『職人技能鑑賞法指南』-銭湯のペンキ絵-/町田忍

「 転用された伝統的近隣施設に対する住民の評価に関する研究 」  原田慎也・添田昌志・大野隆造   2003
『日本建築学会大会 学術講演梗概集』 に収録。

「銭湯のデザインとライフスタイルの変遷に関する研究 : 浮世絵から読み解く江戸の文化史」  和田菜穂子  2005
『デザイン学研究 研究発表大会概要集』 5 2 巻に収録。

『NHK知るを楽しむ 歴史に好奇心 あ~極楽の銭湯史』   町田 忍・上野 誠 著   日本放送出版協会 2008/10
独特の外観や凝った内装、ペンキ絵など、庶民の美意識を集約した銭湯の歴史をたどり、日本人にとっての銭湯の意味を探る。/日本最古の歌集『万葉集』に編纂された歌の7割以上が「恋愛」を詠んでいる。恋愛の諸事情を詠んだ歌を紐解き、万葉びとの恋心に思いをはせる。

「 銭湯建築の平面形態に関する研究 」  西島慧子・山中新太郎  2010
『平成22 年度 日本大学理工学部 学術講演会論文集』 に収録。

「尾張西部地方における銭湯の変遷および比較の研究」  月森健夫・生田京子  2016
『日本建築学会 東海支部研究報告集』 5 4 巻に収録。

『ひつじの京都銭湯図鑑』  大武 千明 (著)   創元社  2016/2/23
京都市内に約130ヵ所ある銭湯から、らくがきひつじのおススメ銭湯ベスト17を厳選して紹介(地図あり)。
全銭湯の間取り図がついて、男湯も女湯も、屋根をぱかっと開いて上からのぞくとこうなんだ!?番台、タイル、吐水口やロッカーの鍵などの銭湯アイテムカタログもついた、イラストと文で綴る京都のお風呂屋さんガイドブック。

『銭湯は、小さな美術館』  ステファニー・コロイン著   啓文社書房  2017/10/10
「銭湯はただお湯に浸かるだけではない」。 銭湯は、視点を変えるとまるで美術館に。よく見る背景画の種類も富士山だけではなく、人魚や宇宙、動物など様々。 全国の銭湯を巡る銭湯大使、ステファニーさんが選りすぐりの銭湯を写真付き、コメント付きで紹介。今まで見たこともない銭湯の世界が広がっています。

「銭湯的都市空間 様々な人が活動をし、その空間に居合わせる建築」  加藤真璃子  2018/07
『建築デザイン』に収録。

『銭湯図解』  塩谷 歩波 (著)   中央公論新社  2019/2/20
番頭兼イラストレーターの著者が建築の図法で描く人気シリーズ初書籍化。24軒の「銭湯図解」をカラーで収録。浴室内部を精密な俯瞰図で描く、「銭湯図解」。

『銭湯空間』  今井 健太郎 (著)   KADOKAWA  2020/2/29
いまの「銭湯ブーム」の重要な要素である「デザイナーズ銭湯」。その多くを設計し、この流れを生み出した銭湯建築士・今井健太郎がてがけた銭湯を豊富なビジュアルとともに案内。「懐かしくて新しい」独特な空間は、どのようなアイデアのもとに生まれるのか。利用者がついホッとしてしまうのは、どのような仕掛けによるものか。

『建築ジャーナル2021年11月号』   2021/11/1
特集 銭湯のある風景





◎銭湯の写真集

『銭湯浪漫 消えゆく銭湯文化を求めて! 中尾保写真集』   中尾保 著   光村印刷   1991/04/17
江戸時代から脈々と生き続けた伝統及びその時代時代の文化を反映した、ローカル色豊かな全国各地の銭湯文化を表現した写真集。

『銭湯浪漫 湯気の中に人情が!』  中尾保 著   文芸社  2000/01/05
無くなりつつある銭湯の建物および内部の装飾を撮影した写真集。江戸時代から生き続けた伝統とその時代の文化を反映したローカル色豊かな全国各地の銭湯文化を紹介。
『SENTO―廿世紀寫眞集』  大沼ジョージ・写真   DANぼ  2002/5/1
日本全国の旧き佳き銭湯50軒を記録した永久保存版写真集 日本全国の旧き佳き銭湯50軒を記録した永久保存版写真集。銭湯の歴史、銭湯専門用語事典、銭湯ファッション、タイル絵集、ペンキ絵集、銭湯グッズ集、今は無き銭湯82軒の写真を同時収録。全ページ英文併記、ハードカバー。監修町田忍、序文藤森照信。

『銭湯遺産』 町田忍 著   戎光祥出版  2008/1/10
全国の銭湯を訪ね、三十年にわたり撮影し続けた貴重な記録写真を満載!特色1全国の素朴でレトロな銭湯が美しいカラー写真で甦る。特色2カランや広告看板など細かなパーツまで記録。特色3写真の解説文を多く入れることで入浴風景や「作法」を詳述。特色4ペンキ絵やタイル絵など、美術的にも価値が高い写真を豊富に収録。

『直島銭湯 アイ・ラヴ・湯』  大竹 伸朗 (著)   青幻舎  2010/7/30
絵本、写真、立体、コラージュ、音楽活動など多彩な表現で注目される大竹伸朗が手掛け、2009年に営業を開始した直島銭湯「アイ・ラブ・湯」。そのすべてを収録したジャバラ式・ビジュアルブック。

『銭湯♡男子。』  ぴあMOOK   ぴあ  2017/4/30
表紙&巻頭ページには、雑誌「SODA」の連載で各所の銭湯を訪れている田中圭が登場! そのほか、ドラマ『クズの本懐』で初主演を務めた桜田通や、名古屋を拠点に精力的な活動を続けるBOYS AND MENの田村侑久、辻本達規、勇翔、吉原雅斗らがグラビアに登場。銭湯にまつわる思い出話に花を咲かせます。大谷亮平の韓国・チムジルバンでの思い出、サバンナ高橋の銭湯の極意&銭湯の入り方レクチャーも必見。

『銭湯と和菓子と田中圭(仮)』(ぴあMOOK)  田中 圭 (著)   ぴあ  2019/3/29
雑誌『SODA』(隔月23日発行)で連載中の『銭湯と和菓子と田中圭(仮)』では、田中圭が大好きな銭湯と大好物の和菓子を食べに行き、訪れた銭湯と食べた和菓子の魅力を紹介してきました。3月29日(金)発売の本書は、連載がスタートした2016年3月からの3年分にアザーカットを加え、新たに撮り下ろした銭湯と和菓子屋での写真も掲載。さらに、3年分の仕事の振り返りも含めたインタビューも収録します。





◎銭湯ペンキ絵

『俗悪の思想 日本的庶民の美意識』  石子順造 著   太平出版社  1971
「ああ!山紫水明-銭湯のペンキ絵」-子どもの頃から銭湯に通いつけていた著者が銭湯のペンキ絵について語る。

「銭湯絵画二十六景徹底取材」『SUPERART 第5号』 エンジンルーム 編   パルコ出版  1979/9/1


『GOOD DAY 通巻16号 : 1983.12 銭湯』   国鉄 編   国鉄  1983/11/01
東(東京)と西(大阪)の褌の文化大比較。銭湯雑学講座26。日本人と風呂。番台人生60年。背景画コレクション。写真豊富。

『ふりむけば下町があった』  枝川公一 著    新潮社  1988/11
銭湯の絵師は「完壁な富士を描きたい」。都内に2人だけとなった浴場絵師、早川氏の生き方。

『当世・商売往来』  別役実 著   岩波書店  1988/01
銭湯の歴史と壁に描かれた富士山の絵の効果について。もともと壁画は、浴客のお互いの羞恥心をやわらげるために描かれたものだったという。

『風呂屋の富士山』   町田忍 大竹誠 著   ファラオ企画  1994/10
浴場背景画の歴史。広告社の出現と歴史。浴場背景画談義。パフォーマンスとしての浴場背景画。浴場背景画ドキュメント。浴場背景画から学ぶこと。写真多数。

『お風呂の秘密・温泉の不思議 なぜ銭湯の壁絵には富士山が描かれるのか? 』  湯けむりクラブ 編    ハローケイエンターテインメント  1996/12/05
なぜ銭湯の壁には富士山が描かれているの?といった素朴な疑問から科学や健康、歴史までお風呂に関するさまざまな疑問・秘密がわかる本。

「最後の銭湯絵師-三十年の足跡を追う」  町田忍 著   草隆社  2013/11
今よみがえる消えた富士山ペンキ絵他、貴重な画150点以上を厳選して収録。廃業銭湯の貴重な背景画の記録も満載!

『わたしは銭湯ペンキ絵師』  田中みずき (著)   秀明大学出版会  2021/5/20
現在、日本で3人しかいない銭湯ペンキ絵師。その中で唯一の若手として活躍している著者は、どのような思いからこの道を進むことを選んだのだろうか。銭湯ペンキ絵師という職業の魅力、伝統を背負うことの重圧、印象に残っている作品などについて語り尽くす。





◎お風呂(浴室・設備)のついて

『変態浴場史』   藤沢衛彦 著   文芸資料研究会   1927/09/29
一般浴場史とは異なる変態的浴場史。例えば移動風呂や、監獄風呂をとりあげた「変態風呂釜種々相」や、二階風呂について書いた「変態浴場風景」など。

『家庭の物理』  武井俊一郎 著    厚生閣  1942/09/18
湯殿の物理、台所の物理、洗濯と乾し物など、実際の家庭生活に役立つように解説されている。湯殿の問題としては、釜・浴槽の形、燃料、湯温、浴用物質(入浴剤)について述べられている。

『造船』  大前玉男 著   ダイヤモンド社  1951
貨物船の居住設備の配置について。浴室と便所は排水口の関係からなるべく隣接させ、周囲は鋼装壁にし、床はセメントかタイル張りに。浴槽もタイルが多い。

「住宅統計調査報告」  総理府統計局・総務庁統計局  1963~

『風呂と湯の話』   武田勝蔵 著   塙書房  1967
風呂と湯の区別。時院の浴堂。入浴と伝承。宮中の御湯殿。足利時代の風呂釜値段と湯屋新築用材。銭湯。薬湯。温泉。浴中に殺された人々。

『ベッド・バスブック』  TERENCE CONRAN [著] 小野村正敏 訳   三洋出版貿易 1980
「眠りと湯あみの歴史」「スタイルを決める」「浴室をプランス」「浴室のすべて」「多目的に使う浴室」「子供たちのために」などの各章。他に便器の歴史、水洗装置、配管の歴史なども。

『ふろの研究 VOL.1 : 1983.8 大阪のふろや』   大一 編   大一 1983/08/20
ふろやの現況と分析。ファサード・脱衣室・浴室。ふろやの設備と機能。ふろやのシステム。ふろやの復権。

『住の神話』  吉田桂二 著   鳳山社  1985/08
洋風呂は単なるタライであり、いわば移動可能な家具の一種と著者はいう。日本・世界のお風呂の形態や歴史をながめ、東西入浴文化の違いを語る。また伊賀のふごぶろの話なども。

『そうなんですよ』   大内行雄 著   大内行雄  1986/07/01
1985年6月、風呂好きな著者は、京都・妙心寺の浴室を拝観した。(「浴室雑感」)

『住まいと暮しの民俗学 都市民俗学』  望月照彦 著   未来社  1988/11
風呂好きの民族性。浴室の歴史。現代の浴室といったテーマの記述。

『住宅設備情報ガイド 快適で安全な住まいづくり』   日本能率協会 編 住宅設備展事務局 編   日本能率協会  1995/11/07
「沐浴、浴槽、浴室の歴史的経緯と現状」。写真図版多数。

『風呂と湯のこぼれ話 日本人の沐浴思想発達史話』  武田勝蔵 著   村松書館  1991/04
概説として、温泉と風呂と湯。浴槽の変遷と種類。湯屋の看板。三助と称呼の由来など。また各説では、朝湯と初湯、洗い粉、ぬか袋の話、福沢諭吉の銭湯経営。

『お風呂考現学 日本人はいかに湯となごんできたか』   江夏弘 著   TOTO出版  1997/05/10
仏教伝来がもたらした風呂文化、江戸の銭湯百景や近代の風呂の技術革新についてなどお風呂の始まりから変遷そして未来について書かれた本。

『昔のくらしの道具事典』 小林克 監修   岩崎書店  2004/3/30
第3章 水まわりの道具-お風呂、トイレ、洗濯-

『民家と日本人 家の神・風呂・便所・カマドの文化』  津山正幹   慶友社  2008
家の神を招き棟を抱くソラ(屋根裏)、完成祝いに振舞われる粥と棟上げの餅撒き、炉とカマド・風呂と便所をとおして民家から日本の生活文化を解き明かす。

『近代ニッポンの水まわり 台所・風呂・洗濯のデザイン半世紀』  和田菜穂子   学芸出版社  2008
1910~60年代、それまでの盥と桶から台所流し、浴槽、洗濯機へ、水まわり設備は進化し、独自の水まわり空間を定着させた。技術とデザインの革新、流通・消費の開拓によって水まわり設備がいかに誕生・普及し、生活空間に取り入れられ、ライフスタイルを変えていったのか。わが国の住空間の近代化を「水まわり」から読み解く。





◎銭湯紹介、紀行文

『路次ぐらし 随筆』   百田宗治 著   厚生閣書店  1934/09/19
旅先で、その町の銭湯へ行くのは楽しいものだ。厳寒の函館の銭湯の帰りに飲んだ甘酒のうまさ。越後の漁場の銭湯は、湯舟も生臭かったが、翌日市場で買ったいかの立派さに、湯の生臭さは忘れた。

『紀行と随想』  三田尾松太郎 著   山と渓谷社  1947/04/01
三年薪の風呂。風呂の湯味は石炭よりガス、ガスより薪、薪も三年越しの油気のぬけたもので焚いたのが、感触が良いばかりでなく健康上にも良いとされているようだ。

『公衆浴場』  彰国社 編   彰国社  1956
東京天然温泉、亀戸温泉、船橋ヘルスセンターなど、当時の娯楽施設として好評だった6つの公衆浴場の施備を紹介。

「特集 銭湯」/桜井滋人・綿谷雪 ほか『月刊面白半分 Vol.89』  面白半分  1978/8/1

『楽園まで歩いて5分! 東京銭湯探偵団がゆく THAT′S SENTO』   飛行舎 東京銭湯探偵団 編   飛行舎  1987/01/15
銭湯大好き人間による東京の銭湯探訪記。他に東京の銭湯の起源。銭湯の歴史。健康的銭湯利用法。他雑学、エピソードも。写真豊富。全東京銭湯リストつき。

『東京人 第5巻第2号(通巻第29号) : 1990.2 東京を観光する』   都市出版 編    東京都文化振興会  1990/02/03
銭湯20選-現在、都内にある銭湯2000軒のうち、特に20軒を選んど特徴を記述。写真が豊富。

『どうもニッポン イラスト辛口日本案内』   橋本勝 著   筑摩書房  1990/12
英訳つきの日本案内記。銭湯が減りつつあるのは残念で、いつまでも瓦屋根の木造建築で、高い煙突とのれん、番台、富士山のペンキ画は残っていてほしい。その他、温泉と国民性について。

『面白生活 第2巻第9号(通巻15号) : 1991.9 銭湯文化発掘の旅』   カタログハウス 編    カタログハウス  1991/09/01
関東大震災や戦災という激動の時代をくぐり抜けてきた銭湯には、昭和ロマンが漂っている。年々閉湯する銭湯も多い中、全国から38軒の名物銭湯を紹介。

『銭湯へ行こう』   町田忍 編著   TOTO出版  1992/02
著者が全国行脚によって集めた銭湯を、写真とエピソードで紹介。また、銭湯の建物が寺院のような格好をしているのはなぜか。銭湯大工一代記、番台考現学、ペンキ絵ギャラリーなど。

『1010』 第1号~現在148号  草隆社 編   東京都公衆浴場業生活衛生同業組合  1993年から2020年現在

『旅 第67巻第8号(通巻797号) : 1993.8 小さな船旅』   日本交通公社出版事業局 編   日本交通公社出版事業局  1993/08/01
洋上風呂ベスト10-大型フェリーの浴室は、眺望抜群の位置に設けられ、設備も快適である。洋上での風呂三昧が味わえるフェリーを紹介。

『銭湯へ行こう・旅情編 10年1089軒行脚の記録 カラー版』   町田忍 著・写真   TOTO出版  1993/09
全国の銭湯を巡って旅を続ける著者の銭湯ガイドブック。年々減少する銭湯だが、銭湯のペンキ絵やタイル絵には貴重なものもある。ペンキ絵師の紹介や、銭湯のポスター、銭湯を支える人々など。

『東京の温泉&銭湯』  山と渓谷社旅行図書編集部編   山と渓谷社  1994/5
東京23区内、多摩地区、伊豆諸島の温泉と銭湯のガイド・ブック。写真をふんだんにもり込んで、各温泉・銭湯の雰囲気と利用案内を掲載。東京にこんなにも温泉があったのかと驚かされる。

『入浴の女王』  杉浦日向子 著   講談社  1995/09
東京、大阪、名古屋ほか著者がたずね歩いた銭湯や出会った人について書かれた本。

『散歩の達人 都会の湯で憩ふ』  弘済出版社 編   弘済出版社  1995/11/25
「東京銭湯88ヶ所巡礼」-トラディショナルな憩いの銭湯、温泉気分が味わえる露天風呂付き銭湯などを、写真付きで紹介。

『シアワセの銭湯旅』  図師真吾 文・挿絵   けやき出版  1997/10/07
全国850軒もの銭湯を訪ねた著者が印象深いエピソードをいくつか選びできあがった本。固いお湯、軟らかいお湯とは? 入浴マナーについて書かれているコラムもあり。

『TOKYO銭湯ウォーキング』  DANぼ書籍編集部   DANぼ  1998/10/10
今人気のウォーキングを楽しみながら、東京のユニークな観光が出来る一石二鳥の新しいウォーキング本。町の歴史と、町に点在している「銭湯」に関する詳しい情報を加える。

『銭湯の時間』 疋田智・著 町田忍(執筆協力)   朝日出版社  2001/5/10
ある時は、色白むっちりの証券マンと、ある時は刺青背負ったオッさんと、ある時は赤毛のアメリカ人と、またある時はキムタクもどきと、アタマはすっきり空っぽに。そんな極楽空間で出会ったハダカの人々と案内する銭湯22軒。帰る途中に、散歩の途中に、ひとっ風呂行きませんか。

「特集 お風呂屋さんに行こう!」『東京人no.169』   都市出版  2001/8/3


『銭湯の謎』  町田忍   扶桑社   2001/11/1
出会いの場、憩いの場、裸のつきあいの場、銭湯。「銭湯には、現代日本がなくしてしまった心がある。湯に浸かっているだけで、固まった心や気持ちがゆるりと解け始め、誰もが笑顔になる。(中略)私はこの本で銭湯の謎を知って、そのよさを再発見し、仲間や家族と銭湯について話してもらいたい。そして“銭湯で得られる人とのふれあい”を感じとってもらいたい」尋ね尋ねて2400軒、探し学んで20余年。庶民文化探求家、銭湯研究家の著者が贈る、109の銭湯トリビア。  

『銭湯読本 The New Life With SENTO』  Sento Style 推進委員会 編  アーティストハウスパブリッシャーズ  2002/11/6
最盛期には2万2000軒を数えた銭湯も、今では全国で6000軒あまり。1日に1軒のペースで、廃業している銭湯があるのです。老舗の銭湯には、昭和を見守った下町の名建築が沢山あります。カフェを愉しむように、銭湯を愉しんでもらいたい。そんな想いを込めて、古くて新しい銭湯の愉しみ方、教えます。

『自転車とろろん銭湯記』  疋田智   ハヤカワ文庫  2005/5/15
自転車通勤歴7年のヒキタは、妻と一人息子を養う38歳のサラリーマン。テレビ局のディレクターとして仕事三昧の日々を送っている。そんなヒキタの趣味は銭湯巡り。会社帰りや散歩の途中で見つけた銭湯でほっと一息つくのが何よりの楽しみなのだ。東京都内に残る銭湯の魅力を「自転車ツーキニスト」こと疋田智が、小説風エッセイでご紹介。庶民文化研究の第一人者、町田忍博士の蘊蓄コラムが付録についた、憩いの銭湯読本。  

「特集 湯屋・風呂屋」『歴博 no.142』 国立歴史民俗博物館 編   歴史民俗博物館振興会  2007/5/30


『ザ・東京銭湯』  町田忍 著   戎光祥出版  2009/2/5
東京の銭湯の興味深い点は、なんといっても視覚的遊びの豊富なこと。その意味するところは、本来の目的である"入浴する"ことにとどまらず、"入浴するのに必要のない部分にお金をかけた"という点にある。それは富士山の巨大なペンキ絵、豪華なタイル絵、宮造りの外観、庭などを見ても理解できる。のれんをくぐるとその先は、極楽浄土の空間だ。

『NHK美の壺 銭湯』  NHK“美の壺”制作班 編  日本放送出版協会  2009/2/25
日々の生活に癒しを求める日本人ならではの特別な場所「銭湯」を、より深く味わうためのツボをご指南します。

『東京銭湯』  エンゲラーズ  2012/8/12~
『第一湯・杉並』~『第二十湯・23区外』 都内の全銭湯の写真と入浴レポート、浴室図、設備等を紹介。

『三重銭湯』  エンゲラーズ  2014/12/28
三重県の全銭湯の写真と入浴レポート、浴室図、設備等を紹介。

『東京天然温泉ガイド』  メディアバル 2015/12/1
大手町にも温泉が湧き出て、東京の天然温泉が今、熱い注目を集めています。この本では、東京都にある銭湯も含めた天然温泉を58軒も紹介しています。温泉と組み合わせた街歩き情報とケロリン桶、フルーツ牛乳など銭湯の定番から歴史、銭湯画などの面白情報も徹底ガイド!『孤独のグルメ』の久住昌之さんが語る「銭湯&散歩の魅力」も掲載しています。

『尼崎銭湯』  エンゲラーズ  2017/8/12
兵庫県尼崎市の全銭湯の写真と入浴レポート、浴室図、設備等を紹介。

『西成銭湯』  エンゲラーズ  2017/12/31
大阪市西成区の全銭湯の写真と入浴レポート、浴室図、設備等を紹介。

フランス女子の東京銭湯めぐり  ステファニー・コロイン (著)    ジービー  2018/7/19
日本での慣れない生活―癒やしになったのは「銭湯」でした。芸術的で、美と健康にもいい場所に日常的に行ける。こんなステキな日本文化をもっと知ってもらいたいです。女性ひとりでも入りやすい、50軒紹介!

『カワサキセントウ』  エンゲラーズ  2018/8/12
神奈川県川崎市の全銭湯の写真と入浴レポート、浴室図、設備等を紹介。

『なごや銭湯』 上・下  エンゲラーズ  2018/12/31 と 2019/8/12
愛知県の全銭湯の写真と入浴レポート、浴室図、設備等を紹介。

『旅先銭湯』  松本 康治 (著, 編集   さいろ社   2018/11/26
旅先で出会い、フト気になって立ち寄った昔ながらの銭湯。観光要素はゼロなのに、どんな観光施設よりも深く心に残るローカリズムの聖地。だが地方の銭湯は急激に廃業が進んで絶滅寸前となった。 そんな中、それぞれの銭湯をなんとか残したいと行動する人たちも現れた。そんな人たちにスポットを当てつつ、全国23ヵ所のレトロな銭湯と周辺地域を紹介し、旅先で銭湯を訪れることの魅力を探る。

『旅先銭湯2』  松本 康治 (著, 編集   さいろ社  2019/4/26
地方に残る昔ながらの銭湯は、そこで過ごす時間だけ“その街の人"になれる不思議な場所。その貴重な存在がどんどん消えてゆく中、なんとか守ろうとする人たちも現れた。 ホテルや旅館の風呂では決して味わえない“旅の中の旅"の楽しさをさらに深めるシリーズ第2弾。タオルとせっけんを持って、さあ出かけよう。

『旅先銭湯3特集/泊まれる銭湯』  松本 康治 (著, 編集   さいろ社  2019/10/20
地方に残る昔ながらの銭湯は、そこで過ごす時間だけ“その街の人"になれる不思議な場所。その貴重な存在がどんどん消えてゆく中、“泊まれる銭湯"の存在が注目され始めている。 ホテルのユニットバスでは決して味わえない“旅の中の旅"の楽しさをさらに深めるシリーズ第3弾は、全国に点在する“泊まれる銭湯"17軒にスポットを当てる。タオルとせっけんを持って、さあ出かけよう。

『横濱銭湯』  エンゲラーズ  2019/8/12
神奈川県横浜市の全銭湯の写真と入浴レポート、浴室図、設備等を紹介。

『OSAKA SENTO #1』  エンゲラーズ  2019/12/31
大阪の銭湯の写真と入浴レポート、浴室図、設備等を紹介。

『旅先銭湯4 特集:路面電車で風呂いこう!』  松本康治 (著, 編集   さいろ社  2020/4/20
地方に残る昔ながらの銭湯は、そこで過ごす時間だけ“その街の人”になれる不思議な場所。その貴重な存在がどんどん消えてゆく中、なんとか守ろうとする人たちも現れた。 ホテルや旅館の風呂では決して味わえない“旅の中の旅”の楽しさをさらに深めるシリーズ第4弾は、全国の“路面電車で行ける銭湯”をピックアップし、友人と、恋人と、そして一人で楽しめる風呂旅を特集。タオルとせっけんを持って、さあ出かけよう。 (取材エリア)函館、東京、豊橋、大津、京都、大阪、五條、広島、周南、松山、長崎

『銭湯: ボクが見つけた至福の空間 (NHK趣味どきっ!)』     NHK出版  2020/1/27
ブーム到来!銭湯をとことん楽しみつくす
家風呂が当たり前の時代に育った若い世代から注目を集めている“銭湯”。なぜ今、銭湯がブームになるのか? 銭湯の1日に密着、銭湯建築の謎、ペンキ絵はなぜ富士山?……。さまざまなアプローチで知られざる銭湯の世界に迫る、ビジュアルガイドブック。

『銭湯 文化的大解剖! まちのお風呂屋さん探訪』  おしどり浴場組合 (著)   神戸新聞総合出版センター  2021/4/5
奥深き銭湯の世界へようこそ!関西特有の銭湯建築とは?靴を入れる下足箱の鍵にも種類がある?排水溝の蓋で、銭湯を造った工務店が分かる?日本特有の文化「電気風呂」の歴史とは?など、マニアックな銭湯の楽しみ方を紹介します。

『銭湯革命』  1010編集部 (著)  草隆社  2021/7/27
「衰退産業」から「成長産業」へ変貌を遂げつつある銭湯業界のリアルに迫る!
「客が来るのを待つ」という受け身の経営が多かった銭湯業界に今、革命的な変化が訪れている。若手経営者への世代交代により、斬新な価値観に基づく店作りやサービスの提供をはじめ、SNSの活用などにより、これまでにない活気を見せつつある東京銭湯の現状に迫る。

『懐かしくて新しい 「銭湯学」 お風呂屋さんを愉しむとっておき案内』  町田 忍 (監修)  メイツ出版  2021/10/4
歴史のあるレトロな銭湯から、近年リニューアルし今のニーズを追っている銭湯まで、幅広く取り上げます。
銭湯への知識を深め、より味わい深く利用できるようになる1冊です。

『町田忍の銭湯パラダイス』  町田 忍 (著)  山と溪谷社  2021/10/18
昭和的ひなびを感じさせる歴史的ビンテージ銭湯、いまどきスタイルのリノベーション銭湯、建築、透し彫り、富士山でおなじみの銭湯絵など、銭湯にまつわる充実の雑学コラムまで、銭湯の魅力をギュッと詰め込んだ一冊です。





◎銭湯のマップ

『東京の温泉&銭湯』   山と渓谷社旅行図書編集部 編   山と渓谷社  1994/05
23区内・多摩地区・伊豆諸島の温泉、健康ランド、東京の銭湯を紹介。写真・地図多数。

『東京銭湯マップ’94 : 1994.10 1010特別編集』   草隆社 編   東京都公衆浴場業環境衛生同業組合  1994/10/10
平成6年8月現在営業中の全公衆浴場を掲載。住所・電話・休業日・浴場設備などを地図付きで紹介。

『銭湯MAP東京 銭湯へ行こうデータ編』   町田忍 銭湯探偵団 編    TOTO出版  1995/06
露天風呂、天然温泉、サウナ、駐車場付きの銭湯など、目的別でもわかりやすく分類。地図、電話番号、定休日など詳しいデータ付き。

『全国駅前銭湯情報』   銭湯を愛する旅人の会 編   STUDIO夢銀河  1996/08
夜汽車、ツーリング、サイクリング...宿に泊まらない旅人のために全国主要715駅の駅前銭湯を網羅。総数1080軒、全て案内図付。巻末に「銭湯の絵画展」などのコラムあり。'93年版が初版、その後'94~'95版、'96~'97版出た。

『神奈川県銭湯マップ Kraan かながわ特別編集』  草隆社 編   神奈川県公衆浴場業環境衛生同業組合  1999/05/05

『東京銭湯マップ』   草隆社 編   草隆社   1999/10/10
平成11年8月31日現在営業中の東京都内の全公衆浴場1333軒を掲載。住所、電話番号、営業時間、定休日、浴場の特徴や設備など、地図付きで紹介。

『さぁ、ヨコハマ銭湯に行こう! お風呂屋さんMAP』  横浜市浴場協同組合   横浜市浴場協同組合  2011


『ぶらり 湯めぐりマップ』 草隆社 編   東京都公衆浴場業生活衛生同業組合  2011/10/10


『千葉県銭湯マップ』 千葉県公衆浴場業生活衛生同業組合  -


『東京銭湯 お遍路マップ』  草隆社 編   東京都公衆浴場業生活衛生同業組合 2017/10/10
2017年改訂版





◎銭湯経営、銭湯での働く人、公衆浴場組合

『全国浴場銘鑑』 編:全国公衆浴場業環境衛生同業組合連合会  1970?
銭湯が一番多かったと言われる昭和43年頃の全国の銭湯(組合員)の名簿です。銭湯の屋号、住所や経営者の名前が載っています。

『大浴30年のあゆみ』  大阪府浴場商業協同組合30周年記念誌編纂委員会 編   大阪府浴場商業協同組合/大阪府公衆浴場業環境衛生同業組合  1984/1/20

『風になりたや旅ごころ』  森崎和江 著   葦書房 1991/06
銭湯で出会った女性たちの思い出と著者の入浴史。入浴を本当に味わえるようになったのは、我が身を労るようになってからだという。風呂を沸かす仕事は家族に慰安を与えるための楽しい働きだった。

『公衆浴場の明日への道を探る』  全国公衆浴場業環境衛生同業組合 著   全国公衆浴場業環境衛生同業組合連合会 1995/08
公衆浴場の活性化への道を探るために行ってきたアンケートや実態調査結果をまとめたもの。

「公衆浴場の確保と利用促進に関する調査研究報告書 Ⅰ』  三菱総合研究所 著   東京都生活文化局消費者部消費生活公衆浴場課 1996/08
東京都内の自家風呂保有・非保有実態および自家風呂保有者の公衆浴場に対する意識調査結果。

『公衆浴場の確保と利用促進に関する調査研究報告書 Ⅱ』  三菱総合研究所 著   東京都生活文化局消費者部消費生活公衆浴場課  1996/08
東京都民の公衆浴場利用機会の現状と公衆浴場対策の今後の方向性について分析・検討することを目的とした公衆浴場事業者および公衆浴場利用者の実態調査。

『全国公衆浴場実態調査報告書』  全国公衆浴場業環境衛生同業組合 著   全国公衆浴場業環境衛生同業組合連合会  1998/10
経営者の年齢、後継者の有無等経営関連、定休日、営業時間といった営業関連、シャワー、サウナ等設備設置状況ほか全国の公衆浴場についての実態調査報告書。

『全国浴場新聞・縮刷版』  全国公衆浴場業環境衛生同業組合 著   全国公衆浴場業環境衛生同業組合連合会  1998/03/20
公衆浴場業界唯一の情報機関紙である全国浴場新聞の昭和44年8月の創刊号から平成9年12月発行までの縮刷版。

『風呂屋のオヤジの番台日記』  星野剛 著   草隆社  1999/06/20
番台から見つめる人情の機微を、風呂屋のオヤジがユーモアと才気にあふれる筆致で綴ったエッセイ集。

『東京銭湯物語』  東京都公衆浴場業環境衛生同業組合 編   草隆社  2000
東京の公衆浴場の歴史 風呂屋の主人が語るあのころ 銭湯写真館 銭湯で元気になる    

『湯屋番五十年 銭湯その世界』  星野剛 著   草隆社  2006/7/19
人間裸になりゃ皆同じ! 昭和25年、東京の下町で風呂屋の門を叩いたひとりの若者がいた。湯屋稼業50年の著者が、自らの修業時代を当時の銭湯模様、時代背景とともに描いた、昭和銭湯回顧録。

『東京銭湯三国志』 笠原五夫 著   文芸社  2010/3/10
東京の銭湯業界が北陸3県―新潟、富山、石川の出身者で大多数占められているのをご存じだろうか。東京の銭湯業界はこの3県出身者の“志”で支えられてきた。「業界に伝わる伝承を2代目、3代目に説くのも古い時代を知る創業者の務め」と諭され一念発起、新宿松の湯主人が書き下ろした戦後の銭湯受難時代とそこからの復興、業界を彩る親分・子分・兄弟分が繰り広げる愉快な奮闘記。

『新宿浴場組合の15年の歩み  牛込・四谷・淀橋・戸塚組合80周年記念誌』 東京都公衆浴場業生活衛生同業組合 新宿浴場組合 著   ブックコム  2010/7/26
新宿区の銭湯の組合・新宿浴場組合のあゆみ

『常連さんが増える会話のコツ〈銭湯の番台が心がけている〉』   田村 祐一 (著)   プレジデント社  2015/1/29
廃業寸前の銭湯「日の出湯」を4代目として引き継ぎ、経営を立て直すことを決意した著者。「価格競争はできない」「新たな設備投資もきわめて難しい」「すぐ近くに強力な競合店がある」このような“三重苦"を抱えたなかで、他の銭湯との違いを出すために取り組んだのが、お客さまとの日々の会話。日々、番台でお客さまと話しながら、失敗したり学んできた「感じがいい」店になるための会話のコツとは?

『絵でみるニッポン銭湯文化』  笠原五夫 著   里文出版  2016/11/26


「さらばリーマン第112回 単身赴任を嫌い風呂屋に転身“銭湯文化”再興の旗振る番頭」/溝口敦 『WedgeVol.29 No.10』   ウェッジ 2017/9/20
鴫原和行さん(江戸川区の銭湯・第二寿湯 番頭)

『浴場営業銘鑑 組合員名簿 昭和54年版』  埼玉県公衆浴場業環境衛生同業組合  1979

『全国浴場新聞 縮小版』  全国公衆浴場業環境衛生同業組合連合会  1998
毎月発行されている銭湯の業界紙「全国浴場新聞」の縮小版。自昭和44年8月-至平成9年12月 創刊号-341号

『全国浴場新聞 縮小版 2』  全国公衆浴場業環境衛生同業組合連合会  2003
毎月発行されている銭湯の業界紙「全国浴場新聞」の縮小版。平成10年1月~ 342号~






◎社会学、民俗学、経済、法律

『定本柳田国男集 第十四巻』  柳田国男   筑摩書房  1962
「風呂の起源」収録

『生活学』   日本生活学会 編   ドメス出版  1978/12

橋本敏子氏による『銭湯に関する一考察』を掲載。コミュニティ施設としての銭湯。門真市における銭湯、銭湯でのつきあい、コミュニティにおける銭湯の役割と今後の展望など。

『刑法おもしろ事典』   和久峻三 著   中央公論社  1986/05
湯で浴槽の栓を抜いて湯を流してしまうと、器物損壊の罪になる。

『モデルノロヂオ 考現学』   今和次郎 吉田謙吉 編著   学陽書房  1986/12
「銭湯風俗考現学14景」(入浴者コース調ベ)。

『考現学の誕生 吉田謙吉COLLECTION 1』  吉田謙吉 著 藤森照信 編   筑摩書房  1986/11
「銭湯風俗考現学14景」-入浴者コース調ベ。14人の入浴者がどういうコースをとり、どんな行動をおこすか、銭湯平面図上に動線を明示しながら説明。

『風俗の社会学』  井上俊 編  世界思想社  1987/01
橋本峰雄氏による風俗と思想。なぜ風呂か。二つの見学。風呂の歴史。風呂の思想。

『同郷者集団の民俗学的研究―都市と農村の交流―』  松崎 憲三編   岩田書院  2002/12
谷口貢「都市における同郷者集団の形成と故郷観―新潟県西蒲原地方の出郷者と東京の風呂屋・銭湯の展開―」 を収録。

『フィールドワークへの挑戦-<実践>人類学入門』  菅原和孝編   世界思想社  2006/4/30
「銭湯の行動学」佐藤せり佳著)収録。仕事・社会・コミュニケーション・宗教・異文化の5ジャンルを網羅し、40人の初々しいフィールドワークを一挙公開。技術的なノウハウから理論的な設問まで、実践的な助言を満載。フィールドワーカーのセンスを体得できる最良の指南書。  

「スーパー銭湯におけるサービス改善の事例」  小園真由・松波晴人  2010
『日本人間工学会大会 講演集 』 4 6

『民俗学論叢』  相模民俗学会  2012年
山口拡「東京の銭湯と同郷の結びつき:-新潟県出身者を事例に-」を収録

「埼玉県中央地域における銭湯とスーパー銭湯の共存」  門田和也  2013
『国士舘大学地理学報告』 2 1号に収録。

『「消費」をやめる 銭湯経済のすすめ (シリーズ22世紀を生きる)』  平川克美 (著)   ミシマ社  2014/6/20
「経済成長なき時代」のお金の生かし方――「消費第一世代」として、株主資本主義のど真ん中を生きてきた著者がたどりついたのは、半径3km圏内の暮らしだった……。【銭湯経済】空虚感を埋め合わせるための消費欲に支配されることなく、職住が隣接した町のなかで、見知った顔の人たちが働き、暮らし、銭湯につかる。その落ち着いたリズミカルな暮らしが営まれる、半径3km圏内でめぐる経済。

「生活環境の変遷を可視化する試み :新潟における銭湯の数と分布の 50年史」  高橋洋子  2015
『一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集』








◎銭湯の関連法、行政データ

物価統制令(昭和二十一年勅令第百十八号)

[ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基く経済安定本部関係諸命令の措置に関する法律(昭和二十七年法律第八十八号)第四条の規定により法律としての効力を有するとされる。]
第一条 本令ハ終戦後ノ事態ニ対処シ物価ノ安定ヲ確保シ以テ社会経済秩序ヲ維持シ国民生活ノ安定ヲ図ルヲ目的トス

公衆浴場法(昭和二十三年法律第百三十九号)
公衆浴場の経営について規定した日本の法律である。
第一条 この法律で「公衆浴場」とは、温湯、潮湯又は温泉その他を使用して、公衆を入浴させる施設をいう。

公衆浴場条例
公衆浴場法第2条第3項及び第3条第2項の規定に基づき、都道府県(保健所を設置する市又は特別区にあっては市又は区。)が、公衆浴場の設置の場所の配置の基準及び入浴者の衛生及び風紀に必要な措置の基準について定める条例をいう。

公衆浴場の確保のための特別措置に関する法律(昭和五十六年法律第六十八号)
第一条 この法律は、公衆浴場が住民の日常生活において欠くことのできない施設であるとともに、住民の健康の増進等に関し重要な役割を担つているにもかかわらず著しく減少しつつある状況にかんがみ、公衆浴場についての特別措置を講ずるように努めることにより、住民のその利用の機会の確保を図り、もつて公衆衛生の向上及び増進並びに住民の福祉の向上に寄与することを目的とする。

浴場業の振興指針  厚生労働省  
「浴場業の振興指針」とは、国(厚生労働省)が定めた法律に準ずる銭湯(公衆浴場)業界のガイドライン的なものです。各銭湯や各浴場組合(銭湯の業界団体)はその指針に書かれた内容を読んで、そこに示された内容や課題等に向け取り組む事が求められています。中身については、5年に1回改定され、厚生労働省の会議で銭湯経営者代表も参加し内容を決めています。最新は2020年3月に改定されました。
これを決める厚生労働省の厚生科学審議会 (生活衛生適正化分科会)の資料や議事録も重要な資料です。

東京都公衆浴場対策協議会
他府県では「公衆浴場入浴料金審議会」という名称で行われている事が多い。
行政と公衆浴場事業者、学識経験者などで行われる各県の入浴料金等を決める会議。入浴料金の他に、様々な銭湯に対する施策などが話し合われる。銭湯の軒数や経営状態などの資料も使われて、議事録やそうした資料が公開されている県もあり。

「公衆浴場数」 厚生労働省  
厚生労働省が毎年取りまとめ公表している「衛生行政報告例(厚生労働省) 」により、公営及び私営別の公衆浴場数を種類別に調べることができます。
公衆浴場 : 一般公衆浴場(銭湯)、個室付浴場、ヘルスセンター、サウナ風呂、スポーツ施設、その他






◎公衆衛生、健康、福祉

『衛生百話』  松下禎二 著   博文館  1918/07/07
「湯屋を改良せよ」-多くの人が入浴する浴場は、病原菌が多く、さまざまな病気を起こす。これを防ぐために著者が提案する浴場と、入浴法。その他、温泉の効用、生水の飲用に対する警告。

『東西沐浴史話』  藤浪剛一  人文書院  1944


『公衆浴場の適正配置』  須川豊 著/阿部幾久雄 著   日本厚生通信社  1955/03/20
公衆衛生と公衆浴場の関係(衛生学的な配置)・公衆浴場経営の条件(経営上の配置)・適正配置の原則と定め方・公衆浴場法の判定と一部改正・法運用の諸問題など。

『東京おもかげ草紙』  佐野都梨子 著   中日新聞東京本社東京新聞出版局  1975
菖蒲湯の効用と菖蒲の邪気払いのまじない。銭湯の風俗について。三助の仕事とお世辞湯のこと。

『漢方の花 順天堂実記』 津村重舎 述/西巻昭 記   津村順天堂  1982/3/17


『世の中こんなにオモシロジー』  原田幸彦 著   主婦の友社  1983/12
風呂の研究とその成果。熱カロリーの弱い火で時間をかけてわかしたお湯は肌に優しい。

『三十年の歩み』  三十周年記念史編纂委員会 編   東京都環境衛生協会  1984/06/14
社団法人・東京都環境衛生協会の三十年史。公衆浴場、クリーニング業、理容・美容業、旅館業などの歩み。

『薬学外論 薬学から市民へのメッセージ』  東邦セミナーグループ 著 小山泰正 編   薬業時報社  1987/07
塩素風呂のルーツ。東京の下町の銭湯では、ろ過器で取り除けないアンモニアや細菌は塩素で消毒している。その弊害と、残留塩素が適量になるよう自主管理に努める銭湯の組合について。

『暮らしの中の危険 新聞のコラムより20選』  島野康 著   第一法規出版  1989/03
やけど、溺死など、乳幼児を中心にした風呂場での事故について。

『公衆浴場における福祉入浴サービス事業調査研究報告書 PartⅡ』  全国公衆浴場業環境衛生同業組合 著   全国公衆浴場業環境衛生同業組合連合会  1993/02
公衆浴場が高齢者や障害者に入浴の機会を確保する福祉浴場として地域社会へ貢献できる施設かどうかを検討するためために行われた調査研究報告書。自治体における福祉入浴事業の現状を視察した報告や福祉浴場の可能性、事業の方向づけへの検討資料も添付。

『公衆浴場における福祉入浴サービス事業調査研究報告書 PartⅢ』  全国公衆浴場業環境衛生同業組合 著   全国公衆浴場業環境衛生同業組合連合会  1994/02
公衆浴場が高齢者や障害者に入浴の機会を確保する福祉浴場として地域社会へ貢献できる施設かどうかを検討するためために行われた調査研究報告書。3年に渡って実施された調査研究をまとめた最終報告書。

『東京都における公衆浴場の入浴サービスについて 地域にやさしい公衆浴場をめざして』  東京都公衆浴場業環境衛生同業組合 著    東京都公衆浴場業環境衛生同業組合  1995/03
福祉入浴サービスに対して、東京都公衆浴場業環境衛生同業組合が具体的実施方策のあり方とその際の課題について検討した成果をまとめたもの。

『TARZAN 第10巻第23号(NO.226) : 1995.12 カラダに効く、ココロにも効く!「風呂・温泉」徹底研究。』  マガジンハウス 編   マガジンハウス  1995/12/27
風呂・温泉の効果。症状別入浴法とシャワー法。銭湯壁画。目的別温泉大百科など。写真・挿し絵多数。

『「清潔」の近代―「衛生唱歌」から「抗菌グッズ」へ』  小野芳郎   講談社  1997
欧米列強に対抗し、病原菌ゼロをめざして、国家衛生システムを張りめぐらせた明治日本。「衛生唱歌」「衛生博覧会」など精力的な啓蒙は、軍国の強健・健康美志向へと変容していく。そして現代。「抗菌グッズ」=異常潔癖ブームの彼方に、「清潔空間」のグロテスクな未来を透視する。

『環衛業福祉普及セミナー 公衆浴場業 21世紀の公衆浴場業を考える』  全国公衆浴場業環境衛生同業組合 著   全国環境衛生営業指導センター  2000/05
「介護保険制度と銭湯福祉入浴」「21世紀の銭湯を考える-教育・健康・福祉の視点を中心として-」といったテーマの講演やパネルディスカッションをまとめたセミナー報告書。

「銭湯を感染源とするレジオネラ肺炎による死亡事故について」  上野邦夫  2002/06
『生活と環境』 4 7号に収録。

「多摩地域における入浴施設水のレジオネラ属菌汚染緊急調査とその対策事例(平成13年度)」  楠くみ子ほか  2002
『東京都立衛生研究所研究年報』第53号 に収録

「公衆浴場浴槽水のレジオネラ属菌調査とその対策事例」  岩谷美枝ほか  2003
『病原微生物検出情報』第24巻、第2号 に収録。

「銭湯を利用してのデイサービス事業を行うための基礎的研究(建築計画)」  片渕有生・高岡雄二・勝又英明  2004
『日本建築学会 研究報告集 Ⅱ』74

『新入浴・温泉療法マニュアル』  一般社団法人日本温泉気候物理医学会     2007
高齢化社会を迎え、正しいあるいは望ましい入浴法や温泉療養の指導・普及を目指し、日常の診療、リハビリテーション、介護、看護、保健指導などに幅広く活用いただけるものと思います。また、温泉医学の最新の成果が盛り込まれた、より科学的な参考書籍として「新温泉医学」も好評を得ております。

『入浴の事典』  阿岸裕幸 著   東京堂出版  2013
入浴の手順、目的別入浴法、浴室、入浴剤のこと、お風呂に入ると身体や心がどうなるのか、皮膚のこと、夏や冬の入浴、高齢者・子供の入浴、家庭や銭湯でできる効果的な入浴体操、転倒予防のための水中運動、風邪を引いたとき、皮膚トラブルのある人の入浴、現代的な湯治のあり方など。

「老いの「場」の研究――自殺防止のための「場」を求めて」  松井富美男  2010
『広島大学大学院文学研究科論集』 7 0

『近代日本の公衆浴場運動』  川端美季 著   法政大学出版局  2016/8/25
江戸時代に庶民の社交場として隆盛をきわめた湯屋は、開港を経て、明治・大正期に行政が主導する保健衛生施設へと変貌を遂げた。都市労働者慰安のための浴場、細民教化のための浴場、被差別部落改善のための浴場、そして震災罹災者救済のための浴場、日本が近代国家に生まれ変わるための都市政策として営まれたさまざまな浴場をつうじてみる衛生と統治権力の関係史。

『最高の入浴法~お風呂研究20年、3万人を調査した医師が考案』  早坂信哉 (著)   大和書房  2018/11/23
疲れきった体と心に。いつもの入り方をちょっと変えるだけで、血流アップ&自律神経が整う!家風呂や銭湯、温泉の効果倍増!最新医学でわかった入浴効果倍増メソッド!

「銭湯と対話:裸の付き合いというコミュニケーション」  孫大輔  2019
『治療』 101 巻に収録。

「銭湯利用と健康指標の関連」  早坂信哉ほか  2019
『日本健康開発雑誌』 4 0号に収録。






◎銭湯の災害・防災

『阪神・淡路大震災 神戸市災害対策本部衛生部の記録』  神戸市衛生局  1995
阪神淡路大震災の記録。地震後の入浴支援や銭湯の被害ついてに詳しい。

『わが街 東灘区森南町の人々』  野田正彰 著  文藝春秋  1996/7/20
神戸市灘区の銭湯「森温泉」の阪神淡路大震災の時の様子が第7章で綴られている。

「神戸市の銭湯における防災と福祉面での役割に関する研究」  大西一嘉、門川信一郎 著  2000


「都内の公衆浴場における震災対策 研究調査報告」  公衆浴場の震災対策に関する研究会 2007
東京都と東京都浴場組合などの有識者によって行われた研究会の報告書。

「湯らっくす 大規模地震に対する消防マニュアル」  湯らっくす(熊本市)  2016
社内資料。火災訓練の用に作ったマニュアル。

「銭湯(公衆浴場)の災害対応マニュアル -銭湯、スーパー銭湯、温泉、温浴施設の為の-
」  原沢聡志/銭湯・奥の細道 著  2016/4/30(改訂2017/12、2019/12、2021/3) 
初めての銭湯や温浴施設に特化した防災マニュアル。

「災害による被災者のための入浴支援マニュアル」  熊本県薬務衛生課  2017
2016年の熊本地震後の入浴支援を担当した熊本県庁の作成の資料。入浴支援の行政手続きや様式等に詳しい。

『災害時マニュアル 今やろう!災害に向けての準備』  東京都公衆浴場業生活衛生同業組合 2017
2017年に作成された防災マニュアル、東京都内のほぼ全部の銭湯に配布されている。

「平成28年熊本地震被災者入浴支援活動記録」  全国公衆浴場業生活衛生同業組合連合会、熊本県公衆浴場業生活衛生同業組合   草隆社  2017
熊本県浴場組合事務局の記録を元に、熊本地震発生から無料入浴支援終了までの状況や経緯を振り返る。

「熊本地震における銭湯、温泉施設の入浴支援の記録」  原沢聡志/銭湯・奥の細道  2017/12/20
熊本市内の銭湯3軒と温浴施設2軒の現地での聞き取り調査の記録。各店の熊本地震直後の様子や対応が詳しい載っている

「⽇本における災害被災地での⼊浴⽀援に関する研究」原岡智⼦、池⽥真幸、早坂信哉、尾島俊之『⽇本健康開発雑誌』41号  日本健康開発  2020





◎銭湯/地域(北海道・東北)

『寝台車物語』  中島幸三郎 著   松山書房  1957
青函連絡の朝風呂で出会った正体不明の女性の話。大正4~5年頃の急行寝台車の浴場施設と逸話。

『札幌事始』  札幌市教育委員会文化資料室 編   北海道新聞社  1979/01/30
札幌で風呂屋が開業したのは明治3~4年ころらしい。また本格的な湯屋は、明治6年の東京湯がそのはじまりである。他に飲料水や、下水道などについての記述もある。

『さっぽろ雑学ノート』  武井時紀 著   みやま書房  1983/03
札幌で最初の風呂屋は明治3年に開かれた。宿屋、風呂屋、豆腐屋は、開拓期には必要な商売で、道内の他の開拓地にも共通するのではないか。

『北の田舎の物語』  高橋金三 著   どうぶつ社  1986/01
銭湯もない青森県脇野村で戦争直後までみられた入浴習慣。当番の家が、直径2Mもある露天の釜湯をたき、お互いにもらい湯をした。

『北海道を探る : 1986.9 生活と民俗文化』   北海道みんぞく文化研究会 編   北海道みんぞく文化研究会  1986/02/28
大正末期、函館郊外の大野町の銭湯に嫁いだ女性の半生。風呂屋の様子や苦労話。

『大正の話』   札幌市教育委員会文化資料室 編   北海道新聞社  1987/12
札幌で大正14年以来61年間銭湯「北門湯」を営んできた人の回顧談。蛇口のない洗い場、朝湯は6時から、菖蒲湯や柚子湯などの催し湯、留湯などの話。

『礎 郷土史』   当麻町郷土史研究会 編   当麻町郷土史研究会  1988/03
北海道当麻町の郷土史。第5章には、明治屯田時代の共同風呂、五右衛門風呂の写真と記述。第7章には、開拓時代からの飲水、井戸、五右衛門風呂についての記述。

『異国人のエゾ』  小山内忠司 著   みやま書房  1990/06
幕末の北海道を訪れた外国人の体験記。蝦夷三湊にも銭湯があり、その営業形態は当時の江戸の銭湯と共通点がある。銭湯の構造についての考察、自家風呂や温泉についても。

『いらっしゃい北の銭湯』  塚田敏信 著   北海道新聞社  1998/10/09
珍しいタイル絵、昔懐かしい浴用品、ユニークのれん…。見過ごしてきた銭湯文化の魅力を掘り起こした。心と体があたたまるこだわりの名銭湯がいっぱい。

『第56小樽市博物館特別展 小樽の銭湯いまむかし~のれんのむこうはパラダイス~』 小樽市博物館 編   小樽市博物館  2004/7/17




◎銭湯/地域(東京)

『東京市社会局時報 昭和9年10・11・12月号 住宅事業(市設浴場成績) 』 東京市社会局 編   東京市社会局  1934/12/01
「住宅事業」-市設浴場の昭和9年9、10、11月成績。大人・小人別入浴者数、髪洗数、入浴料金。

『東京市社会局時報 昭和10年4・5・6月号 住宅事業(市設浴場成績) 』 東京市社会局 編   東京市社会局  1935/06/03
「住宅事業」-市設浴場の昭和10年3、4、5月成績。大人・小人別入浴者数、髪洗数、入浴料金。

東京っ子 秋山安三郎 著 朝日新聞社 1962
東京の礼儀作法。湯屋で20年まで見られた柘榴口。5月の菖蒲湯。

随筆・浅草 一瀬直行 著 世界文庫 1966/01/20
吉原に近い風呂屋の入浴風景。人間もよう。浅草を舞台にした文学作品にみる昔の遊廓の風呂場風景。

府中街道 付・だいし道 白井禄郎 [等]著 多摩図書館 編 川崎市立多摩図書館 1974
街道の歴史。明治30年頃に新道が造られてから、付近には珍しい鉄鉱泉ができた。最盛期には1日80人くらい来て、泊りがけで入りに来る人もいたが、戦後は廃れて今では日に十数人の銭湯になった。

銀座わが街 四百年の歩み 銀芽会 編 白馬出版 1975
銀座に二軒だけとなった民間の今春湯と草津湯、そして昭和50年にできた都営の銀座湯など、銀座の銭湯の話。

信濃町の今昔 五十嵐喜市 編 五十嵐喜市 1975
昭和18年頃のこと。警防団風呂の生い立ちと信濃湯への移り変わり。戦後の復興期の燃料不足に考え出された工夫。

東日本と西日本 大野晋 他著 日本エディタースクール出版部 1981/12
東日本と西日本の文化風俗の違いを論じ、一例として風呂と湯をとりあげる。東京では湯とよび大阪では風呂といった。他に佐度のオロケといわれる風呂の話など。

下町の紋様 東京の下町追想イラスト集 遊佐喜美男 著 下町タイムス社 1982/10
東京都墨田区の風俗。戦前は、小高い所ヘ上ると目についたものに、銭湯の煙突があった。梅の湯の三助さんは評判が良った。また、湯あがりの女性の浴衣姿のあでやかさ。

大正っ子の思い出 加藤八重子 著 加藤八重子 1983/09
東京の銭湯の話。家に風呂を作るまでは同級生の家が経営している銭湯に行っていた。三助の様子、お客のマナーやコミュニケーション、銭湯帰りに飲んだサイダーの思い出など。

谷中・根津・千駄木 其の2 : 1984.冬 寒い日はお風呂へ行きませう 谷根千工房 編 谷根千工房 1988/02/20
谷根千地域の、現在する15軒の銭湯めぐり。

奥沢 世田谷区民俗調査第5次報告 世田谷区民俗調査団 編 [東京都]世田谷区教育委員会 1985/03
東京都世田谷区奥沢の民俗調査。銭湯と、住宅の風呂場について。関東大震災で、都心から移って来た人も多く、3軒の銭湯が昭和初期にできた。当時、農家には風呂があったが、燃料がなかった。

玉の井という街があった 前田豊 著 立風書房 1986/12
大正末期から太平洋戦争末期にかけて栄えた隅田川のほとりの私娼街の様子。現在でも銭湯が多いのは、娼家街が華やかだった頃の名残りと思われる。当時の女湯の非衛生状況について。

東京山の手の人々 藤島泰輔 著 サンケイ出版 1987/06
銭湯に対する感覚は、山の手に住む人々と外国人は似ている。著者が中学生の頃、フランスから東京に戻ったばかりで父親と共に銭湯に行った時の恥かしかった思い出。

谷中・根津・千駄木 其の5 : 1985.秋 銭湯特集補遺・太郎湯 谷根千工房 編 谷根千工房 1988/02/20
創業は昭和23年。戦後、銭湯が少なかったので、人の為になる商売はないかと思いつめて始めた。“太郎”は創業者の戦死した息子さんの名前。

住所と日付のある東京風景 富田均 著 新宿書房 1989/07
中央区月島や佃には、まだ多くの銭湯が残っている。これはこの地域が「都市化の荒波」をまともに受けていないからだろう。また、台東区上野や谷中、千代田区神田の名物銭物も紹介。

「東京北西部における公衆浴場分布の地図変換分析」  保坂武志  1990
『人文地理』 1990 年 42 巻 5 号に収録。

銀座が好き 銀座百点エッセイ 資生堂 編 資生堂 1990/01/3
銭湯・金春湯の思い出。筆者は仕事の手がすくと思うと、入浴用の小道具をしのばせて銭湯に出かける。これは、学生時代のエスケープに似て、なかなかおつなものだという。

太陽 NO.345 : 1990.4 さよなら、東京 平凡社 編 平凡社 1990/04/12
湯ウォッチングの楽しみ。東京都内の有名な銭湯の写真と東京様式の特徴について。ペンキ絵は2時間くらい描いてしまう。番台については高めのものが多い。

世田谷区公衆浴場活性化のための具体的な方策について 世田谷区公衆浴場懇話会 編 世田谷区産業振興対策室 1990/07
公衆浴場の減少がめだっている。しかし、自家風呂を持たない人や下宿学生などにとって銭湯は不可欠である。そこで、公衆浴場の確保と魅力ある銭湯゛つくりをめざすための提言。

谷中・根津・千駄木 其の29 : 1991.秋 ついでに聞く昔の銭湯 谷根千工房 編 谷根千工房 1991/10/15
初音湯の主人の話。朝風呂はあるし、元日以外は開けているし、風呂屋は大変だった。内風呂があっても、家長より先に入るわけにいかないので、女子供は風呂屋に行っていた。

YOUの湯 せたがや界隈研究会 編 世田谷区産業振興部消費生活課 1992/01/01
銭湯の歴史。お風呂屋さんの一日。銭湯の効能。銭湯美術館(ペンキ絵)。お風呂屋さんグッズ。アンケートとして、外人さんの銭湯観、女子大生に聞いた銭湯など。

失楽園物語 板橋雅弘 岩切等 著 マガジンハウス 1992/06
かつては繁盛していたが、今では消えつつある娯楽施設。年々減少する東京の銭湯だが、都心青山の「松乃湯」も廃業した。周辺の風呂なしアパートの住人達はどうしたのだろうか。

『お風呂屋さんのスクラップブック 旧柏湯所蔵資料』 東京都台東区教育委員会 文化事業体育課 編   東京都台東区教育委員会  2001/3/31

北区における戦中・戦後の暮らしの変遷 文化財研究紀要別冊第二十六集 109-120p 抜粋コピー   東京都北区教育委員会教育振興部飛鳥山博物館事業係 編   東京都北区教育委員会  2017/3/31




◎銭湯/地域(関東甲信越)

『勝浦こぼればなし』  井桁重太郎 著   夷隅文化出版会  1980/08/01
明治35~36年大正時代にかけて、千葉県勝浦にあった銭湯の様子。

『浜・海・道 あの頃、そして今…磯子は (「コミュニティー・セントー」)』  横浜市磯子区役所総務課 編   横浜市磯子区役所  1988/3/31

『街を歩き都市を読み取る』  望月照彦 著   未来社  1989/04/25
横浜市中村町の銭湯・草津温泉の風俗。鉄筋コンクリート造りの建物で昭和5年の開業。風呂屋の2階を娯楽の場として使っていた名残りで今も三吉演芸場として利用者に喜ばれている。

『おらっての昭和 聞き書き「ひとこま自分史」』  新潟日報社 編   新潟日報事業社出版部  1990/01
新潟市で鶴乃湯を守り続けている女性の回想。銭湯に嫁ぎ、戦争に行った夫の留守を預かり、新潟地震で初めて休業したこと。そして、銭湯が減っている現在もなお、親しまれている鶴乃湯。

『かながわの温泉 かもめ文庫』 禅馬三郎 著   かなしん出版  1994/10/19

『かながわの銭湯 かもめ文庫』 高橋誠一 著   かなしん出版  1998/3/31

『特別展 ゆ ~お風呂の文化史~』  埼玉県立博物館 編   埼玉県立博物館  2000/3/10


『平成15年度民俗工芸実演 銭湯へ行こう』 二階堂実/大川明弘/内田幸彦 編集執筆   埼玉県立民俗文化センター  2003/5/20

『さあ、ヨコハマ銭湯へ行こう! 横浜を知るには銭湯が一番』 横浜市浴場協同組合50周年記念誌制作実行委員会 編   横浜市浴場協同組合  2010/3/31

『群馬伝統 銭湯大全』  抜井諒一 著   クレインダンス 2010/2/25
群馬県内の銭湯を写真、入浴レポ付きで丁寧に紹介。

『寺社参詣・物見遊山 横浜・神奈川の名所』  横浜市歴史博物館 編   横浜市歴史博物館/横浜市ふるさと歴史財団  2011/6/11

『横濱 Vol.38』「特集 横浜の銭湯に行こう」  横浜市広報課/神奈川新聞社編 神奈川新聞社 2012/10/05


「横浜市における一般公衆浴場数の変遷-関東大震災からバブル経済期まで-」/吉田律人(『横浜市史資料室紀要 第3号』)
 横浜市ふるさと歴史財団近現代歴史資料課史資料室担当編 横浜市史資料室 2013/3/31


『オリンピックから半世紀 あこがれの「団地」-高度成長とベッドタウン横浜-』  横浜都市発展記念館 編   横浜市ふるさと歴史財団  2014/10/11

『旅する人びと~東海道五十三次から世界へ~』  川崎市市民ミュージアム 編   川崎市市民ミュージアム  2016/10/8

『かながわ歴史 亀さんぽ』  横浜市神奈川区役所区政推進課   横浜市神奈川区役所区政推進課   2017/8

『お風呂の富士見誌 ~うちで湯ったり・でかけていい湯~』  富士見市立難波田城資料館 編集・発行  2020/3/14
令和2年春季企画展図録

「新潟県と京浜地域の浴場業者 ―県人会名簿及び浴場組合名簿の分析を中心に―」  吉田律人  2020
『國學院大學紀要國學院大學紀要』 58号に収録。




◎銭湯/地域(中部・東海)

『日本の民俗 愛知』  礒貝勇 津田豊彦 著   第一法規出版  1973
当県と三重県・滋賀県に分布する篭風呂とは、独立した部屋を持たず、入浴時大きな篭で桶ごと覆って湯がさめないようにしたものである。

『名古屋城雑記 特別史蹟重要文化財』  城戸久 著  名古屋城振興協会  1978/03/07
戦災消失前の御湯殿書院御湯殿風呂屋形の写真あり。その他、黄金水と呼ばれていた天守内の井戸。

「特集・静岡県の民俗文化」浜名湖周辺の共同風呂 ほか 『月刊歴史手帖 9巻11号』  名著出版  1981/11/1

『大聖寺城下町と町人社会』  田中喜男 著   能登印刷・出版部  1990/11
100万石で知られる加賀藩の支藩であった大聖寺藩の歴史。166坪の湯女風呂が元禄元年(1688年)以前に存在していたという。

『とやま いい湯ガイド』 北日本新聞社 編   北日本新聞社  1994/1/25

『ホット町の湯のんびり村の湯』 羽衣出版編集部 編著   羽衣出版  1998/1/1


『町の湯 村の湯 静岡県のお風呂ガイド』 羽衣出版編集部 編著   羽衣出版  2000/11/18

おふろデートに連れてって…『月刊サウナvol.7』 オアシス/ファンタジースパおふろの国/「湯きち」制作委員会 制作   ニッポンおふろ元気プロジェクト  2016/10/26

「石川県人と大都市の浴場業」/金崎肇(『地理』 第6巻第4号 抜粋コピー)   古今書院  1961/4

「石川県南加賀地方出身者の業種特化と同郷団体の変容-大阪府の公衆浴場業者を事例として-」/宮崎良美(『人文地理 第50巻第4号』 抜粋コピー)  1998





◎銭湯/地域(関西)

『八瀬大原の栞』  無竹庵 編   無竹庵  1927/04/18
京都・八瀬大原の生活文化誌。「名所八瀬の竈風呂」などを紹介。

『奈良県下国建見学提要』  京大建築会奈良研究所 編   鹿鳴荘  1929/08/15
興福寺と東大寺の大湯屋について、沿革から構造形式、細部の建築手法を紹介する。

『京都の旅』  松本清張 著 樋口清之 著   光文社  1966/04/10
八瀬の釜風呂の話。料亭の庭先に形だけ復元され観覧に共されている。

『奈良の旅 今日の風土記』  松本清張 樋口清之 著   光文社  1966
光明皇后ゆかりの風呂のある法華寺の話や、日本最古の井戸のある唐招提寺の話など。

『京を探る 庶民の祈りを秘めて』   辻与一 著   白川書院  1971
正月二日、初風呂に浸りながら、明治頃の初風呂風景や風呂の歴史について思いをめぐらせる。

『京都おもしろウォッチング』  赤瀬川原平 他著 路上観察学会 編   新潮社  1988/09
京都の銭湯の魅力を深る。東京では〇〇湯が多いが、京都や大阪には〇〇温泉というのを見かける。外観は町屋風なので目立たない。その他、東京と京都の銭湯のちがいを考える。写真多数。京都の銭湯13軒紹介されている。

『湯の聖と俗と 風呂と温泉の文化 特別展』   兵庫県立歴史博物館 編   兵庫県立歴史博物館  1992/03
平成4年に兵庫県立歴史博物館で開催された特別展の図録。豊富な図版と資料を解説し、日本における風呂と人とのかかわりを探る。

『都市はステージ 大阪の魅力』   サントリー不易流行研究所  1992/08
大阪の御堂筋から少し入った場所にある清水湯は、場所柄、多種多様な利用者が絶えない。利用者の立場で考えた、オーナーの努力とアイデアを紹介。他に、郊外のレジャー型銭湯についても。

『2000年時代の公衆浴場 公衆浴場業のあり方と組合の役割 取り巻く環境の変化への対応』  京都府公衆浴場業環境衛生同業組合 著   京都府公衆浴場業環境衛生同業組合  1999/03
京都における公衆浴場の経営実態や利用者実態などのアンケート調査結果と今後の公衆浴場のあり方をまとめた調査報告書資料。

『京都ノスタルジック散歩 (京都モザイク (006)』   青幻舎  2003/11/1
昔懐かしいお肉屋さんのコロッケや、思い出に浸る銭湯、赤電話のあるたばこ屋さんに純喫茶。郷愁を誘うと同時に新鮮な、京都のノスタルジック・シーンにご案内。

『京都極楽銭湯案内―由緒正しき京都の風景 (新撰 京の魅力)』  林 宏樹 (著), 杉本 幸輔 (写真)   淡交社  2004/12/1
お風呂屋さんの魅力満載!新京都散策ガイド。

『出郷者たちの都市空間』 山口覚 著   ミネルヴァ書房  2008/3/10
日本では第二次大戦以後に膨大な数の人々が都市へと定住するようになった。本書は、阪神間をフィールドとした都市のエスノグラフィーによって、そうした出郷者たちがどのようなネットワークを創り出し、同郷者集団といかなる関わりを持つことで都市人として生きてきたのかを明らかにする。

『京の銭湯 本日あります (らくたび文庫)』 林宏樹 文 田村和成 写真   コトコト  2008/3/26
銭湯浸かって、京都のディープに浸かる 戦前築のレトロ銭湯や、もはや芸術としかいえないさまざまなタイル絵、浴室に鳥が舞うといった変り種のお風呂など、個性豊かな京の銭湯をご紹介します。また、8人の京都人が8様の銭湯との付き合い方を紹介するなど、京都に根付いた銭湯文化にどっぷり浸かれる一冊。巻頭には、独特の視点とタッチで描かれる作品が人気の、漫画家グレゴリ青山さん書き下ろしの漫画を収録。

『京都極楽銭湯読本』   林 宏樹 著   淡交社  2011/3/19
過去30年、減少の一途をたどってきた京都の銭湯だったが、平成20年、その減少に歯止めがかかった。銭湯の良さに気付いた人が増えたのか、街から銭湯が消えることに危機感を感じたためなのか、その理由はわからないが、銭湯が風前のともし火であることに変わりはない。とは言え、京都にはまだまだ旧き良き銭湯が残る。好評を博した『京都極楽銭湯』に続き、京都の銭湯をこよなく愛する著者の「銭湯オマージュ」にあふれた一冊。

『レトロ銭湯へようこそ 関西版』  松本 康治 (著)  戎光祥出版  2015/12/8
街の銭湯が年々減少してく中、関西には今も昭和レトロな雰囲気が色濃い“レトロ銭湯"が各地に残っています。本書は神戸市在住の作家で銭湯取材・撮影をライフワークとしている松本康治氏が、関西各地のクラシックな銭湯を徹底解説いたします。店舗・建物ガイドに加え、照明、浴槽、脱衣場などの各種施設についても美しい写真を用いて詳述します。一部の浴場情景写真には人物を入れ込み(男性)、銭湯の臨場感をお伝えしています。




◎銭湯/地域(中国・四国)

『高松今昔記 明治百年にちなむ』  荒井とみ三 著    讃岐郷土研究会  1967/10/06
銭湯よもやま話-弁当もってカラフロ入浴。鉄泉湯の熱湯和尚。銭湯経営の名物老人。

『ふるさと小野田』  ふるさと小野田編集委員会 編 小野田青年文化会議 編   小野田市教育委員会  1972/03/31
山口県小野田市に伝わる石風呂の歴史。その構造と入浴法について。石風呂は、負傷した人の保養や疲労、肩こりの治療なでに効果があったらしいが、現在では農閑期に老人が利用する程度だという。

『日本の民俗 愛媛』  野口光敏 著   第一法規出版  1973
「民俗知織」の章の2.医療・保健・衛生の項に石風呂に関する記述がある。大正10年項に作られ昭和10年項まで使われた亀ヶ内石風呂や、今も湯治客が来る今治市桜井の石風呂など。

『岡山盛衰記』  岡長平 著   研文館吉田書店  1975
岡山県の郷土誌。「床屋と銭湯」-多人数が集まって、喧噪に流れやすいという理由で法度とされていたが、庶民の要求でどんどん増えていった。

『土佐・庶民史話』  平尾道雄 著   高知新聞社  1979/12/10
土佐には、寛文年間(17世紀後半)に、風呂屋があり、ここにわかし風呂形式の銭湯があった。その後一たんなくなったが寛政2年(1790)に復活、数も増えていった。

『広島銭湯』  広島銭湯部  2021
広島県内にある全ての銭湯を取材し、その魅力を余すことなく紹介した同人誌




◎銭湯/地域(九州・沖縄)

『漫画漫文極楽めぐり』  近藤浩一路 著   磯部甲陽堂  1919/04/01
別府の共同浴場は、素晴しく広く、浴客がいっぱいの千人風呂である。浴槽が雛段のように段に仕切られている。その他、瀬戸内海を渡る船中の朝風呂の気持ちの良さ。松山の共同風呂についても。

『博多の心』  朝日新聞福岡総局 編   葦書房  1976/02/25
博多で木風呂を専門につくっている「山形や風呂店」の様子。

『筆洗歳時記』  堀古蝶 著   白凰社  1976
近頃は、下湯を使わないで湯船に入る人もいる。西郷隆盛は、いつでも石鹸でごしごし下湯を使ったそうである。また、右手で子供の手をひき、左手で桶を抱えて入って来る母親の姿に驚く。

『豊後の石風呂』  入江英親 著  双林社  1980/05/15
大分県山香町の石風呂の解体修理と同県内の石風呂についての調査報告。俊乗房重源と石風呂。泉福寺施浴の石風呂。緒方町、臼杵市など県内各地の石風呂について。写真豊富。

『技術と民俗』  網野善彦 [ほか]編 森浩一 [ほか]著   小学館  1985/05
豊後の石風呂、佐渡の蒸風呂(オロケ)、周防大島の石風呂など写真および図解つき。

『街に煙突があったころ 「もの」で見る風俗20年史』  清水潔 著   毎日新聞社  1988/09
昭和16年生まれの著者の銭湯の記憶。博多、東京、京都の銭湯の違い。また昭和40年からの入浴料金の推移など。

『FUKUOKA STYLE VOL.8 : 1993.12 九州銭湯探訪記2 西九州篇』  町田忍 著    福博綜合印刷  1993/12/10
「九州銭湯探訪記(2)-西九州篇」-久留米の凱旋湯、佐賀の唐破風銭湯、鳥栖の大正湯などを写真入りで紹介。

『FUKUOKA STYLE VOL.7 : 1993.7 九州銭湯探訪記1 北部九州編』  町田忍 著   福博綜合印刷  1993/07/15
博多をはじめ、九州北部の銭湯を巡る「九州銭湯探訪記」。九州の銭湯の特徴は、浴槽が浴室の中央にあり、蛇口が少ない。門司港駅のそばのモダンな銭湯や、博多の銭湯のマジョリカタイルを紹介。

『FUKUOKA STYLE VOL.9 : 1994.6 九州銭湯探訪記3 南九州編』  町田忍 著   福博綜合印刷  1994/06/30
「九州銭湯探訪記(3)-南九州篇」-熊本のくすり湯、天草の芳香湯、鹿児島の殿様湯などを写真入りで紹介。

「地方都市における一般公衆浴場の変容に関する研究」  中山満美・辻原万規彦・細井昭憲・安浪夕佳  2007
『日本建築学会技術報告集13巻26号』に収録。熊本市の銭湯(一般公衆浴場)の建物、経営、設備、客数など多方面からその変遷を考察している。力作!

『レトロ銭湯へようこそ 西日本版』  松本康治 (著)   戎光祥出版  2017/5/10
ディープな旅に風呂屋あり。中国・四国・九州・沖縄、オドロキと感動の55湯!!




◎銭湯/地域(海外:アジア&中東&アフリカ)

『漫画の満洲』  池部釣 [ほか]著   大阪屋号書店  1927/10/01
中国の銭湯・雙泉堂の様子。ひげを剃る、湯につかる。垢すり、手足の爪切りなどとても気持ちが良い。その他、熊岳城の砂風呂温泉について。昭和初期の中国旅行記。

『支那人の生活と江南の風物』  奥田正男 著   海外教育会  1929/11/05
この国の住居は、中流以下と以上ではお話にならぬ差異がある。浴室は、余程上流の社会を除いて普通備付けていない。

『漫遊綺談満州は微笑む』  真鍋儀十 著   中和書院  1932/11/20
中国の銭湯体験記。一風呂浴びると三助が垢取りをしてくれる。香りの良いお茶を飲みながら爪を切ってもらい、マッサージしてもらう。ひげそりもしてくれる。

『北支物情』  岸田国士 著   白水社  1938/05/01
中国北部の戦線に記者として従軍した著者の、当時の中国風呂体験談。

『支那の体臭』  後藤朝太郎 著   汎文社  1933/09/15
中国の銭湯の風俗。厠事情。

『浴室風景』  竹内逸 著   岡倉書房  1938/04/20
日本の箱風呂、桶風呂ほか、バーデンバーデン、中国の盆湯、アラブ風呂、ストックホルムの銭湯など、著者の入浴体験をまじえて。

『新蒙古風土記』  フォーバス 著 高山洋吉 訳   育生社  1938/10/20
モンゴルの都ウルガの豪華な浴場。湯に入り按摩や茶、嗅煙草のサービスを受けわずか30銭。入浴は人々の最高の楽しみだった。

『支那街頭風俗集』  宮尾しげを 著   実業之日本社  1939/05/06
昭和初期の頃の中国の風俗。銭湯(澡堂)の看板の文字は、その銭湯のランクや種類を表わしている。例えば、「盆地両便」は、盆は一人風呂、洋風バスを地は共同風呂ということである。

『支那人の見た日本人』  信濃憂人 訳編   青年書房  1940
中国知織階級の人々が見た当時の日本の様子。日本の銭湯、特に女湯の風景について。

『大陸みやげ話』  村野貞朗 著   村野貞朗  1940/12/25
昭和の初めの中国。一般の住宅には風呂はなく、毎日入浴する習慣もない。盛り場に風呂屋があるが、暇つぶしや享楽なので安くはない。池塘という、日本の銭湯式のものは、比較的大衆向きである。

『武者窓 建築随筆評論集』  佐藤武夫 著   相模書房  1941/03
中国の風呂についてー著者の入浴体験記。門を入るところからの見聞を詳細に記録。間取図もある。

『中国人の生活風景』  柯政和 著   皇国青年教育協会  1941/06/05
昭和初期の中国人による中国文化の紹介。「支那風呂の極楽気分」-風呂屋に行くという事は、風呂の気分を味わい、かつ享楽することが目的。その他、風呂屋での小費(チップ)についてなど。

『トルコ民族の風俗』  内藤智秀 著   八木書店  1942
トルコの公衆浴場ハマムの様子や入浴の要領など。また豪族の家庭風呂についても。

『戦閑雑記』  岡島寛一 著   有信社  1942/03/15
中国の銭湯の入浴体験談。一回10~50銭でランクがある。浴槽は日本の銭湯に似ているが、しきりが多く極めて浅い。他に便所の話も。

『大同小異帖』  宮田重雄 著   龍星閣  1942/03/30
中国の町、大同、澡堂と呼ばれる銭湯の様子。垢すりはもちろん、顔そりからマニュキアまである。マッサージをたのんで寝そべっていると時間も忘れていまう。昭和15年~16年のこと。

『朗 第10巻第12号 : 1942.11 風呂場漫録』  日本電建出版部 編   日本電建出版部  1942/11/20
「風呂場漫録」-風呂場についてのエッセイ。世界各地の風呂の紹介など。

『北満三河露人の住宅と生活』  南満州鉄道調査部 著 北満経済調査所 編   博文館  1943/03/15
中国東北部の三河地方。風呂は蒸風呂で、母屋からかなり離れている。その構造と中の様子、入り方など。

『新中国』  木村荘十二 著   東峰書房  1953
誕生間もない中華人民共和国。集合住宅には1M2程に区切られた新式のシャワー浴場がある。シャワーでは物足りない向きもあるが、当時としては一番現実的。

『北京繁盛記 花と女と剣と』  高木健夫 著   雪華社  1962
古代中国では3月3日に川でみそぎをし、香草で穢れをはらう風習があった。日本でも端午の節句には菖蒲湯をわかす。こうした花の風呂はヨーロッパにも多い。香妃のエピソードも紹介。

『インダス文明』  ウィーラー 著 曽野寿彦 訳   みすず書房  1966
モヘンジョダロ、ハラッパの大浴場。写真も豊富。

『インド古代史』  コーサンビー 著 山崎利男 訳   岩波書店  1966
モヘンジョダロの建物群の遺跡の中庭には、縦7M、横12M、深さ2Mの長方形の水漕(浴漕)がある。復元図も。

『秋風三千里 菊池傲霜庵随筆 中国四十年の回顧』  菊池貞二 著   南北社  1966
平安以来の名物で、明治以降中絶していた八瀬釜風呂を再興した人の話。また中国風呂には、紳士用・婦人用・庶民用の別があり、顔ソリや散髪等の職人がいた。

『想い出の満洲 絵と文』  佐久間晃 著 富山衛 著   恵雅堂出版  1971/07/01
澡堂子(中国の銭湯)は、混浴の池子と個室の盆塘の二種がある。中は湯気がたちこめており、冬でも暖かい。盆塘では、ボーイが茶と料理を運んでくれ、三助も頼め、ひげ剃り、散髪も揃っている。

『ブータン横断紀行』  桑原武夫 編   講談社  1978/06
ブータン人はヒマラヤの民の中で例外的に風呂好き。川の近くに穴を堀り、水をひいて真赤な焼石を入れ、焼石風呂を楽しむ。

『新・中国事情 近代化をめざす政治・経済から大衆の暮しぶりまで』  石川昌 著   日本実業出版社  1979/01
現代中国の楽しみの一つ、風呂屋。一般に中国の人々は、日頃は身体の一部をお湯でふき10日に1度程公衆浴場へ行く。大きな風呂屋には個室もあり、マッサージも頼める。

『香港旅の雑学ノート 出街・街坊・享受』  山口文憲 著   ダイヤモンド社  1979/12
香港では風呂の普及率が高く、最低の公共住宅でも共同浴室がある。それども風呂のない人は、シャワーだけの無料の公衆浴室へ行く。逆にぜいたくな上海浴室の話も。

『シルクロード建築考』  岡野忠幸 著   東京美術  1983/07
トルコの港町ウシュクダルの本場のトルコ風呂。結婚式前の花嫁と出産後40日の母親を風呂場ヘ連れていく儀式があるという。

『新トルコ風土記 大地の調べ歴史の宴』   赤松順太 著   東洋経済新報社  1984/12
イスタンブール中心街のガラタ宮殿浴場の入浴体験談。ホール、更衣室など一応清潔。入浴料は規定料金1000リラ(1400円)だが、マッサージ、チップなどで2500リラに。

『上海酔眼』  村松友視 管洋志 著   講談社  1985/10
上海の高級銭湯。男が垢をこすってくれる様子。

『ゴビ砂漠』  山上政之 著   二宮書店  1985/11/15
太平洋戦争前夜、北京海軍武間府に着任した著者の見た中国世相。当時の北京の銭湯の様子。背中の流し方や銭湯でのサービスについて。他に水売りの話もある。

『台湾グラフィティ 台湾世界へのアプローチ・ハンドブック』  小宮清 新谷直恵 著   みずうみ書房  1985/12
上海風呂はサウナのあと垢すりをし、マッサージをする。女性用サウナを探し出すと、それは総合美容室だった。お客のほとんどは夜の仕事に出かける人だった。

韓国グラフィティ 韓国世界へのアプローチ・ハンドブック 小宮清 新谷直恵 著 みずうみ書房 1985/12
銀行のビルの地下にある銭湯の様子-男湯、女湯の設備をイラストで紹介。一流のコモドールホテルのバスタブ。

『唾と大地と水餃子 肌で触れた中国の人と風景』  難波淳 著   主婦の友社  1986/11
現代中国の銭湯。白いタイル張りの浴槽は三つに仕切られており熱・温・涼の三段階の湯の温度が選べる。

『北京の銭湯で 文化交流裏方記』  小宮山猛 著   朝日新聞社  1989/04
1981年、北京の日本大使館に文化担当官として赴任した著者は、裸のつきあいを求めてまず銭湯へ行った。銭湯でのふれあいからスタートした文化交流裏方記。

『陳真さんの北京だより くらしとことば』  陳真 著   大修館書店  1989/06
北京では、洗浄(お風呂)とは、ふつうシャワーの事。ふだんはシャワーで、周一回程、市内に約70軒ある銭湯へ。入浴料はシャワー26銭バス55銭。銭湯の中には足の病院まである。

『ふろしき文化のポスト・モダン 日本・韓国の文物から未来を読む』  李御寧 著   中央公論社  1989/09
ふろしきの起源としてよく引用される『南嶺遺稿』には、室町時代には、大湯殿を建て近習の大名衆を入れたといい、入る時は衣服を包むのに使い、出る時は床に敷いて、その上で衣服を着たという。

『銭湯へ行こう・イスラム編 お風呂のルーツを求めて』  八尾師誠 編著   TOTO出版  1993/03
中東・イスラム地域にも銭湯(ハンマーム)がある。生活と密接に結びついた都市施設であるハンマームを、歴史、民俗、社会、建築、文学、現代風俗などの視点から多面的に捉える。

『THE ISLAMIC BATHS OF PALESTINE』  MARTIN DOW 著   OXFORD UNIVERSITY PRESS  1996
パレスチナのお風呂について書かれた本。

『浴場から見たイスラーム文化』  杉田英明 著   山川出版社  1999/04/25
公衆浴場という具体的な事例を取り上げて、イスラーム文化の内面に分け入る。




◎銭湯/地域(海外:ヨーロッパ&アメリカ)

『西洋風俗記』  松葉卓爾 編   図書房   1900/02/05
明治中頃の西洋風俗紹介記。「湯屋」の項にロンドンの湯屋の話。ランクによる湯銭の違いや、設備の様子など。わずかながらフランスの記述も。

『大英遊記』  杉村広太郎 著   有楽社  1909/11/25
著者は朝日新聞社の特派員で明治40年にヨーロッパを歴訪。ウラジオからモスクワに向かう列車の中での入浴の様子。当時2ルーブルは高いが、シベリアの原野の真中での入浴は有難かった。

『欧米巡遊日記』  小塚正一郎 著   小塚正一郎  1910/09/01
明治後期の旅行記。トルコ風呂の光景を紹介。入浴料は思召次第とあり、入口から梯子を登る。タオルを腰にまいて、まず蒸風呂に入り、次に本風呂、横になり、三助に全身を洗ってもらった。

『わたり鳥の記』  上原敬二 著   新光社  1922/05/30
シカゴのホテルで、床でからだを洗った日本人の話や、日本風の熱い風呂に入れるようになり喜んでいるアメリカ人の話など。

『羅馬風呂 水鳥散史』  太田正孝 著   報知新聞社出版部  1923/11/25
大正期の報知新聞副社長のエッセイ集。「羅馬風呂」-ベルリン滞在中に体験したローマ風呂について。

『最近に於ける米国見物』  菅原守 著   広陵社  1924/06/10
大正期のアメリカ視察記。西洋風呂と日本の比較。アメリカでは病気休養後の登校児童を校医が必ず診察し、全治登校者や恵まれない子供、汚れた子供には入浴できる施設を使わせた。

『余が見たる丁抹の農村』  山田勝伴 著   有精堂書店  1925/04/13
コペンハーゲンの西に位置するロスキールの公設浴場、一等大人75銭。小さな一室に浴槽があり、湯も水も自由に使える。

『ローマの文化と建築』  森口多里 編   洪洋社  1927/12/10
ローマ時代の公衆浴場。ローマ人の入浴習慣、浴場の構造。代表的なカラカーラ浴場とフォールム浴場の歴史を、遺跡の写真と共に紹介。

『風呂』  中桐確太郎 著   雄山閣  1928
「風呂の語義及び由来」「風呂の構造及び変遷」「風呂生活の種々相」からなる。日本をはじめ、アメリカインディアン、スキタイ族の風呂についても。

『世界浴場史』  キャバネ 著 矢口達 訳   国際文献刊行会  1928/08/20
フランスの風俗史家キャバネの書。本篇として古代・ギリシャ・ローマ・中世・ルネッサンス・ルイ14世から革命時代などの各篇。付録にインドや日本など各国の浴場の記述。

『異国膝栗毛』  近藤浩一路 著   現代ユウモア全集刊行会  1928/12/20
洋行前に名古屋ホテルで洋式風呂に入る話。船中で海水の風呂に閉口する話。セーヌ川に浮かぶ船を改造した銭湯の話などのエピソードでつづる旅行記。

『東西浴場物語』  浴場新聞社 編   浴場新聞社  1929/10/15
日本と世界の浴場物語。日本については、水浴時代から現代風呂にたいるまで。また、世界の浴場として、ローマ、トルコ、エジプト他の様子と、宗教と入浴の関係にもふれる。

『風俗資料 第2冊 : 1930.5 ルネッサンス時代の混浴風呂』  山下登 編    風俗資料刊行会  1930/05/15
ルネッサンス時代の浴場は、現代と違って特殊な性質を持っていた。男女混浴の風俗と、その発達による頽廃から混浴風呂の衰退まで。風俗史家として著名なエドワード・フックス氏の資料をもとに紹介。

『欧州旅行記』  宝蔵寺久雄 著   干城堂  1935/01/03
ローマの浴場遺跡。当時のパリ、モスクワの共同便所について。

『外遊漫筆』  吉田辰秋 著   明治図書  1940
シベリア鉄道の列車の中の風呂。2円19銭のバスはホテル同様で快敵だった。他にエジプトの飲料水の話も。

『南満騎行』  ジョージ・フレミング 著 指田文三郎 大江専一 共訳   朝日新聞社  1941
ヨーロッパ人のみた中国の浴場の印象。昔のローマの浴場に比べて、粗末であるとしている。

『ソ連の自然と生活』  尾瀬敬止 著   南北書園  1942/09/20
当時のソ連浴場風景。ロシア名物愉快なお風呂。日本式銭湯-オブシチェーや西洋式浴槽、さらに家族風呂の様子。

『白木黒木』  伊東忠太 著   北光書房  1943
東西諸国の浴場の今昔として、最古のギリシャの公衆浴場、ローマのカラカラ浴場。トルコの蒸し風呂、宝石をちりばめたインドの浴場。中国の銭湯の寺の施浴と銭湯の繁栄。

『ろしや風土誌』  昇曙夢 著   日本出版協同  1950
ロシア名物バーニャには、共同風呂と家族風呂がある。それぞれの構造、入浴要領、湯銭のランクなども体験をふまえて記述。ロシアにおける蒸し風呂の起源についても。

『きつつきの路 随筆』   内田亨 著   東和社  1952
筆者のドイツ滯在時の風呂屋の体験。また、五右衛門風呂に入ったヨーロッパ人の話。その他、各地の温泉の様子。

『心の持ち方』  大和勇三 著   池田書店  1953
女三助のいるスウェーデン、フィンランドの公衆浴場、三助は体格の良い老女であった。ほかに、蒸風呂仁義。

『巴里風物誌』  渡辺紳一郎 文 佐野繁次郎 画   東峰書房  1955
パリジァンとしてパリの中にはまりこんだ生活記。パリで風呂付のアパートに住めれば上流階級、銭湯はあるが、中流階級は週一度、大衆庶民の入浴は祭か結婚式の前日くらいなのが潔癖なほう。

『アメリカの横顔』  中内正利 著   研究社出版  1956
アメリカの日常生活について。浴室、台所、ホテルでの宿泊。

『さんご抄 平山孝随筆集』  平山孝 著   四季社  1957
デンマークで体験したトルコ風呂。サウナ、垢すり、マッサージは体の皮がむけるかと思ったが、気持ちが良く、終わってから飲んだビールはうまかった。

『裏から見た現代住宅』  ベルナルド・ルドフスキー 著 小池新二 村山清 訳   彰国社  1959
古代ローマには多くの浴場が存在し、入浴を楽しんでいたが、中世から現代に至っては、浴室は機械的な一設備にすぎず、入浴も単に体を洗うだけである。入浴から楽しみがなくなった事情を考察。

『パリの銭湯』  小沢栄太郎 著   法政大学出版局  1959
著者がパリの銭湯に入る話。入浴料100フラン。時間50分。殺風景な個室に半分程ぬるいお湯が入ったバスタブ。

『ソヴェト旅行記』  野々村一雄 著   中央公論社  1961
ウクライナホテルのバスルーム。ソ連では浴槽の詮がなくなり、バスが使えないことがあるというので、部屋に入ると第一にこれを確かめた。

『ポンペイ』  エゴン・カエザル・コンテ・コル 松谷健二 訳   みすず書房  1964
ポンペイでは生活水準が高まると、水道管を家に引きこみ噴水なども作った。公衆浴場には、婦人用浴室、熱気暖房装置もあり、社交と娯楽の場だった。

『裸天国 世界浴場物語』  植田敏郎 著   宮川書房  1967
随想・新篇浮世風呂。ドイツ浴場史素描。世界浴場史素描。日本浴場史素描。随想・温泉天国日本。健康の源泉。

『HEIL-UND SCHWIMMBADER IN BUDAPEST』      PANNONIA VERLAG  1970
ブタペストの湯治場とプール。入浴施設の写真豊富。(独語版)

『西洋職人づくし』  ヨースト・アマン 版画 ハンス・ザックス 詩 小野忠重 解題   岩崎美術社  1970
16世紀に出された、木版画に8行詩を添えて世の中のあらゆる仕事を解説した本。風呂屋と桶屋の木版画がみられる。当時の風呂屋での入浴を紹介。

『産業革命と民衆 生活の世界歴史』  角山栄 著   河出書房新社  1975
1850年~1860年のイギリスの庶民生活。衛生費は、土曜日の午後公衆浴場へ行き、入浴と洗濯のための費用だった。公衆浴場の中に洗曜場があり、入浴をせず洗濯場だけを利用することもできた。

『ローマ文明の跡を訪ねて』  浅香正 著   吉川弘文館  1975
ローマ時代の公共建物で、市民生活に密接な関係があったものは公共浴場だった。

『西洋雑学案内』  春山行夫 著   平凡社  1976
「入浴」の章。ギリシア・ローマ。風呂の頽廃。キリスト教の入浴。入浴の復活。浴場の廃業。浴槽と便器。19世紀の国民浴場。現代の浴室設計など。

『新東方見聞録』  ポール・ボネ 著   ダイヤモンド社  1977/01
「何事も豪華絢爛」の項-質素な本場フィンランドのサウナに比べ日本のサウナは豪華絢爛。他にフランス料理店の内装など、日本では何もかも豪華絢爛になってしまう。

『THE BED AND BATH BOOK』  TERENCE CONRAN 著   MITCHELL BEAZLEY PUBLISHERS  1978
『ベッド・バスブック』の原本。(英語版)

『AN IRREVERENT AND ALMOST COMPLETE SOCIAL HISTORY OF THE BATHROOM』  FRANK MUIR 著   STEIN AND DAY  1983
手紙や回想録、伝記、詩、物語、ゴシップ記事などから。バスルームやバスルームでの出来事についての記述を集めた本。『CLEANANDDECENT』(和訳「風呂トイレ讃歌」)から情報を得ている。

『タモリのこれが世界の珍商売!!』  フジテレビジョン 著    笠倉出版社  1984/02/10
ミラノ駅の構内になるシャワー屋の話。シャワー室の他、風呂室、仮眠室などもある。

『日々の過ぎ方 ヨーロッパさまざま』  堀田善衛 著   新潮社  1984/04
日本人がヨーロッパの田舎で暮らすとなると入浴はどうすれば良いか。湯船があれば幸いで、あっても浅くてどっぷりつかれない。ヨーロッパにおいては、原則として、風呂はつかるものではない。

『FURO, THE JAPANESE BATH.』   TEXT BY PETER GRILLI. PHOTOGRAPHS AND DESIGN BY DANA   KODANSHA INTERNATIONAL  1985
風呂の心。風呂の歴史。温泉。家庭風呂。(英語版)

『帝政末期のモスクワ』  B.A.ギリャロフスキー [著] 村手義治 訳   中央公論社  1985/05
当時のモスクワの銭湯の様子。

『暮してみたソ連2000日』  今井博 著   毎日新聞社  1985/10/30
蒸し風呂の公衆浴場バーニャについて体験談をまじえて、詳細に記述。最大のサンドノフ浴場や小規模なモジャイスキエ浴場の様子など。

『さあ横になって食べよう 忘れられた生活様式』  バーナード・ルドフスキー 著 奥野卓司 訳  鹿島出版会  1985/11
中世およびそれ以前からの入浴文化の変遷に関する考察。西洋だけでなく日本・東洋にもふれる。入浴を描いた中世から近世の絵画の掲載豊富。

『IN DEN TEMPELN DER BADELUST ARCHITEKTUREN DER SINNICHKEIT』  JOSEPH VON WESTPHALEN,GERHARD GERHARD P. MULLER 著   BUCHER  1986
殿堂の中の入浴の楽しみ。家庭の風呂ではなく大浴都での入浴スタイルを紹介。明治初期の日本や、ヨーロッパの古い入浴写真も。(独語版)

『ストーンテリア VOL.6 : 1986.7 石と風呂』  エス 編   エス  1986/07/30
古代ローマ・インドとイスラム圏の浴場建築。日本における石と風呂の歴史。日本各地の温泉。ヨーロッパの温泉地。

『北の生活宅配便 北欧の知恵をあなたに』  伊藤隆一 著   北海道新聞社  1986/11
フィンランドと日本のサウナ比較。フィンランドのサウナは素朴だが生活に密着している。

『世界性風俗じてん 上』  福田和彦 著   河出書房新社  1987/03/04
古代から近代までエピソードでつづる性風俗事典。カラカラ大浴場は美女の品評会。結婚披露宴で。湯治は生命の洗濯。この世の楽しみは湯女のいる風呂など。

『世界性風俗じてん 下』  福田和彦 著   河出書房新社  1987/03/04
エピソードでつづる性風俗事典。近代から現代まで。娼家を兼ねたロンドンの高級浴場の話など。

『THE WATER TEMPLE GRUNDERZEIT AND JUGENDSTIL PUBLIC BATHS』  DIETER LEISTNER KRISTIN FEIREISS   みやま書房  1990.06
幕末の北海道を訪れた外国人の体験記。蝦夷三湊にも銭湯があり、その営業形態は当時の江戸の銭湯と共通点がある。銭湯の構造についての考察、自家風呂や温泉についても。

『BATHS AND BATHING IN CLASSICAL ANTIQUITY』  FIKRET YEGUI 著   THE ARCHITECTURAL HISTORY FOUN  1992
ヨーロッパを中心に、浴場と入浴の歴史についてまとめた。古代遺跡の写真、図面など多数。(英語版)

『PLEASURES OF THE JAPANESE BATH』  PETER GRILLI,DANA LEVY DANA 著   WEATHERHILL  1992
外国人により、日本の風呂、入浴について紹介されている。風呂の歴史、温泉や銭湯でくつろぐ人々の写真。(英語版)

『THE BATH』  DIANE VON FURSTENBERG,STEWART 著   RANDOM HOUSE  1993
世界各地の浴室をデザイン的な観点から紹介。写真多数。(英語版)

『THE WATER TEMPLE GRUNDERZEIT AND JUGENDSTIL PUBLIC BATHS』  DIETER LEISTNER KRISTIN FEIREISS 著   ACADEMY EDITIONS  1994
屋内のプールやサウナについて簡単な説明つきで紹介する写真集。

『風呂とエクスタシー 入浴の文化人類学』  吉田集而 著   平凡社  1995/09
世界の様々な風呂のありようとその系譜をたどり、「恍惚としての風呂」について語る。シャーマニズムとの関連など。

『ローマ風呂騒動 ブルガリア』  スタニスラフ・ストラチエフ 著 真木三三子 訳   恒文社  1997/06/10
自宅の床下からローマ時代のモザイク装飾の風呂場が発掘されたことから生活がメチャクチャになった平凡なサラリーマンの話。

『LE LIVRE DU BAIN』  FRANCOIS DE BONNEVILLE 著   FLAMMARION  1997.10
公衆浴場から個人の家の浴室まで、入浴文化の展開の中で生み出されたさまざまの浴槽と浴室を紹介している。テキスト仏語。

『日英対訳 日本の銭湯ガイド How to Take a Japanese Bath』  鈴木 一功 (著), 丸尾 末広 (イラスト)   IBCパブリッシング  2015/11/25
銭湯大好き外国人が急増中! 旅行代理店が外国人の団体ツアーに組み込むほど、日本人のリアルな生活文化として銭湯が外国人に大人気!そんな銭湯の、マナーや歴史、銭湯にまつわるあれこれを日英対訳で解説しました。銭湯に興味のある外国人はもちろん、日本人にとっても古き良き日本の文化を再確認できる一冊です。東京のおすすめ銭湯15店の紹介つき。さあ、日本観光に来た人たちを銭湯へ連れて行きましょう!

『Sento L'art des bains japonais』  Stéphanie Crohin Kishigami 著  Le Prunier 2020/11
Les sentō, les maisons de bains publics gérées par des familles et transmises de génération en génération, sont une tradition séculaire qui fait partie du mode de vie des Japonais. (フランス語)





◎小説、落語、エッセイ、随筆、雑学

『夏日夜話』  東京朝日新聞社会部 編   日本評論社  1927/08/17
草津湯泉入湯記-湯揉みの様子。また、三助体験記。

『丘の橋』  内田百閒 著   新潮社  1939/06/01
浮世風呂-銭湯についてのエッセー。

『清方随筆選集』  鏑木清方 著   双雅房  1944/09/15
五月五日、菖蒲湯につかる女性の美しさを描いた『菖蒲湯』。また、風呂好きの著者の、さまざまな入浴の思い出について書いた『入浴』。

『雁風呂 随筆』  内田清之助 著   光文社  1946/10/10
渡り鳥・雁の哀しい伝説から名付けられた雁風呂について。

『三光鳥の鳴く朝 随筆』   直良信夫 著  葦牙書房  1946/10/20
寝る前に一風呂浴びるのはこたえられない。著者の家では銭湯へ行くが、銭湯では、ふだんは知らない同志の人でもニコニコと話したりする。そんななごやかで朗かな気持ちで世の中を渡りたい。

『苦笑風呂』  古川緑波 著   雄鶏社  1948
喜劇役者のエッセイ集。真冬の入浴の撮影の辛さ。ドブンと湯舟につかった時は良いのだが、撮り出さないうちにのぼせて、涼むとすぐに冷えて、暑いのか寒いのかわからなくなってくる。

『じふろくささげ いとう句会随筆集』  いとう句会 編    黄楊書房  1948
「法隆寺入浴記」。真夏の法隆寺で体験した蒸し風呂の思い出。頭に濡れ手拭をのせ、三畳足らずの天井の低い浴室に入った。口をあけて湯気を呼吸すれば楽だが、貧血を起こしそうだ。

『おのづから物語』  高木卓 著    宝文館  1949
男装の麗人が登場する。「お湯殿の巻」。

『素心凡語 随筆』  岡島藤人 著   天理教道友社  1951
銭湯の礼節。西洋人は日本の銭湯のように多くの人々が混浴することに違和感を覚えるようだ。しかし、後から入る人が先に入っている人に挨拶をしてから入浴する礼儀は良いものである。

『目白三平の日曜日』  中村武志 著   新潮社  1956
家庭風呂を持っていない目白三平が、転勤する同僚から風呂桶を譲り受け、自分で風呂場を作る決意をする。日曜ごとの大工仕事を完成するまで。

『ろまんすぐれい 随筆』  山崎清 著   鱒書房  1956
前の話。ヨーロッパの夫妻が、東北の温泉で男女混浴する日本人に驚いた話や、礼儀の国・日本だから、素裸では悪いと海水パンツをはいて入った珍談。

『ぼらのへそ 随想集』  中野好夫 著    弥生書房  1957
銭湯の持つ庶民の味は悪くないが、戦後はどうも困ったことがある。子供の多い時間は特にいけない。昔は母親と一緒に行って、人に迷惑をかけないように教えられたが、最近はどうなのだろうか。

『竹頭帖』  宮田重雄 著   文芸春秋新社  1959
戦後の医学者のエッセイ集。「水ききん」「逃げ水」「銀座おひるね所」など。

『日向の村の思ひ出』  川島伝吉 著 新しき村川島伝吉遺稿編纂委員会   知性社  1959/07/10
戦後の日向村大水路改築工事の思い出について。風呂場など。

『浮世風呂』  遠藤周作 著   講談社  1964
短編集。銭湯での場面あり

『あまたれ人生』  柳家金語楼 著   冬樹社  1965
風呂屋の名前にもいろいろあるが、まだ聞いたことがないのは、からし湯、くず湯、茶の湯など。他に、銭湯を舞台にした落語について。

『おふろ漫筆』  中村国雄 著   三和図書  1965
おふろについての随筆集。ふんどしまかり通る。風呂と海女。入浴の科学。家庭温泉。のぞき屋列伝。楽屋風呂綺談。ヤミ風呂など53篇。

『塵々集』  池田弥三郎 著   雪華社  1966
著者の子供の頃の銭湯の思い出。昭和初期には、銀座にも多くの銭湯があった。朝湯の男湯はあつかったので、母と一緒に女湯に入った。水を出して入っていると、よそのおばさんににらまれた。

『ひざ小僧 随筆』  秋山安三郎 著   雪華社  1966
東京の銭湯の正月2日の初湯について

『めだかの歌』  後藤楢根 著   学園書房  1969
銭湯でのマナーの悪さと嘆く著者。洗い桶を足でけ飛ばして運んだり、いきなり湯舟につかったり。あり日、湯舟のへりに数人の少年が腰かけていて入れなかったため、著者は注意をした。

『人生の余白』  渡辺幸守 著   日本林材新聞社  1970/03/03
伊豆のホテルの純金風呂体験記。およそ30の湯殿は、四方金色のガラス張り、湯舟は、一段高くなった大理石の中央の金色燦然たる鳳凰型である。風呂場には桶もなく、湯につかるだけになっている。

『新村出全集第十一巻』  新村出   筑摩書房  1971
「風呂雑考」収録

『極道まんだら』  永六輔 著   文芸春秋  1971
大正末期の銭湯で三助をしていた人の回想。当時、男が働いて一番稼げるのは三助だった。女性は三助を男性と思わない。きれいな彫物をしている姐さんも結構いた。その後、銭湯を経営した。

『散歩者』  永井竜男 著   毎日新聞社  1973
著者の切抜帖の新聞記事にみえる銭湯で起きた事件。板の間稼ぎで盗んだ時計を盗まれた女性。銭湯で、閉店まで粘れば警察に引き渡されるだろうと考えたが、処分されなかった刑務所志願の男の話。

『ぼくの遊覧船』  田村隆一 著   文芸春秋  1975
戦前戦後の銭湯について。戦前は各町内に老人を中心とした朝ぶろ会があった。またサラリーマンも出社前に汗を流した。他においしい水の話。

『庭にくる鳥 随筆集』  朝永振一郎 著   みすず書房  1976
ノーベル賞受賞学者の随筆集。大名生活を享受するときの日本人の思考形式は銭湯の発達にも大きく影響しているという珍説を紹介。証拠として、銭湯の入口と二条城の玄関の相似を挙げる。

『胸より胸へ 随想』  山崎朋子 著   筑摩書房  1976
銭湯フレンドー銭湯の中では裸のつき合いだが、お互いに名前や職業を知らず、街中で出会っても声をかけることをためらう。その他、銭湯での女性の、特に母親のマナーについて。

『雑学艶学』  西沢爽 著   ゆまにて出版  1979/07
「考訂・風呂の雑学」として、風呂と湯はちがう。腰巻きで火事を消した話。丹前とドテラの違い。珍奇風呂いろいろなど。

『ぼくの憂き世風呂』  田村隆一 著   集英社  1980/07/25
銭湯を軸に各界著名人と著者との対話。谷中・菊の湯と吉本隆明、大阪・天満温泉と小松左京、葛飾柴又・帝釈湯と山田洋次、向島・松の湯と木の実ナナなど。

『なんでもチャレンジ 義司の突撃漫画ルポ』  鈴木義司 著   主婦の友社  1981/03
著者の銭湯入浴談。人間洗濯機、人間乾燥機、電気ぶろなどを体験したあと番台にすわる。

『路地裏から 1981年春―秋』  関根弘 著   草思社  1982/03
1981年春から秋にかけてのエッセイ集。「浮世風呂-5月19日」-料金の値上げから、銭湯の変わりようについて綴る。

『東京十二契』  野坂昭如 著   文芸春秋  1982/11
昭和25~39年までの、著者が暮らした土地との関わりを描く。四谷の銭湯に当時朝風呂があり、湯代は10円だった。老人達が楽しげに入浴していた。

『東京情報コレクション』  現代新書編集部 編   講談社  1986/04
唐十郎『青春と銭湯で幻想する』-午後3時の一番風呂での幻想。著者の紹介する銭湯で西浅草のガラス湯は、ガラス工場の2階にあり、階下の余熱で湯をわかしている。その他、鶴乃湯の思い出。

『風は景と共に暖かし 明治・大正・昭和に生きる』  堤十女橘 著   白帝社  1987/04
一教師の明治・大正・昭和に渡る自伝。珍しい風呂として五右衛門風呂を紹介。

『さも虎毛の三毛 住まいの愉快学』  土屋耕一 著   住まいの図書館出版局  1987/12
住・食・言葉」についてのエッセイ集。「ひと風呂あびて流れを変える」-入浴することで、それまでの生活の流れが、ここでがらりと切り替わる。

『江戸っ子は、やるものである。』  渡辺文雄 [著]   みずうみ書房  1988/07
著者は神田生まれの俳優。子供の頃の銭湯の思い出。はしゃぎすぎて叱られたりもしたが、友達と一緒なら楽しかった。入れ墨をした鳶の頭のオッサンや呉服屋のおじいさんとのふれあい。

『心にのこるいろんな話』  宇野信夫 著  講談社  1988/11
銭湯の風景さまざま。三助を呼ぶための拍子木の音、入れ墨の男と、その子供の入浴風景、山谷の銭湯で桶を洗う番頭の姿などに心をとめる著者。

『我が野良哲学』  梅津和郎 著   泰流社 1989/01
計が午後4時を過ぎると気持ちが落ち着かなくなり、気に入っているカラオケ銭湯に行著者。そこで出合った「お角力さん」とあだ名される人の入浴は、減量のための難行苦行だった。

『セピア色の庶民史』  石川真澄 文 朝日新聞社 編   朝日新聞社  1990/04
番台と市議-駆け出しの新聞記者だった筆者が、ある時、市議会議情からニュースソースを教えてほしいと言われ、逃げ帰った。その議長が銭湯経営者だった。番台に似つかわしい温厚な顔だった。

『HE-SO BOOKへその素』  久住昌之 著   ビクター音楽産業  1990/08
銭湯バンダイ!!(じゃなくて)バンザイ!!。シャワーもまたよし。サウナもたまに良し。風呂での遊び。

『SOLAR CAT NO.12 : 1992 WINTER お風呂大好き』  ライフフィールド研究所 編   OM研究所  1993/01/01
日本人と風呂・お風呂で楽しむ季節の植物・身につけよう、体にやさしい入浴法・銭湯ぶらり旅・快適浴は浴室づくりから。

『サザエさんの秘密』  世田谷サザエさん研究会 著   データハウス  1993/03/21
「サザエさんの精霊は風呂桶に宿る」-磯野家のお風呂場や波平の銭湯好きなどサザエさんとお風呂に関する話あり。

『スコッチと銭湯』  田村隆一 著   角川春樹事務所  1998/3/18
詩を能くし、上戸極まり湯にいたる話。

『銭湯の女神』  星野 博美 (著)   文藝春秋  2001/12/1
いとしの香港から帰ってみれば、とかく日本は住みにくい……。銭湯とファミレスから透視する、新しい東京論。大宅賞受賞第一作!

『姫椿』  浅田次郎    文春文庫   2003/9/10
ペットに死なれた独身OL、不況で死に場所を探す経営者、妻に先立たれた大学教師……。凍てついた心を優しく包む八つの物語―― 短編「姫椿」には銭湯が登場する。

『昼のセント酒』  久住昌之 (著), 和泉晴紀 (イラスト)   カンゼン  2011/12/24
真っ昼間の、銭湯上がりの生ビール。これに勝てるヤツがいたら連れて来い!ドラマ化で話題となった『孤独のグルメ』『花のズボラ飯』の原作者久住昌之氏が提案する「風呂」×「飯」の痛快エッセイ!

『メゾン刻の湯』  小野 美由紀 (著)   ポプラ社  2018/2/9
どうしても就活をする気になれず、内定のないまま大学を卒業したマヒコ。幼馴染の蝶子に誘われ、東京の下町にある築100年の銭湯「刻の湯」で暮らし始める。そこには、“社会の正解”からはみ出したくせものばかりがいて―。銭湯シェアハウスを舞台に描く、希望の青春群像劇!





◎銭湯・お風呂の絵本、児童文学

『おふろだいすき』  松岡享子 作 林明子 絵   福音館書店  1982/04
おふろでいすきのぼくがおふろに入っていると、いろいろな動物がお湯の中からあらわれる。子供向けの楽しい絵本。

『おふろぼうや』  パム・コンラッド 文 リチャード・エギエルスキー 絵 たかはしけいすけ 訳   セーラー出版  1994/10/09

お風呂のへりに並んでいる木の人形の、ある日の事件。翻訳絵本。

『おふろやさん』  西村繁男 作   福音館書店  1983/11
これから、あっちゃんは、おとうさんとおかあさんと、おふろやさんにでかけます。銭湯の情景を生き生きと描いた大人も子供も楽しめる絵本。

『おふろばをそらいろにぬりたいな』  ルース・クラウス 文 モーリス・センダック 絵 大岡信 訳   岩波書店  1979/09
おふろばをそらいろにぬりたいな、てんじょうは、どのへやも、みんなみどりいろさ。子どもがゆめみるにじみたいなうちのはなし。

『おふろやさんぶくぶく』  作・絵:さのてつじ   ポプラ社 1991/9


『ふくのゆのけいちゃん こどものとも 446号』   秋山とも子 作   福音館書店  1993/05/01
おふろやさんの1日を描いた絵本。ペンキ絵を描く様子や、5月5日こどもの日のしょうぶ湯の様子。

『パンダ銭湯』  tupera tupera 作   絵本館  2013/8/15
いま、明かされる「パンダのひみつ」。あなたは、パンダ専用の銭湯があるのを知っていますか。実は...あるのです。え~っ、まさか、そうだったのか...。あなたの知らないパンダの世界がここにあります。

『ぷっぺと銭湯おとうさん』  作:よしながこうたく   好学社  2015/07/14
「給食番長シリーズ」でおなじみの作家よしながこうたくの初期の人気作『おふろだいすき!ぷっぺ』(小学館)を、タイトルも含め大リニューアル!見返しには作家自ら作詞、振り付けをした「ぷっぺと銭湯おとうさんの歌」の楽譜&振り付けイラスト付き!!隅から隅まで楽しめる、カッコイイお父さんの銭湯エンターテインメント絵本です。ぜひお父さんも一緒に読んでくださいね。

『やまのおふろやさん』  作・絵:とよた かずひこ  ひさかたチャイルド  2006/11
ぽかぽかおふろシリーズ。しんしんと雪が降る山の中。 ぽこぽこぽこぽことお湯がわいています。 動物たちがどぶーんと入っては、みんなぽっかぽか。
同じ作者のおふろシリーズで『うみの おふろやさん』『まちのおふろやさん』『そらのおふろやさん』『もりのおふろやさん』『どうぶつえんのおふろやさん』『おめでとうのおふろやさん』『おふろやさんのまねきねこ』『おばけばたけのおふろやさん』『ぼくんちのおふろやさん』あり

『おふろや』  作・絵:黒田 愛   白泉社  2008/09
転がるリンゴを追いかけて、町外れの摩訶不思議な原っぱに来てみれば、そこは色んな動物たちが集まる憩いのおふろやで…。第6回ピンポイントギャラリー最優秀賞を受賞した、圧倒的画力の傑作絵本!!

『絵で見るお風呂の歴史』  菊池ひと美   講談社  2009
「どうくつぶろ」から、「釜ぶろ」、「秀吉のおふろ」、「湯屋」、「銭湯」まで、私達の生活に欠かせない『おふろ』の歴史を描いた絵本です。美しい古典やまと絵とわかりやすい説明で、見れば見るほどおもしろいおふろが満載! 奈良時代から、現代まで、時代に合わせて様々な姿を見せてくれるおふろから、その時代を生きる人々の生活も感じられる1冊です。

『おさるのふろや』  作:真木 文絵  絵:石倉 ヒロユキ   チャイルド本社  2011/01
おさるのふろやは、今日も大きなおふろをひっぱる。きりんには深いおふろ、ペンギンには氷のおふろと、お客にあわせて、おふろが次々に形を変えていく。そして最後は…。色々なおふろが登場する楽しい絵本。

『あらいぐまのおふろやさん』  作・絵:花之内 雅吉   鈴木出版  2011/11/15
いろんな動物が入りに来る、あらいぐまのおふろやさん。最後に来たのはくまの親子。でも、あれあれ、もうお湯が残り少ない。どうしよう、お父さん! でもお父さんが湯船に入ると…。穴あきが楽しいしかけ絵本です。

『アブナイおふろやさん』  作:山本 孝   ほるぷ出版  2015/04/20
おふろやさんがジャングルに?!ぼくたち「ほうかごスペシャル探検隊」は幻の魚人イセン・セババの姿を追う!男子のモウソウはとまらない。ハチャメチャで、アツイ!楽しい「男子絵本」。

『おいしいおふろやさん』   作・絵:the rocket gold star   教育画劇  2015/09/09
ここはフルーツのみなさんが集うおいしいアロハ銭湯。甘い南国の香りが漂う中、フルーツのみなさんはお風呂にやってきました。バナナさんが脱ぎっぱなしで入ってしまい…

『天女銭湯』  ペク ヒナ (著), 長谷川 義史 (翻訳)   ブロンズ新社  2016/8/25

少女・ドッチのすむ町には、ふるーい銭湯があります。ともだちはみんな、新しいスパランドに行くけれど、ドッチは、大好きな水風呂と、あかすりのあとに買ってもらえるヤクルトをたのしみに、きょうも長寿湯にかよいます。いぬかきしたり、水泳選手の真似をしたり、水風呂で遊んでいると...「なんや、このばあちゃん どっからでてきたん!」 はごろもをなくしたという、天女があらわれた!

『キャプテンマークと銭湯と』  佐藤 いつ子 (著), 佐藤 真紀子 (イラスト)   KADOKAWA  2019/3/14

サッカークラブのキャプテンだった周斗はU‐14活動初日、コーチから入団したばかりの大地に、キャプテンを替えると告げられる。不安といら立ちの中、偶然記憶の中の懐かしい銭湯に再会したことで、周斗はたくましく成長していく。胸の奥が熱くなる、青春序章小説!

『おにのおふろや』  作:苅田 澄子  絵:りとう ようい   鈴木出版  2021/01/07
家のお風呂が壊れて、じいちゃんと初めてお風呂やさんに行った そうた。でもとびらを開けた先にいたのはたくさんの赤おにたち…! 「ど、どうして?」そうたがどきどきしながら、こわごわ熱いお湯に浸かっていると頭に角が生えてきて…。





◎銭湯の漫画

『フロ屋のおきて』 全7巻  藤谷みつる 著   集英社  1992/07/20~
銭湯が舞台となっているコミック。作者の方の家が銭湯だったので、銭湯の設備や銭湯あるあるがとてもリアルです。

『下町銭湯家族』 全4巻  大島永遠 (著), 茶柱渋吉 (著)   少年画報社  2017/9/25~
リストラされ実家にもどってきた銭湯の娘・絹は実家の銭湯が近々閉める事を知る。
常連たちにより愛されてきた居場所に突き付けられた現実。家族を、そして大切な「湯」を守るため、絹は立ち上がる!下町人情ストーリー!

『ゆとのと』 全4巻  泉紗紗 (著)   LINEコミックス  2018/8/10
一緒に暮らしていた祖父の突然死により、天涯孤独となってしまった湊。画家だった祖父が描き残した"絵"をきっかけに、祖父の旧友を訪ね大阪へ行くことになる。初めて訪れた大阪の街の活気に圧倒される湊だったが、突然現れた一人の男の子によって、とある銭湯へと導かれていく———。大阪の下町を舞台に繰り広げる、ほのぼのほっこりの銭湯ドラマが開店!

『銭湯の女神さま』  えのきづ (著)   芳文社  2018/9/6
銀座小学校の新任教師・恵先生は緊張のし過ぎで生徒と自然に接せられずに落ち込むばかり。そんな彼女を救ってくれたのはあったかなお風呂と癒やしの空間で身も心もリラックスさせてくれる銭湯でした。『琴浦さん』で人気、えのきづの新作は「女湯」が舞台です!

『東京銭湯パラダイス: ワンコインでイケる非日常』 さくら いま (著)   小学館  2018/11/22
東京都浴場組合公式サイト「東京銭湯」連載の銭湯女子+ビール漫画待望の単行本化!!

漫画は追加中




<参考資料>

東京都浴場組合ホームページ 銭湯関連の書籍 上記の一覧のベースになっているデータです。

『銭湯と横浜』 巻末の参考文献 銭湯関連図書目録(PDF)

林宏樹さんの「お風呂屋さん的京都案内」ホームページ  銭湯関係文献資料




◎『銭湯大学』 ~銭湯、公衆浴場、お風呂に関する参考文献一覧~

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9/1「防災銭湯」@朝日温泉 の実施報告

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2018年、9/1(防災の日)に朝日温泉で行われた
銭湯業界はじめての防災訓練「防災銭湯」は
大阪内外から銭湯経営者を中心に30人近い方が参加され、大成功で終えることが出来ました。

当日ご参加頂いた方々、ご協力頂いた朝日温泉さま・住吉消防署さま、取材に来て頂いたマスコミ各社の方々
また、大阪府公衆浴場組合さま、For U(湯)さま ありがとうございました。


防災銭湯ポスター
参考→ 「防災銭湯」告知ページ

今回、銭湯での初めての防災訓練の実施だったので、手探りの部分や今後の課題もありましたが、
実際に行ってみて、近年多発してる大規模災害に対しての
銭湯が事前にできる取組として、非常に効果が高いものだと分かりました

この「防災銭湯」、ぜひ全国の銭湯、温浴施設で実施してほしいと思います!!





「防災銭湯」 簡単にポイントまとめると
① 全国どこの銭湯・温浴施設でも実施できる!
② 費用はほぼ0円で実施できる!
③ 参加者や実施した浴場の、防災に対する効果が非常に高い!
④ 会場準備や後片付けもほぼなく、訓練自体1時間程度で終了する!
⑤ 日々災害や防災への意識が高まる中、マスコミ、行政等の関心も非常に高い!



この「防災銭湯」の取組が、全国の銭湯や温浴施設に広がって欲しいので、
実際に防災訓練を実施したという銭湯・温浴施設・行政消防の方向けに
今回の防災銭湯の「実施報告書」と使用した「計画書」のPDFを無料で配布します。

1010meguri@gmail.com
↑こちらに件名「防災銭湯」で、店名・欲しい理由等書いてメール送っていただければ、ファイル添付して返送します。
※今回の配布は、銭湯・温浴施設を経営・働いている方・行政消防関係に限らせていただきます。一般の方はご了承下さい。

「実施報告書」、このページの内容よりより詳しいものになっているので
これを元に計画していただければ、どこの銭湯・温浴施設でも同様の防災訓練を実施可能です。
また、実施に関しての細かいアドバイスや質問・協力もお受けします。



◎「防災銭湯」当日の様子
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 ↑会場・朝日温泉

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↑従業員の誘導で、桶や配られたバスタオルで頭や体を守りながら、浴室から安全なフロントへ避難する参加者。

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↑住吉消防署の指導のもと、水消火器による消火訓練 ↑消防署の方の講評と質疑応答、熱心に話を聞く参加者


◎防災銭湯に参加しての感想(アンケート記入)
○大変満足:10名 満足:11 普通:1 やや不満:0 不満:0

○参加しての感想・意見・要望の一部(アンケート抜粋)

・防災を考えることはホントに大事と痛感した。今回の「防災銭湯」はその素晴らしいきっかけになった。(朝日温泉経営者)
・防災に対しての考えがやはりあらためさせられました。銭湯は平屋なので早く退避できると考えていましたが、ガラスの問題にはあらためて注意がいるとわかった。足元をタオル、マットで守る事良い事を教えていただいた。(男性・銭湯の方)
・子どもも一緒に体験させて頂けて、とてもいい経験になりました。資料をみるだけでは、なかなかイメージしにくいところもありますが、実際に見て感じられて良かったです。(女性・銭湯の方)
・はじめての試みであるので、回数をかさねるごとに浴場でおこりうること様々な想定の対処を考えていいものにしていきたい。 経営者や店員がどう動くべきかの訓練もしたい。(男性・銭湯の方)
・消火器の使い方なども学ぶことができて良かったです。実際の流れなど体験できたことが良い経験でした。(女性・一般参加者)


◎掲載実績・反響
産経新聞・・・翌日9/2朝刊(関西版)に1面写真付で掲載。
関西テレビ・・当日9/1夕方から深夜まで繰り返しニュースで放送。
Yahoo!JAPAN・・・写真付ニュースでトップページ掲載。一時その日の国内写真アクセス1位にも。
全国浴場新聞(銭湯業界向けの新聞)・・2018年10月号にイベントの様子が写真付きで掲載。
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『防災銭湯』多くの銭湯経営者の方に興味持っていただいて、2回目、3回目、4回目…まで話もらってます。
次回は、2019年2月23日土曜日午前10時~ 四日市市の銭湯「玉の湯」で
三重県公衆浴場組合と共同で行う予定です。



最後に、
今回の「防災銭湯」の会場として快く協力くれた大阪住吉区の「朝日温泉」さんと
色々なアドバイスくれた「住吉消防署」さん
入浴施設での避難訓練の重要性・有効性を教えてくれた、熊本市の「湯らくっす」さんには
特に大きな感謝をしています。

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銭湯のミライとは? ~君はもう新しい「浴場業の振興指針」を読んだか~【前編】

浴場業の振興指針


「浴場業の振興指針」とは?
「浴場業の振興指針」とは、国(厚生労働省)が定めた法律に準ずる銭湯(公衆浴場)業界のガイドライン的なものです。各銭湯や各浴場組合(銭湯の業界団体)はその指針に書かれた内容を読んで、そこに示された内容や課題等に向け取り組む事が求められています。中身については、5年に1回改定され、厚生労働省の会議で銭湯経営者代表も参加し内容を決めています。それが今年2020年3月に改定されました。

銭湯と同様に、生活衛生関係営業の16業種(飲食店や理容、美容、旅館ホテル、映画館等)も13の指針があります。
特に、銭湯(一般公衆浴場)は他業種やスーパー銭湯・温泉施設に比べて、行政からの補助金や助成減免の額が大きく、公共性の強い施設なので、こうした指針のもつ意味合いもかなり重いと考えます。

でも、この「浴場業の振興指針」、銭湯経営者・働く方ですらちゃんと読んでる人そんなに多くない気がします・・・
この指針に対して、各県の浴場組合は「振興計画申請、実施報告書」の提出を求められているので
各県の浴場組合の理事クラスは当然読んでいるのだろうと思いますが。

この「浴場業の振興指針」は関連資料も含めて、勉強になる部分や参考になるデータ多いので(その為に書かれてるのだから当たり前か)銭湯の経営者の方や働いてる方・関連団体の方はぜひ読まれると良いと思います。
きっと参考になるはずです。


「浴場業の振興指針」本文を見る前に
この指針を決める会議(第34・35回 厚生科学審議会生活衛生適正化分科会)で配られた資料の中に
国・厚生労働省がいまの銭湯業界の分析した資料があるので、事前情報としてそちらを見てみましょう。
なかなか興味深い指摘が多いです。



第34回厚生科学審議会生活衛生適正化分科会 令和元年12月10日資料 より引用


○浴場業の現況について
1.業界(組合員)の経営環境について 
連合会名:全国公衆浴場業生活衛生同業組合連合会  
 業界(組合員)の経営資源の強み

・日本の伝統文化である(入浴の起源は、奈良時代の光明皇后による立願施浴)。
・地域に密着した施設である。
・地域住民(特に高齢層)の健康増進のための施設である。
・ボランティアで銭湯を盛り上げる活動をしている会がある。東京・愛知・京都・大阪・神奈川等。東京で募集している銭湯サポーターは5600名(令和元年10月時点)を超え、SNSで銭湯情報や魅力などを発信してくれる。
・昨今、マスコミ等に取り上げられる機会が増え、好意的な記事が多い。
・他業種と比較すると組合加入率が非常に高い。
・公衆浴場の確保のための特別措置に関する法律が制定されている。
・他業種と比較すると行政の支援や協力をいただける。
・災害時に地域貢献が可能であり、またAED設置を推進している。
・高齢者のみまもり支援やこどもSOS支援に協力できる。

 
 業界(組合員)の経営資源の弱み

・新規開業がほとんどない。
・転廃業に歯止めがかからず組合員が減少している。
・銭湯のない市町村が点在し、銭湯難民が増加している。
・経営者の高齢化や後継者人材難もあり、世代交代が進まないケースがある。
・施設の老朽化が進んでいるが、改善・修繕に多額の費用が掛かるため、転廃業につながるケースが見られる。
・行政の支援が減少傾向にある。

 
 業界(組合員)を取り巻く環境→(競合(大手等)、顧客、マクロ環境など)の良い状況

・訪日外国人旅行者の増加に伴い、日本独自の入浴文化に魅力を感じ、外国人利用者も徐々に増えてきている。マスコミ等からの問い合わせも多数寄せられている。
・若者の銭湯新規利用者がSNSなどにより徐々に増えてきている。
・体の健康だけでなく、心の健康にも効果があると評価が広まっている。

 業界(組合員)を取り巻く環境→(競合(大手等)、顧客、マクロ環境など)の悪い状況

・自治体や第3セクター等が運営する温浴施設等との競合問題。
・民間スポーツ施設等が「その他公衆浴場」から「一般公衆浴場」へ営業許可の変更を行い、近隣の銭湯と競合するケースが見られた。
・利用者の減少による入浴料金収入の減少。
・入浴料金収入が中心であり、付帯事業収入を得ることが困難である。
・家族経営が多く、長時間労働である。
・利用者は、常連客・固定客(高齢者層)が多い。



2.振興指針に定められた事業の取組状況等 
連合会名:全国公衆浴場業生活衛生同業組合連合会  
 組合で策定する振興計画の作成に当たっての指導、振興計画の取組状況等の把握

平成31年4月現在の各県組合(39組合)の組合員数分布は、下記である。
・10軒未満8組合 ・30軒未満18組合 ・50軒未満3組合 
・100軒未満5組合 ・100軒以上5組合
組合員数が少ない組合にとっては、振興計画申請、実施報告書などの書類作成が困難であるという。なお、組合事務所があるのは21組合にとどまる。

 組合への支援事業の取組状況

・外国人受入環境の整備(おもてなしステッカー、マナーポスター、銭湯見学会他)
・健康増進入浴法の情報提供(研修会、入浴法冊子やコミック、PRポスター他)
・体験入浴の普及事業(子供向けのマナー紙芝居、銭湯見学会他)
・健康入浴推進員の養成・生命共済の斡旋
・公衆浴場用の賠償責任保険の斡旋・受動喫煙の防止対策東京では100%禁煙化、大阪でも昨年4月1日より取組中。健康増進施設である銭湯は100%禁煙を目指す。
・大規模災害時の住民支援熊本地震、大阪北部地震、西日本豪雨等では入浴支援を実施し地域貢献できた。大規模災害時にはこのような支援を各県でも実施できるよう「熊本地震の活動記録、災害時マニュアル」等を配布した。

 特に成果の上がった事業(取組)

・外国人利用者については、受入環境の整備事業を実施した結果、次第に増加している。
・児童の体験入浴については、実施浴場が増え、その後、家族での利用があったという声を聞く。家族での銭湯利用の引き金になる可能性を秘めている。
・HSP入浴法、季節にあわせた健康増進入浴法、銭湯と幸福度の関わりPRなどが組合員にも好評であり、組合によってはHP等で積極的に公開発信している。

 取組が難しい事業

・施設及び設備の改善や、省エネ強化や環境保全の推進に関する事業これらの改善や推進には多額の費用を要する。このため、大規模修繕が必要な際に廃業してしまう組合員が多い。
・事業の承継等に関する事業改善方策

改善方法
・利用者を増やし、入浴料金収入の増加が重要である。経済力のある一部組合員は設備投資を行い、利用者を増やした者もいるが、大部分は、設備改善をしたくても、できない状況である。
・利用者の増加につながる創意工夫した組合員の取組を紹介する、アイディア集を配布したり、業界新聞で紹介したりしてサービスの向上につなげていく。
・地域住民の浴場利用の確保対策として、国や地方自治体のより強力な支援策が必要である。



第34回厚生科学審議会生活衛生適正化分科会 令和元年12月10日資料 より引用



なるほど、
さすが厚生労働省がまとめた資料だけあって、
現状・問題点等、的確に指摘してると思います。
良い点と悪い点をそれぞれ挙げているので、銭湯業界の全体像もつかみやすいです。
よくある銭湯関連の記事は、「銭湯は良い・素晴らしい」等の手放しに褒める記事や「銭湯は年に50軒閉店してる」等の全くデータに基づかない記事が多いので、こういう分析は非常に新鮮です。


ここからは自分の分析と持論です。
もちろん、以下の内容について異論等もある方はいるの思います。
長文ですが、一つの意見として読んでいただけると幸いです。


今後の銭湯業界は
・地域 (地元LOVE。
地域を愛しまた地域からも愛される銭湯
・行政 (
地域の公的機関・企業団体との協力。役所、保健、福祉、消防、学校その他)
・同業者 (浴場組合の活性化とそれを超えた繋がり。温浴業界との交流)

 の3本柱がより重要になってくると思います。
 後述する東京の銭湯が他の県より強いのは、この3つの土台が強いからだと自分は考えています。

銭湯の現状の中で良い点として他に
・SNS、ネット、メール等の普及によって、県や支部を超えた銭湯同士の交流や情報収集が安易になった点。
「昔(自分が銭湯継いだ時)は、近隣の銭湯の人しか知らず本当に孤独だった。でも、SNSで全国に自分と同じ考えや問題意識を持って取り組んでいる銭湯の方がいるのが分かって、大いに参考になったし自分も頑張ろうと思うようになった!」
↑これは銭湯経営者の方から本当によく聞く言葉です。

あと、良い点として
・若手銭湯経営者や外部の人材が活躍しだした点。
若手というのは世間でいう20代だけではなく、銭湯業界でいう若手は30代・40代・50代も含みます。
風呂屋の2・3・4代目、他の職業も経験して銭湯を継いだ方、
10年後はこの辺の方達が銭湯業界を引っ張る立場・流れになるのは確実だと思います。
外部の人材については、良い面と悪い面が・・・
まだ数としては少ないですが、京都滋賀のゆとなみ社や東京神戸のニコニコ温泉株式会社等が、従来とは違うやり方や考え方で、銭湯業界に新しい良い風を吹き込んでいるのは確かです!!
その一方、一部に自分勝手なやり方で問題も起こす人も出て来たので、この点は上手な関わり方が必要かと。
あと、「銭湯やりたい・働きたいという人」はSNS等もよく見かけますが
銭湯業界にいま最も足りてないのは、影となって銭湯業界のサポートをする、実務能力や調整力が高く、
人や組織団体の繋がりを作る力がある『裏方』『事務方』の役割が出来る人ではないでしょうか。
上記のような方がいま銭湯界隈を見回してもほぼいません。このような人がいま本当に必要だと思うんです。


上記の厚生労働省の資料の中で
取り組んでる・成果出てると書いてあるが、やや過大評価では思う部分もあります。
特に、外国人利用者、インバンド(外国人旅行者)についての記述。
近年、全国の浴場組合が非常に力を入れてる部分であり、利用者がどんどん増えてる事になっていますが
神奈川県の去年の調査で、銭湯の外国人実際の利用率は全体のわずか「0.3%」という数字が出ています。
また、ある県浴場組合では、日本人向けの銭湯情報もあまりないのに、外国人向けパンフレットだけ作っていたり・・・
外国人利用者の問題はもちろん取り組むべき問題ですが、銭湯業界全体での重要課題かは疑問が残ります。
その銭湯や立地や客層によって大きく変わる部分でもあるし、各銭湯ごとの対応で良いのではとも思います。


銭湯業界の問題点して、ここ数年ハッキリと形になって現れている
・「地方の銭湯崩壊」
・「銭湯の地域格差(具体的いえば東京23区とその他道府県)」

近年、東北地方で多くの浴場組合が解散状態になりましたが、今後同様のことが他の地域でも起こるのは必至です。
東京都内の銭湯全体は、廃業のペースも一時期よりは落ち着き、銭湯の入浴客数もここ数年増加傾向にあり、
やや明るい兆しも見えてきました。ですが、他の道府県の銭湯は、そういう明るい兆しがほぼ見えません!
解散はまだでも、浴場組合としての活動・機能が現時点でほぼ止まっているという県もいくつも聞いています。
たぶんこのまま行くと20年30年後は、銭湯として生き残っているのは
人口もあり行政からの補助も非常に手厚い東京都内の銭湯の一定数、とその他の大都市部のみになりかねない!
対策としては、組合数が減っている組合への具体的な支援や、組合解散した県については越境しての組合加入を可能にする。全浴連内の組織・ルールの変更は必要だと思う。

・「銭湯」=「東京の銭湯」??
東京都公衆浴場組合(東京の銭湯の団体)と、全国公衆浴場業生活衛生同業組合連合会(全国の銭湯の団体)は、
役員や事務方も両方を兼ねてる人が多く、事務所も同じ、実質ほぼ同一の組織といえると思います。
その為、都内の銭湯の事やその意見が、まるで全国の銭湯がそうであるかのように話される事があります。
今回の厚生労働省の資料や会議でも、これは当てはまるの東京だけじゃ?と思う内容が銭湯全体の話のように取上げられてる箇所もありました。

メディアやインターネット等も同様です。
銭湯がメディアに取上げられる機会が増えたり、
各銭湯のSNSでの情報発信が注目されるようになって(それ自体は良いことですが)
発言力や発信力が高い「少数の銭湯」の意見や状況が、「銭湯全体の意見や総意」のように取上げられたり、
受ける側もそう取ってしまう事があるように感じます。
でも、冷静に考えてみると、9割以上の銭湯がSNSはやってないし、メディアに頻繁に取上げられる事もありません。
こうした状況で、「サイレント・マジョリティ(声なき多数派)」である多くの銭湯の意見や実態が逆に分かりづらくなり、銭湯の本当の問題や課題が見えづらくなっているのではないかという心配もあります。
そうした声を取上げる、多くの銭湯にプラスになる活動をするが、
浴場組合に求められる役割、また今回の振興指針の意味だと思います。



銭湯業界の現状分析だけで結構な文量になってしまったので、
「浴場業の振興指針」本文については、分けて後編にしたいとおもいます。



銭湯のミライとは? 君はもう新しい「浴場業の振興指針」を読んだか?【後編】 (後日更新予定)



参考・引用資料 
「浴場業の振興指針」 令和2年3月公布
「厚生科学審議会生活衛生適正化分科会」 第34回(令和元年12月10日)第35回(令和2年1月8日)の資料と議事録
全国生活衛生営業指導センター 『生活衛生関係営業ハンドブック 2015年度』 平成28年3月
「各都道府県の公衆浴場入浴料金審議会」 の資料や議事録

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銭湯や温浴施設における「新型コロナウィルスへの予防対策・対応」について

◎銭湯や温浴施設における「新型コロナウィルスへの予防対策・対応」について。2020/5/30更新

 新型コロナウィルスの感染拡大を受け、国が4月7日にも、緊急事態宣言を発令する予定です。
対象は東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡の7都府県に対して約1ヶ月間になる見込みです。
緊急事態宣言が発令された場合の東京都の対応策が4月6日発表されました。
その中で公衆浴場(銭湯)は、適切な感染防止対策の協力要請を行った上で開店を認めるという方針が示されました。
社会生活を維持する上で必要な施設(生活インフラ)」として、公衆浴場の他に、病院、スーパーマーケット、ホテル、飲食店、交通機関等が挙げられています。 → 緊急事態宣言へ都対応案

その為に、営業を続ける銭湯はより一層の適切な感染防止対策の実行が求められます。
下記の「新型コロナウィルス等の感染症への具体的な対策」を参考にしてください。


3月25日に熊本市東区の温浴施設で長期間滞在者の新型コロナ感染が判明し、その後他の利用者や家族にも感染者が相次いで確認され、クラスター(感染者の集団)の発生が懸念されています。 → 西日本新聞・記事
3月上旬、千葉と横浜のスポーツジム(お風呂、サウナ、岩盤浴も持っている施設)や福祉施設での集団感染が報告されているように、全国の銭湯や温浴施設が「対岸の火事」ではないですし、必ずしも安全とは言い切れません。

これだけ、全国に感染者が拡大し、また症状の出ない感染者も多数いると言われる状況から考えるに
適切な対応をしていても、銭湯や温浴施設の中で今後も感染者が出る可能性は十分にあると思います。

ただ、「全く適切な対応・対策をせずに、施設内で感染者を出た場合」と
「適切な対応・対策を可能な限りした上で、施設内で感染者が出た場合」では
その銭湯・温浴施設の責任やその後の人々の反応等も全く違うと思います。
これから書く情報や対策を正しく理解し実行する事が、感染拡大防止だけではなく、
その店、そのお客さん、その業界を守る事にも繋がります。


こうした緊急時こそ
「正しい情報を集めて、まずは落ち着いて状況を判断し、適切に判断する事が大切です」


感染症対応の基本的考え方

新型コロナウィルス等の感染症への具体的な対策

 ・銭湯や温浴施設側の対応・対策
 ・もし、従業員や利用者に新型コロナ感染者が出たら・・・
 ・お客さんに求める対応
 ・感染症の対応の中で注意すべき点




まず基本の考え方として、
今年3月に厚生労働省から出た最新の『浴場業の振興指針』の中に
今回のような「感染症への対応」について書かれた部分があるので、そこを参考にすべきだと思います。
※「浴場業の振興指針」は、公衆浴場(主に銭湯)に対して、国・厚生労働省から出ているガイドラインです。
銭湯経営者や働いてる人、関連業者も内容についてはよく理解しその上で判断行動するべきです。



『浴場業の振興指針』(令和2年3月公布)には、今回のような感染症の対策について以下のようにあります。

『衛生問題への対応
 衛生課題は、浴槽等におけるレジオネラ症防止対策を講じることはもとより、インフルエンザ等の感染症への対応が必要であり、営業者にとどまらず、保健所等衛生関係機関及び公益財団法人都道府県生活衛生営業指導センター(以下「都道府県指導センター」という。)等との連携を密にして対応することが求められる。
 衛生問題は、営業者が一定水準の衛生管理をしている場合、通常、頻繁に発生するものではないため、発生防止に必要な費用及び手間について判断しにくい特質がある。しかし、一旦、感染症が発生した場合には、多くの利用者に被害が及ぶことはもとより、営業自体の存続が困難になる可能性があることから、日頃からの地道な衛生管理の取組みが重要である。
 また、こうした衛生問題は、個々の営業者の問題にとどまらず、業界全体に対する信頼を損ねることにもつながることから、組合及び連合会には、組合員、非組合員双方の営業者が自覚と責任感を持ち、衛生水準の向上が図られるよう、継続的に知識及び意識向上に資する普及啓発並びに適切な指導及び支援に努めることが求められる。』

感染症

浴場業の振興指針(令和2年3月公布)より引用 



すなわち感染症対策は、個々の銭湯や浴場組合が勝手に判断するのではなく
近隣の感染状況や対応について一番把握している保健所等と協力・協議し、
適切に対応する事が求められています。
通常の入浴営業、また人が集まるイベント、行政と行っている主に高齢者向けの事業について、
実施する必要性とそれに対するリスク等を十分に検討した上で、判断すべきだと思います。


こうした緊急時の対応については、災害対応の時も同様ですが、
過度に怖がるのではなく、また過度に楽観視するのでもなく、
「正しい情報を集めて、まずは落ち着いて状況を判断し、適切に判断する事が大切です」


現時点で、銭湯の全国団体「全国公衆浴場業生活衛生同業組合連合会(全浴連)」や東京・各県の浴場組合から、
各銭湯に対し適切な指示や対応策が下りてきておらず、対応が各県浴場組合や各銭湯任せてなっています。

同業種であるスーパー銭湯や日帰り温泉等の温浴施設の多く、また日本サウナ・スパ協会
同じ生活衛生分野の理容や美容の組合が、
今回の新型コロナウィルスに対する具体的な対策を取っているのに、
銭湯業界は残念ながら危機感も薄く、そのような対策や対応が全く出来ていないのが現状です。
※追記。その後、3月26日以降に東京都浴場組合から追加の文章が出ましたが、まだ十分と言える内容ではないです。

銭湯経営者は、レジオネラ菌等については詳しい知識を持っていますが、
それ以外の多くの感染症や感染予防対策については、ほぼ一般人と同じレベルの知識です。
各銭湯は現在、適切な対応・予防策がなんなんか分からず、確実に混乱しています。
また、感染者が出た地域と出ていない地域では、そこの銭湯にも新型コロナへの意識に温度差が出ています。
それに対する銭湯の方の不安の声や問い合わせが当方にまで届いてきています。

今後、もし銭湯の利用者や従業員から新型コロナの感染者が確認された場合、
個々の銭湯がバラバラの対応をし始める可能性があり、その点を非常に危惧しております。





新型コロナウイルスの感染が拡大している状況なので、銭湯や温浴施設の対応策の一例や注意点を書きます。
以下の書かれた内容は、厚生労働省や同業種・他業種の店舗や団体の情報や対策を参考にした内容です。
こうした情報が、銭湯や温浴施設の適切な新型コロナ等の感染症対策に繋がれば良いと思い、書きました。
決して以下の内容が「絶対的に正しい」ものではないです。状況や対応は常に変化します。その点ご理解ください。
まずは上記に書いた通り、各地の保健所との協力協議が最優先です。
また現在、厚生労働省から多くの新型コロナウィルスについての情報が出ています。
こちらで最新の情報や対応・予防策を学びましょう。 → 厚生労働省・新型コロナウイルス感染症について


◎銭湯・温浴施設側の対応・対策

1.衛生管理の徹底。

・人がよく触れる場所の清掃・除菌の徹底
接触感染を予防するためには、手がよく触れるところ、たとえば、ドアノブ、スイッチ、手すり、エレベーターのボタン、テーブルやカウンター、共用で使うもの(トングやメニュー等)などについて、消毒用アルコールや界面活性剤を含む住居用洗剤等で定期的な清拭をすることが有効です。特に小さなお子さんが来店する機会が多い施設については、こまめな清拭をお願いします。
引用元新型コロナウイルスに関するQ&A「集客施設を運営する方へ」

銭湯・温浴施設などでは、上記の場所の他にロッカーや下駄箱、洗面所、ドライヤー、イス・ソファ等
トイレや浴室の桶・椅子等も、人がよく触れる場所に当たると考えられます。
消毒用アルコールや界面活性剤を含む住居用洗剤、次亜塩素酸ナトリウム等で定期的な清拭をすることが有効。
巡回清掃や通常より清掃の回数を増やす対応が必要。(2時間に1回以上推奨)

・アルコール消毒液等の設置
希望するお客さんが使えるように、入口や受付にアルコール消毒液の設置。

※「次亜塩素酸水」については現時点で新型コロナウイルスへの有効性や
空間除菌をうたった次亜塩素酸水の噴霧の安全性が、確認されていないので推奨はしません。



・共有のクシや、トイレのタオル、ジェットタオルの使用中止
利用者が共有して使う物は、そこから感染症が広がる可能性もあるので使用を中止しましょう。
また、ジェットタオルもウィルスの飛散の可能性があるので止めている所が多いです。


2.定期換気。利用者の施設滞在時間の短縮、混雑(人の密度)を緩和。

・定期的な換気の実施
・機械換気(空調設備、機械換気設備による換気)
・窓をあけての換気。30分に1回(数分程度)、可能ならば2方向の窓を開けて、空気が流れるように配慮する。

・不特定多数が仮眠や長時間滞在が可能な「休憩スペース」「仮眠スペース」等の利用休止。
冒頭に書いた熊本市の温浴施設では、新型コロナ感染者は休憩スペースで長期間寝泊まりしていたという情報もあります。
特に感染が確認されている地域では、施設内の上記のようなスペースはすぐに利用休止すべきだと思います。

・飲食スペース、サウナについては、それぞれの店で検討
特に大勢が長い時間密集した密閉空間で過ごす可能性はあるサウナは休止する事が望ましいですが、
それぞれの施設の特性や混雑状況に大きな差もあるので
各施設ごとに休止、営業時間短縮や衛生対策を判断する必要があると思います。

・イベントや行政との事業の検討
人の集まるイベントや行政との事業(主に高齢者向けの入浴事業等)については
イベントの規模や実施する必要性とそれに対するリスク等を十分に検討し、必要に応じ行政や保健所、浴場組合との協議の上で
開催の延期や休止を決定すべきだと思います。

・密閉した空間で人が密集・密接しない工夫
国・厚生労働省やそれぞれの自治体から注意喚起が出されているように
「換気の悪い密閉空間」「多数が集まる密集空間」「間近で会話や発声する密接場面」は
クラスター(感染者の集団)と呼ばれる感染が広がりやすいとされています。
上記で書いた定期換気の実施や、混雑や人の密集が起こらないようにする店側の工夫配慮が必要。
引用元・ 厚生労働省・「密」を避けて外出しましょう
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3.従業員の健康管理の徹底。

・風邪などの症状・体調不良・発熱の従業員は休ませる。
当たり前の事ですが、体調も悪い人を無理に出勤させる・せざるえない勤務体制は止めましょう。
経営者・従業員の体調不良で通常の店舗運営が出来ないのであれば、休業や営業時間の短縮等の判断もありだと思います。
参考資料:新型コロナウイルスに関するQ&A(労働者の方向け)
新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け)
経済産業省「新型コロナウイルス感染症で 影響を受ける事業者の皆様へ」

・従業員の出勤時の体温チェックの実施

・従業員の咳エチケット・手洗いの励行

・マスクの着用については、このマスクの品薄状態なので、可能ならばというところだと思います。


3.新型コロナに対する正しい情報の掲示、情報収集

・咳エチケット・正しい手洗いの啓蒙
厚生労働省からこのような新型コロナ対策の掲示が出ています。施設内に掲示して、利用者に伝えましょう。
感染症対策・咳エチケットと手洗い(PDF)
感染症対策

・近隣の感染状況等、正しい最新情報の把握
ネット情報や不確かな噂話デマを鵜呑みにせず、正しい情報を得るようにしましょう。
厚生労働省・新型コロナウイルス感染症について
新型コロナウイルスを防ぐには(PDF)
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※もし、従業員や利用者に新型コロナ感染者が出たら・・・

もし、従業員や利用者に新型コロナウィルス感染者が出たら
すぐに地元の保健所に連絡・その指示に従ってください。

従業員の家族等に感染者が出たなど、経営者や従業員が濃厚接触者であることが疑われる場合や
また、以下の症状が経営者・従業員に見られる場合は、
・風邪の症状や37.5℃以上の発熱が4日以上続いている。
(解熱剤を飲み続けなければならないときを含みます)
・強いだるさ(倦怠感)や息苦しさ(呼吸困難)がある。
※ 高齢者や基礎疾患等のある方は、上の状態が2日程度続く場合

 ↓ ↓ ↓
新型コロナウイルスに関する帰国者・接触者相談センター か
新型コロナウイルスに係る厚生労働省電話相談窓口 に連絡し、その指示に従ってください。



◎お客さんに求める対応

・風邪などの症状、体調不良、発熱(37.5℃以上)がある方には、入店をご遠慮いただく。
銭湯は、他の施設よりも高齢の方の利用者が多く、一度感染者が出たらそこから広がる可能性があります。
また、いまだに体調不良を入浴等の熱で治すという考え方を持っている方も多くいます。
この状況ですし、風邪や体調不良・熱のある方については、来店をご遠慮いただくべきだと思います。

・咳エチケットや正しい手洗いの実施のお願い
厚生労働省から出ている感染症対策を、施設内に掲示して利用者に伝え、実施してもらいましょう。
感染症対策・咳エチケットと手洗い(PDF)
感染症対策



◎新型コロナウィルス等の感染症の対応の中で注意すべき点

銭湯・温浴施設側が、誤った情報やデマを拡散したり
新型コロナウィルス等の感染症に対する不当な偏見や差別を煽るような文章・対応を
店側は絶対にしてはいけません


もう既に、一部の銭湯や浴場組合の出した文章の中に
「(2月下旬の段階で)新型コロナウィルスが蔓延いたしております」や「非常事態宣言が出ました」等の
誤った情報や利用者の不安を過度に煽る文章が見受けられています。
情報を書くのであれば、ネット情報や不確かな情報ではなく、公的な機関から出てる正式な情報のみにすべきです。
また「コロナウィルスは熱に弱いから、入浴やサウナが効果がある」
「銭湯はお湯の消毒に次亜塩素酸を使ってるから安全」などの民間療法レベルの不確かな情報を
(利用者側が言うのは勝手ですが) 店側が出すのは止めるべきだと思います。

従業員や利用者に対して、不当な偏見や差別を煽るような言動や対応はしてはいけません。
また、利用者全員に「入店時のマスク着用を強く求める」等の過剰なコロナ対策もするべきではないと思います。

経営者は、体調不良の従業員が休みやすい職場環境、配慮、十分な保障体制が必要です。
今回の新型コロナウィルスによる利用者や従業員に対する不当な扱いや解雇等が起こらないようにしなければなりません。
参考資料:新型コロナウイルスに関するQ&A(労働者の方向け)
新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け)





最後に繰り返しになりますが、緊急時こそ
「正しい情報を集めて、まずは落ち着いて状況を判断し、適切に判断する事が大切です」

全国の銭湯・温浴施設の利用者・従業員に
新型コロナウィルスの感染者が出ないことを。
また、今回の感染拡大や世の中の不安が一日も早く収束する事を願っています。


銭湯・奥の細道

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今年初夏にオープン!気仙沼の銭湯「鶴亀の湯」と、「亀の湯」

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今年の初夏7月頃に宮城県気仙沼市に
「鶴亀の湯」という新しい銭湯(一般公衆浴場)が出来ます!!
浴場用のトレーラーハウスを使った全国でも非常に珍しい(初?)タイプの銭湯です。

今回の鶴亀の湯のオープンの話を正式に聞いたのは、3月初旬
2年前に廃業した同じ気仙沼の銭湯「亀の湯」の齊藤さんご夫婦からでした。
齊藤さんとは2011年頃からのつきあいで亀の湯廃業後も年数回会っていました。

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鶴亀の湯のオープン予定地。気仙沼魚市場の目の前。平日は漁師・市場関係者、休日は観光客が多くいる。

亀の湯ご主人に気仙沼港の魚市場近くの鶴亀の湯の予定地に案内してもらい
鶴亀の湯を立ち上げる小野寺紀子さん(※後述)も紹介いただいた。
新しく出来る「鶴亀の湯」では、
元・亀の湯の齊藤さんご夫婦も地元の方と一緒に、銭湯と食堂の運営を行う予定だ。

→ ○亀の湯について
→ ○鶴亀の湯について



○「亀の湯」について

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NHK「気仙沼の人々」(2012)より
気仙沼の銭湯・亀の湯は全国各地から気仙沼港にきた漁師さんが集まる銭湯だった。
銭湯としてもかなり変わっていて、営業前の午前中でも
入港した漁師さん達が風呂に入りに来たり、シャワー浴びに来たり、ひげ剃りに来たり。
女将さんも来たお客さんに「たべな、たべな」とお菓子、刺身(!)、お茶を振る舞ったり。

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NHK「気仙沼の人々」(2012)より
2011年3月11日、20メートルを超える津波が何度も気仙沼を初めてする東北地方を襲った
気仙沼港に近い銭湯亀の湯は半壊、裏の自宅は全壊しその後取り壊された。
銭湯は一度は休業したが、全国の多くの方からの助けもあり2011年仮設での入浴、翌年正式に営業再開した。
そして、震災後は船の人や地元の人に加え、ボランティアや工事の人達も多く集まる場所にもなった。

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そんな復活を遂げた亀の湯だが
その後、防潮堤建設とかさ上げ工事の為で立退きと建物の解体を余儀なくされ、
2017年にその131年の歴史に幕をおろした・・・


亀の湯の齊藤克之・ちか子さんご夫婦のところには
今でも毎年全国の船の人から手紙やら海産物の贈り物などが届く。
先日は、結婚式の招待まで来たそうだ。
でも、その船の人達と会う銭湯・亀の湯はもうなくなった。
齊藤さんの特に奥のちか子さんは
「船の人やボランティアの人達にまた会いたい。そういう場をもう一回作りたい」
と亀の湯閉店後も頻繁に言っていた。
その為、亀の湯のあった場所には自宅兼小さなコインランドリーをいま建てている。

2017年に亀の湯が閉店した時
もう一回同じ場所には銭湯を再建すべきだという意見もあったが
齊藤さんご夫婦の年齢を考えるとそれは難しい。
銭湯を新築して斎藤さんに回収の難しい多額の借金を負うのはあまりにも酷だ。
自分自身も、もし亀の湯が再開するなら
斎藤さんもご夫婦には金銭面の負担はかけず
気仙沼市か他の人が作った施設に管理人等の
形で入るのが現実的だと考えていた。
それが今回、鶴亀の湯オープンによって実現出来そうだ。

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鶴亀の湯は
気仙沼港を利用する漁師さん船の人、市場関係者の為の銭湯であると同時に、
亀の湯時代の船の人やボランティア、お客さんが、ご主人女将さんとまた会える場所でもある。
その再会の場という意味も「銭湯・鶴亀の湯」にはある。
だから名前も、『鶴“亀の湯”』なのだ。

銭湯という『場』が継承され今後若い人にバトンタッチされて続いていく。
『場を再建し繋いでいく』
被災地の復興計画は何かと建物や巨大な何かを作りたがるけど
こういう「場」を作ることも重要じゃないかなと思う。

それを実現できる可能性がある、僕が鶴亀の湯を応援支援する大きな理由の一つです。






○「鶴亀の湯」について

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鶴亀の湯・鶴亀食堂の立ち上げの中心メンバー。斉藤さん、小野寺さん、根岸さん。鶴亀HPより

宮城県気仙沼に新しく出来る銭湯「鶴亀の湯」と併設してごはん食べられる「鶴亀食堂」は
気仙沼魚市場そばの「みしおね横丁」の中で、他5店舗の飲食店と一緒にオープンする予定です。
経営は新しい会社を立ち上げ、地元企業の小野寺紀子さん、斉藤和枝さん、気仙沼に移住してきた根岸えまさんが中心に行う。

『鶴亀の湯・鶴亀食堂』 HP

このプロジェクトの事を初めて耳にしたのは約2年前。銭湯・亀の湯が廃業した時
「つばき会」(気仙沼の女将さんの団体)が港の近くに代わりの銭湯を作ろうとしている。という話を聞いた

それから2年経ち
現在、亀の湯なき後、漁師さん達はどうしても風呂入りたい時は
タクシー等で乗り合わせ往復5000円かけて市内のスーパー銭湯「ほっこりの湯」に行ったりしているそうだ。
気仙沼にはもう一軒「友の湯」(←こっちもとても良い銭湯!)という銭湯もあるが、
港からは距離もあり営業時間も午後からなので午前中とか漁師さんが行くは難しい。

気仙沼つばき会の方達は、漁師さんの為に、
やはり港のそばに気軽に入れる入浴施設が必要だと強く感じた。
気仙沼市や市内の事業者等に打診もしたけど、結局どこも動かなかった。
小野寺さん「こういう時は誰かが腹をくくらないといけない。だから、今回は私達が動いた。」
さすが、港の女性は強い!!

亀の湯閉店から約2年間水面下で動き続け
気仙沼魚市場の目の前の適当な場所が確保でき
また採算が合うような浴場設備や事業計画が整える事が出来て
今回の発表となった。

鶴亀の湯・鶴亀食堂の開業資金は3000万円
うちの1000万円は、地元・気仙沼市が創造的産業復興支援事業の助成金を出し
1400万円は、地元から事業者や市民からの寄付で、
残り600万円をクラウドファンディングで集める予定だという。 ←5月23日終了。600万円無事達成!!
現在も、下記のページで振込での支援受付中で誰でも寄付出来ます。

「鶴亀の湯・鶴亀食堂。ご寄付ご協力のお願い」


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トレーラーハウス銭湯「鶴亀の湯」の内部。鶴亀HPより
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鶴亀の湯と鶴亀食堂を含む「みしおね横丁」。銭湯部分は右奥のトレーラハウス2棟。後述のAbemaTVより

鶴亀の湯の簡易の設計図も見たが
銭湯はあくまで船の漁師さんや市場関係者をメイン利用者と想定してる為
そこそこの広さがある男湯に比べ、女湯はかなり狭い、家庭浴室くらい。
元々は男湯だけを考えていたが、片方だけでは一般公衆浴場の認可が下りないため女湯もつけた経緯がある。
まあ、港の銭湯だと男湯の方が広いのはよくある。
もちろん銭湯なので、440円で地元の人も観光客でも誰でも入れる。
また、メインの利用者となる船や魚市場の人の為に、銭湯は朝7時から営業する予定だという。


今回、自分が「鶴亀の湯・鶴亀食堂」の応援支援を決めたのは

第一に、
地元・気仙沼の人が中心になり責任持ってプロジェクトを進めている点。

小野寺紀子さんは、冷凍水産物の輸出入漁船に餌や資材を積み込む事業やアンカーコーヒー等を手がけてる
「オノデラコーポレーション」の常務取締役、
斉藤和枝さんは、水産加工会社老舗の「斉吉商店」の専務取締役だ。
地元気仙沼の事もよく知ってるし、経営の事もよく分かっている。
4年前に気仙沼に移住してきた根岸えまさんという若い力もある。
外部の人が思いつきで進めてる復興事業ではないという事。
結局ところ、銭湯は地域のものであり
地元の人に必要とされればこその銭湯である。

第二に、
しっかりと準備、事業計画を立ててる点。

2年間かけて準備や調査、関係機関との調整もしている。
銭湯完成開業をゴールにするのではなくて
そこをスタートと考え、その後の運営や事業計画を建てている。
利用者数を考えると銭湯単体では採算を取るのは難しい。
観光客もたくさんいる魚市場前の立地なら飲食も合わせてやればそこから収益を集められる
小野寺さんは言っていた。
「もし資金を集めてやりました。はい、すぐやめました。では申し訳が立たない。
銭湯が続くように事業計画を考えてる」

第三に、
銭湯建設の費用の問題。

銭湯は建物が特殊なので、新規で建てる場合建設費だけで2億円以上はかかると言われてる。
その為、客数が少ない地方では銭湯を建てたり大規模に修繕したりすると
その費用が何十年かかっても回収できない可能性が高い。
それが地方都市で銭湯の新築や大規模改修を拒む大きなネックになってる。
今回、浴室用トレーラーハウスを使う事で
その建築費用が数十分の一に抑えられた。
気仙沼だから出て来たアイディアで、初めて聞いた時正直驚いた。
(気仙沼市内、トレーラーハウスでの営業して商店等も多い)


自分は、過去に他の地域で多くの銭湯復活プロジェクトで
外部の無責任な主催者達が無計画なプロジェクトを推し進め
毎回問題を起したり失敗するのを見てきた。

浴室用トレーラーハウスの耐久性、浴場としての機能・能力、
あと、船の人が去る冬の期間の営業、ランニングコスト等の採算面、
不安の要素が全くないわけではないが、
過去のそれらに比べれば、今回の鶴亀の湯の計画は、何十倍も現実的だ。

気仙沼の人が中心となり、気仙沼にとって必要だから銭湯を作るという目的も心強い。
だから応援したいと思った。

それに、もしこの形での銭湯の経営運営が成り立つなら
他の地域にも新しい銭湯を作れる可能性が出てくる。
その先駆的な事例になるかもしれない。
そういう可能性も感じる。だから応援支援したと思った。


鶴亀の湯が完成したら
ぜひ、今まで来たことある人も初めて来る人も、一度宮城県気仙沼に足を運んでほしい!!
確かに遠いけど、食べ物はうまいし、人は優しいし、良い街です。
鶴亀の湯が、そういう足を運ぶきっかけになると良いと思う。


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気仙沼市内の安波山から望む気仙沼港と魚市場。




鶴亀の湯・鶴亀食堂の今後のスケジュール
2019年
3月中:設計・メニュー考案
3月中旬:建設予定地で地鎮祭を行いました。
4月上旬:トレーラーハウス設営
4月中旬〜:設備・内装施工
7月頃:オープン予定

○鶴亀の湯・鶴亀食堂の立ち上げメンバーの一人根岸えまさんを取材したニュース番組
銭湯については→3:40~11:40あたり。
気仙沼港に再び漁師のための銭湯を 被災地“移住女子”と被災者が挑む新たな復興|【AbemaTV】

| コラム的なもの | 06:59 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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